●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●ESAの探査機「ロゼッタ」、11月にチュリュモフ彗星に着陸目指す

2014-03-30 21:02:52 | 宇宙
 欧州宇宙機関(ESA)の彗星探査機「ロゼッタ」は、今年5月頃チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に到着、さらに11月頃に着陸機「フィエラ」を同彗星に下ろすことにしている。もし、これが成功すれば、世界初の快挙となる。

 「ロゼッタ」は、2004年3月2日に南米のギアナ宇宙センターから打ち上げられた。その後、2011年6月8日から約3年近く、電力を節約するため地上との交信を止めていたが、2014年1月20日から交信を再開させることに成功。

 「ロゼッタ」は、同彗星に到着後、同彗星とともに太陽に接近し、表面の様子や変化を詳しく観測することにしている。
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●宇宙探査●全球降水観測計画主衛星(GPM主衛星)、初画像を取得

2014-03-28 15:30:21 | 人工衛星
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)および米国航空宇宙局(NASA)が共同開発し、2014年2月28日に種子島宇宙センターから打ち上げられた全球降水観測計画主衛星(GPM主衛星)が、初画像を取得した。

 全球降水観測計画(GPM計画)は、JAXAおよびNASAが進める国際共同ミッションで、GPM主衛星と他の協力機関の副衛星群によって、一日に複数回、地球全体の降水(雨や雪)を観測するもの。

 GPM計画の要となるGPM主衛星は、JAXAが情報通信研究機構(NICT)と共同で開発した二周波降水レーダ(DPR)と、NASAが開発したGPMマイクロ波放射計(GMI)の二つのミッション機器を搭載している。

 DPRは3月9日より、GMIは3月5日より、それぞれ初期チェックアウトを開始しており、このチェックアウト中に取得したデータから試験的に処理を行い、初画像として公開する。

 初期チェックアウトに引き続き、今後ミッション機器の校正、観測データの精度確認を行った後、GPM主衛星が観測するデータを、打上げ約半年後から世界中の利用者へ提供することにしている。
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●宇宙探査●JAXA、「きぼう」で高品質タンパク質結晶生成実験の第2期実験シリーズ開始

2014-03-26 06:45:40 | 宇宙ステーション
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟を利用する高品質タンパク質結晶生成実験(PCG<Protein Crystal Growth>)の第2期実験シリーズ第1回実験を開始する。

 この第1回実験に、中外製薬、インタープロテインが民間利用として参加することになった。この他に大学等からも18機関が参加する。

JAXA PCGの第2期実験シリーズでは、これまでに培ってきた世界最先端の宇宙における高品質タンパク質結晶生成技術やノウハウをいかし、我が国の産業競争力強化に貢献することを目的の一つとしている。

 そのため、トライアルユース制度の導入など、新たに民間利用促進の仕組みを設けた。

 JAXA PCGでターゲットとなるタンパク質の精密な立体構造データを取得し、それらを基にタンパク質の働きを理解することで、今後の医薬品、産業用酵素等の研究・開発の発展に寄与するものと期待されている。

 今後、半年に1度の頻度で定期的に計6回の宇宙実験を実施予定。

 第2期実験シリーズは、2014年から6回の宇宙実験を予定している。

<第2期実験シリーズ 第1回実験>

 打上日: 平成26年3月26日
打上射場: カザフスタン バイコヌール宇宙基地
帰還予定: 平成26年5月14日
着陸地点: カザフスタン
帰還機: ソユーズ宇宙船


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●宇宙探査●JAXAとヤクルト、ISSを利用した共同研究を開始

2014-03-23 13:49:37 | 宇宙ステーション
 ヤクルトおよび宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、国際宇宙ステーション(ISS)を利用した共同研究を、平成26年4月から開始することで合意した(終了は平成32年<予定>)。

 宇宙空間に長期滞在する宇宙飛行士について、プロバイオティクスの継続摂取による免疫機能および腸内環境に及ぼす効果を科学的に検証することで、宇宙飛行士の健康管理や、来るべき宇宙時代における生命科学の発展に寄与する。

 また、得られた知見をもとに、地上でのプロバイオティクス研究の発展につなげ、人々の健康増進に貢献して行く。

 主な研究項目は、①閉鎖微小重力環境下(宇宙空間)におけるプロバイオティクスの継続摂取による免疫機能および腸内環境に及ぼす効果の科学的検証②生菌(乳酸菌 ラクトバチルス カゼイ シロタ株)の搭載性評価とその技術的知見の獲得。
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●宇宙探査<ブックレビュー>●「宇宙は何でできているのか」(村山 斉著/幻冬舎)

2014-03-20 11:32:38 | ●宇宙探査<ブックレビュー>●


書名:宇宙は何でできているのか―素粒子物理学で解く宇宙の謎―

著者:村山 斉

発行:幻冬舎

目次:序章 ものすごく小さくて大きな世界
   第1章 宇宙は何でできているのか
   第2章 究極の素粒子を探せ!
   第3章「4つの力」の謎を解く - 重力、電磁気力
   第4章 湯川理論から、小林・益川、南部理論へ - 強い力、弱い力
   第5章 暗黒物質、消えた反物質、暗黒エネルギーの謎
     


 著者の素粒子論を専門とする村山斉氏は、現在、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)の機構長の要職に就いている。このカブリとは、米国カブリ財団の名称で、同財団の寄附による基金設立を受け、2012年4月より新たな名称で研究活動をスタートさせた。このKavli IPMU(カブリ・イプムー)は、最先端を行く数学者、理論物理学者、実験物理学者、天文学者からなる研究者のグループを形成している。

