●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●中国地質大学などの国際共同研究チーム、月が地球の引力で熱の発生を証明

2014-07-28 21:17:59 | 月の誕生

 中国地質大学などの研究者を中心とする国際共同研究チームは、月の地下深くに軟らかい層が存在すること、さらに、その層の中では地球の引力によって熱が効率的に生じていることを明らかにした。

 これらのことは、月の中が未だ冷え固まっていないこと、そして地球が月に及ぼす力によって月の中は今も温められ続けていることを示唆している。

 同研究成果は、月周回衛星「かぐや」(セレーネ)などで精密に測られた月の形の変化を、理論的な計算による見積もりと比べることによって得られた。

 地球と月が生まれてから今まで、お互いにどのように影響を及ぼしながら進化してきたのか、同研究はそれらを考え直すきっかけとなると思われる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●宇宙探査● 九州大と東工大、約40億年前の月に地球と同じような大規模な磁場の存在を推定

2014-05-07 19:32:14 | 月の誕生

 九州大と東京工業大の研究チームは、日本の月探査機「かぐや」のなどの観測データ解析を基に、約40億年前の月には、地球と同じような大規模な磁場が存在し、現在の極地から約30~45度緯度がずれた地域に、磁極があったことを明らかにした。

 現在の月は内部まで冷えているが、過去には地球同様に溶けた鉄の核があり、大規模磁場もあったと推定されている。

 研究チームは、現在までの間に、巨大隕石(いんせき)の衝突など自転軸の移動を起こすような出来事があったと推定している。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●宇宙探査●月はどのようにしてつくられたのであろうか?

2013-04-10 14:35:27 | 月の誕生
 月はどのようにしてつくられたのであろうか。これまでいろいろな説が立てられてきたが、現在までのところ、①分裂説(親子説)②双子説(兄弟説)③捕獲説(他人説)④巨大衝突説(ジャイアントインパクト説)―の4つの説が有力な説と言われており、中でも最近になって提唱された巨大衝突説が最も注目を集めている。(資料:「人類の夢を育む天体『月』―月探査機かぐやの成果に立ちて―」(長谷部信行・桜井邦朋編/恒星社厚生閣刊)

 ①分裂説(親子説)=1880年に提唱された説で、高速回転する地球の外側部分(マントル部分)が、遠心力によって、分裂して月をつくったとする説。このような分裂を起こすには、地球-月系の現在の2倍の角速度が必要となる。

 ②双子説(兄弟説)=地球と月とがほぼ同じ場所で連星形成のように同時に形成・成長したとする説。この場合、月は地球と同程度の金属核を持ち、月を大規模に溶融させた熱源の説明が難しい。

 ③捕獲説(他人説)=たまたま地球軌道近くを通りかかった月が、地球の重力によって捕獲されたとする説。この説は、地球に接近してきた月の運動エネルギーを失う根拠、月が地球と同じ酸素同位体組成を持つ理由などの説明が付き難い。

 ④巨大衝突説(ジャイアントインパクト説)=地球に火星質量(地球質量の1/10程度)の天体が斜めに衝突し、衝突天体のマントル物質が地球周辺にばらまかれ、円盤を形成し、この円盤が集積して月が出来たとする説。この説は、これまでの3つの説に較べ説得力はあるが、月の公転面が地球の公転面に対して水平になるような衝突角度は低確率という問題点も併せ持つ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●宇宙探査●月の基礎データ

2013-02-23 23:47:00 | 月の誕生

<月の基礎データ>


地球までの平均距離:384,400km
       最近距離:356,410km
       最遠距離:406,697km

質量:0.012298(地球=1)

体積:地球の1/50

赤道:約10,920km

重力: 1.622 m/s2乗

月に及ぼす太陽の引力:地球引力の1/200

平均表面温度(昼):107℃
          (夜):-153℃

公転周期: 27日

年齢: 45.1億年  

       




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●宇宙探査●産総研、月の表と裏の違いをもたらした超巨大衝突の痕跡発見

2013-02-20 20:11:31 | 月の誕生
  月は、常に地球に決まった面のみを見せている。さらに、我々が見ている表の地形と裏の地形が異なっている。これは過去に月に超巨大な隕石が衝突したからではないか、と言われていたが、産業技術総合研究所(産総研)は、月探査衛星「かぐや」のデータを解析し、月への超巨大衝突の痕跡を発見したと次の通り発表した。

 産総研は、月探査衛星「かぐや」が月表面を網羅する約7000万地点で取得した200億点以上の可視赤外線反射率スペクトルのデータをデータマイニング手法を用いて解析し、地球から見た月の表側と裏側の地形の違いの原因と考えられている月への超巨大衝突の痕跡を発見した。

 月には光の反射率が低くクレーターの少ない「海」と呼ばれる領域と、光の反射率が高くクレーターの多い「高地」と呼ばれる領域がある。「海」は地球に面した表側に多く、裏側にはほとんどない。また裏側は表側より標高が高く地殻が厚い。

 この月の表裏の「二分性」は、月の形成初期の超巨大衝突によって表側の「高地」を構成する地殻物質の多くが取り除かれたためではないかと考えられている。

 今回、可視赤外線反射率スペクトルデータに対して、クラス分類というデータマイニング手法を適用し、衝突溶融物に多く含まれる低カルシウム輝石の分布状況を調べた。その結果、月の表側にあるプロセラルム盆地に対応する直径3000 kmもの円状の分布を発見した。これは、超巨大衝突によって生成した衝突溶融物によるものと考えられ、月の形成初期の超巨大衝突を、初めて観測データによって裏付けることができた。

 月はその形成以来ずっと地球の近傍にあったため、月の誕生過程の解明は地球の初期形成史を知ることにもつながる。また、今回の解析手法を地球を周回する人工衛星データに適用することで、鉱物資源探査や環境モニタリングなどへの応用が期待できる。
 
 月の起源について、最も可能性が高いと考えられているのは、地球に巨大な天体が衝突し、そのとき生じた破片が集積して月になったとする巨大衝突説である。

 この説では、できたばかりの月の表面は融けた溶岩の海で覆われている。月の「高地」は、この溶岩の海が冷えて固まる際に浮上・集積してできた岩石で構成されている。一方、「海」は「高地」の形成後に内部から噴出した溶岩が窪地に溜まって形成されたと考えられている。

 暗い領域の「海」は月の表側に広く存在するが、裏側にはほとんど見られない。また過去の月探査から、表と裏では「海」と「高地」の比率だけでなく、地殻の厚さや放射性元素の分布もまったく異なることが明らかになっている。

 この表側と裏側の非対称性は月の「二分性」と呼ばれているが、その成因は明らかになっていない。過去に「表側で発生した巨大な天体衝突が高地の物質を吹き飛ばして、直径3000 kmもの巨大な衝突盆地(プロセラルム盆地)が形成され、その結果として二分性が生じた」という仮説が提案されていたものの、実際に衝突が起こったことを示す物質科学的な証拠は見つかっていなかった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする