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●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●国立極地研究所など、HED隕石から高圧鉱物を発見

2014-07-16 15:29:15 | 宇宙

 広島大学、東北大学、国立極地研究所を中心とした研究チームは、小惑星ベスタ由来と考えられているHED隕石から、シリカ(SiO2)の高圧相、コーサイトとスティショバイトを世界で初めて発見した。

 NASAの探査機ドーンによる探査で、ベスタには多数のクレーターが存在することが明らかになっている。これはベスタが激しい天体衝突を経験したことを示唆するものでだが、天体衝突時に発生する超高圧力・高温に伴って生成するはずの高圧相がHED隕石からはこれまで発見されていなかった。

 しかし、研究チームは電子顕微鏡や集束イオンビーム加工装置といったナノ分析技術を駆使し、HED隕石からシリカの高圧相を見出すことに成功した。

 これまでの研究によれば、約10億年前に起きた天体衝突で、ベスタに巨大なクレーターが形成され、その際に弾き飛ばされたベスタ表層物質が、地球にHED隕石として飛来したと推測されていた。

 しかし、シリカの高圧相と放射年代を考慮すると、HED隕石に記録された天体衝突は約41億年前であり、ベスタの巨大クレーターの形成時期とは一致せず、HED隕石の起源と地球への飛来プロセスを再考する必要があることも分かった。


●宇宙探査●国立天文台と東大、金などが中性子星の合体で作られたことを明らかに 

2014-07-05 22:46:32 | 宇宙

 国立天文台と東京大学の研究チームは、金やプラチナ、レアアースといったR過程元素(中性子を素早く<rapid>捕獲する過程で合成された元素)が中性子星の合体の際に作り出された可能性が非常に高いことを明らかにした。

 同研究チームは、銀河系と銀河系の近く(約80万光年の範囲内)に属する個々の星に刻まれた元素組成の履歴を解読し、R過程元素が中性子星の合体の際に作られ、宇宙空間の広範囲に即座に拡散したと考えると観測結果を矛盾なく説明できることを突き止めた。

 また、中性子星合体現象は、直接重力波を検出できる現象として期待されている。

 同研究に基づくとこれまでよりも正確に中性子星合体現象が銀河内で起こる頻度を見積もることができる。

 具体的には、現在建設中の重力波検出装置KAGRAは海外の検出装置との連携によって、2020年代には1ヶ月から2ヶ月に一度の頻度で中性子星合体からの重力波が検出されるだろうと予想される。


●宇宙探査●日本の研究チーム、アルマ望遠鏡で星の形成過程の観測に成功  

2014-07-03 20:56:00 | 宇宙

 日本の研究チームは、アルマ望遠鏡による観測から、星の誕生現場では星の卵となるガス塊が非常にダイナミックに運動していることを発見した。

 これは、ゆっくりとガス雲が収縮して星が生まれるという従来のイメージを覆す、画期的な観測成果。

 おうし座にある濃いガス雲MC27には、過去の観測から生まれたばかりの星があることが知られていた。
 
 星の形成過程を調べるため、徳田一起氏と大西利和教授(大阪府立大学)を中心とする日本の研究チームは、アルマ望遠鏡でMC27を観測した。

 その結果、以前から知られていた生まれたばかりの星のすぐ隣で、星を持たない非常に濃いガス塊を発見した。

 このガスの塊は星が誕生する直前の段階にあると考えられる。また、付近には長く伸びたガス雲も見つかった。

 これは、2つ以上のガス塊がお互いに重力を及ぼしながら激しく移動した結果と考えられる。

 こうしたダイナミックな星の形成の様子が観測でとらえられたのは、今回が初めて。


●宇宙探査●東北大学など、木星のガリレオ衛星が「月食」中に謎の発光現象を発見

2014-06-23 11:21:43 | 宇宙

 東北大学、宇宙科学研究所、国立天文台などの研究者を中心とする研究チームは、すばる望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡を用いた観測から、ガリレオ衛星(木星の周りを回る4大衛星)が、木星の影に入り太陽光に直接照らされていない「食」の状態にも関わらず、わずか(通常の100万分の1程度)に輝いているという現象を発見した。