 ここで不思議に思えるのは、数学はともかく、「物理学者=素粒子」と「天文学者=宇宙」とが同じ研究所で研究していることだ。素粒子とは極小の世界を研究することだし、一方宇宙は極大の世界を研究することで、この2者は両極端にいるはずであり、互いに机を並べて研究することはないはずなのだ。実はこの謎が、この村山 斉著「宇宙は何でできているのか―素粒子物理学で解く宇宙の謎―」(幻冬舎新書)のテーマそのものとなっている。

 今我々が住む宇宙は、137億年前にビックバンによって生まれたが、そのスタートの時を追究していくと素粒子の研究に行き着くし、その後宇宙は膨張していったわけで、こうなると天文学なくして解明できない。「宇宙の起源を知ろうと思ったら、素粒子のことを理解しなければならない」と村山氏は説く。これはちょうどギリシャ神話に登場する、自分の尾を呑み込んでいる蛇である「ウロボロスの蛇」を思い起こさせる。

 つまり、自然界の両極端にあるように見えながら、この2つは切っても切れない関係にあるのである。「いま起きている宇宙論の変化は、『天動説』から『地動説』への転換に匹敵するほどのインパクトがある」と言う村山氏が、最先端の素粒子論と宇宙論の2つを難しい数式を使わず、誰でもが理解できるように書き記したのが同書である。もうこれ以上易しく解説するのは不可能では、といった感じすら受けるほど丁寧に書かれた、最先端を走る科学者自身による本である。(勝 未来)
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●宇宙探査●米の天文台、インフレーションの信号を受信

2014-03-18 11:17:36 | 宇宙
 米国のハーバード・スミソニアン天体物理学センターは、宇宙が誕生直後に瞬間的に膨張した「インフレーション」の際に出た信号をとらえたと発表した。

 インフレーションが実際に起きたことが直接示されるのは今回が初めて。

 インフレーション・モデルの命名者は、アメリカのアラン・グースであるが、グースより早く、日本の宇宙物理学者の佐藤勝彦が世界に先駆け発表したモデル。

 もし、インフレーションがあったことが確定すると、インフレーション・モデルの提唱は、ノーベル賞級の
偉業となる。
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●宇宙探査● 「だいち2号」、5月24日に打ち上げ

2014-03-14 20:25:14 | ロケット
 三菱重工業およびJAXA(宇宙航空研究開発機構)は、H-IIAロケット24号機による陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)を5月24日に打上げると発表した。

  打上げ予定日:平成26年5月24日(土)

  打上げ予定時間帯:12時05分~12時20分(日本標準時)

  打上げ予備期間:平成26年5月25日(日)~平成26年6月30日(月)

  打上げ予定場所:種子島宇宙センター 大型ロケット発射場

 なお、24号機では、打上げ能力の余裕を利用して、小型副衛星4基を軌道投入する。
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●宇宙探査● JAXA、超音速旅客機の研究プロジェクトの飛行異常の原因究明結果を発表

2014-03-14 11:19:43 | 超音速旅客機
 JAXAは、2013年8月に実施したD-SEND#2試験における飛行異常の原因究明結果及び対策方針と、その後のJAXAにおける取り組み状況を発表した。

 D-SENDプロジェクトは、将来の超音速旅客機におけるソニックブームを低減するための研究プロジェクト。

 無人で無推力の小型実験機を、気球で上空約30km近くまで上昇させたのち分離・落下させ、飛行速度のマッハ数が約1.3となったときに発生するソニックブームを計測して設計コンセプトを確認・実証を行うもの。

 2013年8月16日に、スウェーデン、エスレンジ試験場にて気球を放球し、高度30kmから試験機を地上に向けて分離し試験を行ったが、この第1回試験中に異常飛行が発生し、機体は予定計測地点の8km手前に落下した。

 JAXAでは、今回発表した再試験に向けた取り組みについて技術的な準備が整った段階で、再試験の可否について決定する予定にしている。
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●宇宙探査●国立天文台、誕生後間もない大質量星周辺に高温水蒸気ガスの回転円盤を発見

2014-03-11 20:04:21 | 宇宙
 国立天文台の廣田朋也助教が率いる研究チームは、アルマ望遠鏡とVERA(ベラ)望遠鏡などによる観測から、誕生後間もない大質量星周辺に高温水蒸気ガスの回転円盤を発見した。

 これまで、大質量星がどのように誕生するかは論争が続いていたが、今回の研究によって、大質量星も太陽のような中小質量星と同様、回転ガス円盤を通して物質が集まることで誕生するということがわかった。

 研究チームが観測したのはオリオンKL電波源I(アイ)。この天体は、オリオン大星雲にある生まれたての大質量星の一つ。アルマ望遠鏡を用いた観測から、電波源Iの周辺にある3000ケルビンの高温水蒸気ガスからの電波を高解像度で撮像することに成功したもの。
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●宇宙探査<新刊情報>●「地球外生命」(著者:長沼 毅、井田 茂著/岩波書店)

2014-03-09 16:04:01 | ●宇宙探査<新刊情報>●

<新刊情報>



書名:地球外生命~われわれは孤独か~

著者:長沼 毅、井田 茂

発行:岩波書店(岩波新書)

 銀河系の多くの星のまわりで惑星系が見つかっている。地球に似た惑星は、ごくふつうの存在らしい。それならばこの宇宙には、われわれ以外にも知的生命が存在するだろうか? 太陽系外の惑星系はまったく予想できない姿だったが、地球外生命はどんな姿だろうか? 生命科学と惑星科学を総動員し、宇宙における生命の可能性を考える。
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