ANAホールディングス(ANAHD)と宇宙航空研究開発機構(JAXA」)は、”AVATAR X Program”(アバターエックスプログラム:AVATAR X)を始動する。
「AVATAR X」は、今後の宇宙関連市場の大幅な拡大を見据え、宇宙関連事業への参入を目指す企業・団体と、ANA・JAXAが連携し、「AVATAR(ANAグループが描く瞬間移動手段)」を活用した、以下をはじめとした宇宙関連事業の立ち上げを目指すプログラム。
今年3月に発表した「ANA AVATAR VISION」と、新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指す「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」における「人類の活動領域を拡げるテーマ群」の一環として始動する。
<AVATAR Xで事業化を目指す、AVATARを活用した宇宙関連事業の例>
① 宇宙空間における建設事業
② 宇宙ステーションや宇宙ホテルなどの保守・運用事業
③ 宇宙空間におけるエンターテインメント
まずは「コンソーシアム」という共同体にて第一歩を踏み出し、今後は事業会社化を視野に入れながら、将来的には、月面や火星などへ事業を展開していくことを目指す。
「AVATAR X」は、主に4つのステップに分けて、その活動を推進する。ANAHDとJAXAは「AVATAR X」を通じて、新たな宇宙開発・利用関連事業の創出を産官学にて連携して推進する。
【ステップ1】
各事業分野におけるコミュニティの形成を目的に、「AVATAR X」コンソーシアムを速やかに発足。コンソーシアム会員について、革新的な技術や知見を持つ新興スタートアップ企業や異業種企業を含め、産官学各方面より広く募集。「AVATAR X」コンソーシアムにおいて、AVATARを活用した宇宙関連事業の事業性検討や事業計画・ロードマップの作成に着手(「J-SPARC」事業コンセプト共創フェーズ)。
【ステップ2】
2019年からの事業会社化を視野に入れながら、AVATAR技術を宇宙空間で活用する前段階として、月や火星の宇宙環境を模した、大分県内の技術実証フィールド「AVATAR X Lab@OITA(アバターエックスラボアット大分)」において、「地上での技術の実証実験と事業性検証」を行なう。AVATAR技術を中心とする最先端技術の実証実験を行なうため、「AVATAR X Lab@OITA」に「建築事務所 CLOUDS Architecture Office」がデザインするシンボル建造物を配置し、実証実験に必要な通信や研究設備などの環境を整備。AVATAR技術の実証実験に限らず、将来人類が宇宙空間で生活するために欠かせない5つの軸、①「探す・みつける」②「楽しむ・学ぶ」③「建てる」④「暮らす」⑤「医・食・住」を中心とした各種の事業性検証も併せて「AVATAR X Lab@OITA」にて行なう
【ステップ3】
2020年代序盤の開始を目指し、「宇宙空間(地球低軌道)での技術の実証実験と事業性検証」後、各事業を立ち上げ。
【ステップ4】
将来的に、これら事業を月面や火星にまで展開するフェーズとして想定。