 詳しい原因ははっきりとは解明されていないが、研究チームは、木星の上層大気に存在する「もや」で散乱された太陽光が、ガリレオ衛星を間接的に照らしているのではないか、と考えている。これは、月が地球の影に完全に隠れてしまう皆既月食の時でも月が赤く光るのと似た現象。

 今後この現象を継続的に調べることで、これまで観測が難しかった木星の「もや」の性質に迫れるだけでなく、近年数多く発見されている太陽系外惑星の大気についても新たな知見が得られると期待される。


●宇宙探査●国立極地研究所、南極隕石437個の分類結果を公表 

2014-06-19 11:03:02 | 宇宙

 国立極地研究所は、南極隕石437個の分類結果を新たに公表した。

 南極のセールロンダーネ山地の東側および南側(ナンセン氷原)裸氷体で採取した隕石437個の初期分類結果を、「南極隕石ニュースレター(Meteorite Newsletter Vol. 23)」として公表したもの。

 これは、日本・ベルギー共同隕石探査(2009~13年にかけて3回実施)で回収した隕石約1,200個のおよそ3分の1に当たる。これらの隕石は、国立極地研究所およびベルギー自然史博物館で保管されている。

 南極隕石のほとんどは、太陽系誕生当時にできた微惑星の破片であると考えられており、初期太陽系の形成過程を探る重要な手がかりとなる。

 現在、国立極地研究所とブリュッセル自由大学(ULB、VUB)を中心として、南極隕石を用いた国際共同研究が進められている。なお、分類した隕石は、今後、世界各地の研究機関へも配分される予定。


●宇宙探査●国立天文台、巨大な星の周囲の分子ガスの電波を世界で初めて検出

2014-06-13 11:35:41 | 宇宙

 国立天文台の研究者を中心とする研究チームは、今回、高感度を誇るアルマ望遠鏡によって、ガンマ線バーストを起こすような巨大な星の周囲の分子ガスの電波を世界で初めて検出に成功した。ガンマ線バーストGRB 020819BとGRB 051022のそれぞれが属する2つの銀河をアルマ望遠鏡で観測したもの。

 ガンマ線バーストはガンマ線の閃光で、宇宙で最も激しい現象と考えられている。その正体については謎が多く、さまざまな研究が重ねられてきた。 

 ガンマ線バーストを起こすような巨大な星は、星が活発に誕生している領域に存在していて、その周囲には星の材料である分子ガスが大量に存在していると予想されていたが、これまで分子ガスからの電波が検出されたことはなかった。

 また、アルマ望遠鏡の高い解像度(視力)により、GRB 020819Bが属する銀河では、分子ガスと塵(ちり)の分布が大きく異なることがわかった。

 分子ガスは銀河の中心に多く分布しており、塵はガンマ線バーストが発生した場所に多く存在していた。

 そしてガンマ線バーストが発生した場所では、分子ガスに対する塵の量が通常の環境よりも10倍以上多くなっていた。ガンマ線バーストが発生した銀河における分子ガスと塵の空間分布を明らかにしたのも今回の研究が初めて。


●宇宙探査●2014年カブリ天体物理学賞、インフレーション理論のアラン・H・グース氏など3名が受賞

2014-06-04 11:10:43 | 宇宙

  東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(IPMU)は、2014年カブリ天体物理学賞が「宇宙のインフレーション理論の提唱」の業績により、アラン・H・グース(米国、マサチューセッツ工科大学)、アンドレイ・D・リンデ(米国、スタンフォード大学)、アレクセイ・A・スタロビンスキー(ロシア科学アカデミー・ランダウ理論物理学研究所)の3氏に授与されると発表した。

 インフレーション理論によれば、私たちの住む宇宙は誕生直後、非常に短い時間に急速に膨張をしたと考えられる。この凄まじい膨張を「インフレーション」と呼ぶ。インフレーションのシナリオなしでは、現在の宇宙が形作られたことを説明出来ない。現在、数千人もの理論物理学者がインフレーション理論に取り組んでおり、様々なバリエーションのインフレーションのモデルについて、活発な議論がおこなわれている。


●宇宙探査●東北大学、ロシア・チェリャビンスク隕石から高圧鉱物を発見 

2014-05-27 09:13:03 | 宇宙

 東北大学の研究チームは、ロシア科学アカデミーなどと共同研究を行い、2013年2月にロシア・チェリャビンスク州に落下した隕石から、天体衝突に伴う超高圧・高温条件の下で生成したヒスイ輝石(NaAlSi2O6)を世界で初めて発見したと発表した。

 チェリャビンスク隕石は、その内部に至るまで溶融した部分を多く含むことから、地球に落下する前に大規模な天体衝突を経験したと推測されていた。

 しかしながら、その明確な証拠についてはこれまで示されていなかった。

 今回、同研究チームは、チェリャビンスク隕石の衝撃溶融脈(天体衝突によって隕石の一部が脈状に溶融した部分)の内部を電子顕微鏡で詳しく調べ、斜長石からヒスイ輝石が生成している様子を世界で初めて明らかにしたもの。

 ヒスイ輝石の存在と衝撃溶融脈の冷却速度等の計算を考慮すると、チェリャビンスク隕石の母天体に大きさ0.15~0.19 kmの天体が、少なくとも0.4~1.5 km/sの速度で衝突し、その際に少なくとも3~12万気圧の超高圧が発生したと推測される。

 


●宇宙探査●東京ドームに7月8日、宇宙ミュージアム「TeNQ」がオープン

2014-05-25 11:57:24 | 宇宙

 東京ドームシティ(東京都文京区後楽1-3-61)の玄関口の「黄色いビル」に、いろいろな視点から心地よく宇宙を楽しめる施設、宇宙ミュージアム「TeNQ(テンキュー)」が2014年7月8日にオープンする。

 同ミュージアムは、心打つ星空、圧倒的な宇宙空間、最先端のサイエンス、宇宙からインスピレーションを受けたカルチャーなどが楽しめる新しいエンタテインメント施設。

 「宇宙を感動する」をコンセプトとし、これまでとは違った視点から、「なるほど!」「もっと知りたい!」「誰かに話したい!」という知的好奇心を刺激する空間を提供することにしている。

 楽しみながら知識を深めることができる8つのエリアから構成されており、各エリアで新しい宇宙との出会いが楽しめる。

 東京大学総合研究博物館との産学連携プロジェクトが行われ、直径11mの迫力の「大型円形高解像度シアター」などが誕生することになっている。

 ・総事業費:約14億円
 ・年間売上:5億円(見込み)
 ・年間動員:35万人(見込み)
 ・施設面積:約2,600㎡


●宇宙探査●「宇宙博2014―NASA・JAXAの挑戦」が7月19日から幕張メッセで開幕

2014-05-22 13:35:59 | 宇宙

 「宇宙博2014―NASA・JAXAの挑戦」(主催:NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社、共催:宇宙航空研究開発機構<JAXA>)が、2014年7月19日(土)~9月23日(火/祝)、幕張メッセ国際展示場10・11ホールで開催される。

 今回の宇宙博には、出品協力としてアメリカ航空宇宙局(NASA)、アメリカ宇宙ロケットセンター、カンザス・コスモスフィア・スペース・センター、後援として内閣府宇宙戦略室、文部科学省、経済産業省、国立天文台などが名を連ねており、日米の宇宙開発の最前線が紹介される。

 展示エリアは、①NASAによる宇宙開発の歴史を展示物とともに紹介する「NASAエリア」、②JAXAによる宇宙開発の成果や、回収した実物のサンプルなどを展示する「JAXA・日本の宇宙開発エリア」、③火星研究の最前線情報を紹介する「火星探査エリア」、④そしてこれからの宇宙開発の道筋を紹介する「未来の宇宙開発エリア」などからなる。