●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●JAXA、初となる50kg級超小型衛星の「きぼう」からの放出に成功 

2016-04-29 15:26:06 | 人工衛星

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)、東北大学、北海道大学、フィリピン科学技術省(DOST)、フィリピン大学ディリマン校は、フィリピン共和国の第1号超小型衛星「DIWATA-1」の国際宇宙ステーション「きぼう」からの放出に成功した。

 50kg級超小型衛星の「きぼう」からの放出は、JAXAとして初めて。

  「DIWATA-1」は、フィリピン科学技術省(DOST)、フィリピン大学ディリマン校、東北大学、北海道大学が共同開発した50kg級の超小型衛星で、JAXAが提供する打上げ機会を利用し、平成28年3月23日(日本時間)に米国フロリダ州より打ち上げられ、4月27日20時45分頃、「きぼう」から放出した。

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●宇宙探査●JAXA、X線天文衛星ASTRO-H「ひとみ」の運用を断念

2016-04-28 17:12:57 | 人工衛星

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、X線天文衛星ASTRO-H「ひとみ」の運用を断念した。

 JAXAとして技術的に検討した結果、以下2つの結論に至った。

 ①分離に至る推定メカニズムについてシミュレーションを含めた解析の結果がほぼ確定し、構造的に弱い部位である太陽電池パドルが両翼とも根元から分離した可能性が高いこと。

 ②物体が分離した後も電波を受信できていたことを根拠とし、通信の復旧の可能性があると考えていたが、得られた電波の周波数が技術的に説明できないこと等から、受信した電波はASTRO-Hのものではなかったと判断されること。

 また、複数の海外機関からも太陽電池パドルの両翼分離を示唆する情報を得たことから、これらの情報に基づき、今後衛星が機能回復することは期待できない状態にあるとの判断に至ったもの。

 

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●宇宙探査<新刊情報>●「五〇億年の孤独」(リー・ビリングズ著/早川書房)

2016-04-21 13:42:27 | ●宇宙探査<新刊情報>●

 

<新刊情報>

 

書名:五〇億年の孤独

著者:リー・ビリングズ

訳者:松井信彦

発行:早川書房(ハヤカワ・ポピュラー・サイエンス)

 F・ドレイク、C・セーガンら先駆者から、近年のJ・カスティング、S・シーガーまで、政治家の思惑に振り回されながらも活路を見出し太陽系外に生命を追う試みの最先端を、詳細に紹介する科学解説。

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◆JAXA、X線天文衛星「ひとみ」の現状を発表

2016-04-19 23:42:21 | 天体観測施設

 AXAは、X線天文衛星「ひとみ」について、現状を次の通り発表した。

<推定される現在の衛星状態>

•衛星全体が速い速度で回転
•衛星の回転力に弱い部位(太陽電池パネルの一部、EOB等)が分離
•バッテリ枯渇(充電するためには、充電機能ONが必要なため通信の確保が必要)
•通信が確立できていない(3/28以降)

 3/26~28にかけて3回電波は受信できているが、テレメトリが取得できていない。調査の中で以下の事象を確認しており、衛星状態推定・復旧運用に向け詳細な調査を継続している。
 -キャリア周波数として200[kHz]程度ずれた電波を受信している。
 -周波数スペクトルが地上試験データと異なっている。

•軟X線分光検出器(SXS)冷却システムの液体ヘリウムの減少(現時点では枯渇までは至っていないと推定)。
•ASTRO-Hから分離した物体のうち2つは比較的早く高度を下げていることが観測されており、4月末から5月中旬にかけて大気圏に再突入すると予測されている。

<今後の計画>

以下の作業を並行して行っていく。

(1) 電力・通信の確立に向けた運用、回転状態・形状推定のための地上観測
(2) メカニズム、故障の木解析(FTA)等の推定が残る部分の検証
(3) 今回の事象の要因(開発・運用のプロセス、及びその体制を含む)の分析

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●宇宙探査●JAXA、X線天文衛星「ひとみ」との交信が途絶えた原因究明

2016-04-15 22:06:08 | 天体観測施設

 JAXAは、X線天文衛星「ひとみ」との交信が途絶えた問題で、「衛星状態正常」から「姿勢異常」が発生し、「物体の分離」に至るまでの状況を発表した。

<4つの推定メカニズム>

(1)3月26日に、活動銀河核観測のための姿勢変更運用を計画通り実施した。

(2)姿勢変更運用終了後、姿勢制御系の想定と異なる動作により、実際には衛星が回転していないにもかかわらず、姿勢制御系は衛星が回転していると自己判断した。その結果、回転を止めようとする向きにリアクションホイール(RW)を作動させ、衛星を回転させるという姿勢異常が発生した。【推定メカニズム①】

(3)加えて、姿勢制御系が実施する磁気トルカによる角運動量のアンローディング(磁気トルカ作動または姿勢制御用スラスタの微量噴射により、 リアクションホイールの回転数を正常動作範囲内に調整する運用)が姿勢異常のため正常に働かず、RWに角運動量が蓄積し続けた。【推定メカニズム②】

(4)姿勢制御系はこの状況を危険と判断し、衛星を安全な状態とするためセーフホールド(SH)に移行し、スラスタを噴射したと推定される。この際、姿勢制御系は不適切なスラスタ制御パラメータにより、想定と異なる指示をスラスタに与えたと推定される。その結果、スラスタは想定と異なる噴射を行い、衛星の回転が加速する作用を与えたと推定される。【推定メカニズム③】

(5)衛星の想定以上の回転運動により、太陽電池パネルの一部、あるいは伸展式光学ベンチ(EOB)など、速い回転に対して構造的に弱い部位が分離したと推定される。【推定メカニズム④】

<推定される現在の衛星状態>

•衛星全体が速い速度で回転

•衛星の回転力に弱い部位(太陽電池パネルの一部、EOB等)が分離

•バッテリ枯渇(充電するためには、充電機能ONが必要なため通信の確保が必要)

•通信が確立できていない(3/28以降)。3/26~28にかけて3回電波は受信できているが、テレメトリが取得できていない。調査の中で①②の事象を確認しており、衛星状態推定・復旧運用に向け詳細な調査を継続している。①キャリア周波数として200[kHz]程度ずれた電波を受信している。②周波数スペクトルが地上試験データと異なっている。

•軟X線分光検出器(SXS)冷却システムの液体ヘリウムの減少(現時点では枯渇までは至っていないと推定)

<当面の計画>

以下の作業を並行して行っていく。

(1)電力・通信の確立に向けた運用、回転状態・形状推定のための地上観測
(2)メカニズム、故障の木解析(FTA)等の推定が残る部分の検証
(3)今回の事象の要因(開発・運用のプロセス、及びその体制を含む)の分析
(4)宇宙開発利用部会へ報告

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●宇宙探査<新刊情報>●「HAKUTO、月面を走れ」(袴田武史著/祥伝社)

2016-04-15 11:11:44 | ●宇宙探査<新刊情報>●

 

<新刊情報>

 

書名:HAKUTO、月面を走れ~日本人宇宙起業家の挑戦~
 
著者:袴田武史
 
発行:祥伝社

 目指せ、世界初の民間月探査レース「Google Lunar XPRIZE」優勝!そして、宇宙を舞台にしたビジネスの実現へ。勝利に向けた奮闘の記録と、夢を叶える方法論。「Google Lunar XPRIZE」とは、Googleがスポンサーとなり、XPRIZE財団によって運営される、月面ロボット探査を競うレース。ミッションは、月面に純民間開発の無人探査機を着陸させ、着陸地点から500m以上走行し、高解像度の動画や静止画データを地球に送信すること。期限は2017年末。1位のチームには賞金2000万ドル、2位のチームには賞金500万ドルが与えられる。2016年3月現在、日本のHAKUTOチームのほか、世界各国から全部で16チームが参加。

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●宇宙探査●アルマ望遠鏡、宇宙に満ちる謎の赤外線放射の起源を解明

2016-04-11 15:16:25 | 宇宙

 東京大学宇宙線研究所の藤本征史氏と大内正己准教授をはじめとする研究チームは、アルマ望遠鏡を使って、人類史上最も暗いミリ波天体の検出に成功し、これらの天体から放射される赤外線が、これまで謎だった宇宙赤外線背景放射の起源であることを解明した。。

 さらに同研究チームは、今回の研究で見つかった暗いミリ波天体をハッブル宇宙望遠鏡やすばる望遠鏡の光赤外線の画像で調べた結果、暗いミリ波天体のうち約60%の正体は、これまで光赤外線の観測で知られている遠方銀河であったことが判明した。

 一方、残りの約40%の天体は、光赤外線観測では姿が見えない天体であった。

 今回の研究によって、宇宙赤外線背景放射の起源が銀河などの天体であることが明らかになった一方で、これらのうち40%については正体不明の新しいタイプの天体である可能性が出てきた。

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●宇宙探査●JAXA、金星探査機「あかつき」の軌道修正に成功

2016-04-10 20:01:38 | 人工衛星

  JAXAは、4月中旬ごろを見込んでいる定常観測移行に先だって、金星探査機「あかつき」の軌道修正制御を実施し、計画通りに実行されたことが確認出来たと発表した。

 軌道修正の目的は、今後の機体の耐久性にもよるが、観測期間を延ばせると見込まれる(約800日→約2000日)軌道へ修正すること。

 修正後の軌道(数値は全ておおよその値)は、遠金点37万km、近金点1000-10000km、周期10.8日(修正前の軌道は、遠金点36万km、近金点1000-10000km、周期10.5日)

 

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●宇宙探査●アクセルスペース、来年中に超小型衛星3機打ち上げ予定

2016-04-09 12:45:04 | 人工衛星

 アクセルスペースは、地球観測画像データのプラットフォーム「AxelGlobe」のための画像を取得する超小型衛星「GRUS(グルース)」を、2017年から2022年にかけて50機打ち上げる計画だが、その第一弾として、2017年には3機の打ち上げを予定している。

 「AxelGlobe」は、アクセルスペースが整備する超小型衛星群によって地球上の全陸地の約半分、人間が経済活動を行っている地域のほぼ全てを毎日撮影、画像データを蓄積し、過去から現在にわたるデータを分析することで、未来予測に繋げていくことを目指す。

 さらに自社衛星画像だけでなく、オープンプラットフォームとして、航空写真などの精度の異なる画像データ、気象などの非画像データの組み合わせによる広範な解析基盤を実現するとともに、データにアクセスするAPIを公開し、様々な事業者が独自のアプリケーションを開発できる体制を整え、衛星データのビジネス活用を広げていくことを目指す。

<超小型衛星「GRUS」の概要>

•質量:約80kg
•高性能光学望遠鏡を搭載し、地上分解能2.5m、撮影幅50km以上の画像を取得

<アクセルスペースの実績と計画>

•2013年11月 世界初の民間商用超小型衛星「WNISAT-1」打ち上げ成功
•2014年11月 地球観測ビジネス実証用超小型衛星「ほどよし1号機」打ち上げ成功
•2016年春  北極海観測用超小型衛星「WNISAT-1R」打ち上げ予定
•2017年    AxelGlobe向け超小型衛星「GRUS」3機を打ち上げ予定

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●宇宙探査●JAMSTECと広島大、隕石中に特殊なガーネットを世界で初めて発見

2016-04-08 11:19:34 | 宇宙

 海洋研究開発機構(JAMSTEC)と広島大学の研究グループは、母天体における衝突により高温高圧を経験した隕石中に、超高圧でしか形成されない特殊なガーネットを世界で初めて発見した。

 同研究グループは、1879年にオーストラリアに落下した隕石に含まれる、衝撃で変成した部分を、JAMSTEC高知コア研究所が所有する超高空間分解能の透過電子顕微鏡を用いて詳細に解析した結果、MgSiO3組成に富む正方晶ガーネットを世界に先駆けて、同定し、その存在を明らかにした。

 さらに、このガーネットの生成条件は圧力17-20万気圧、温度1,900-2,000°C、衝撃後の冷却速度は1,000°C/秒以上であると推定しした。

 今回発見された正方晶ガーネットは、小天体の物性や相互の衝突速度など初期太陽系プロセスを探る重要な鍵をにぎるほか、地球内部のマントルにも存在する可能性があり、マントルの物性を解き明かす上で大きな役割を担うことが期待される。

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