●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●名古屋大学などが開発した超小型衛星「金シャチ2号」、2月12日に打ち上げ

2016-01-30 21:26:03 | 人工衛星

   名古屋大学などが開発した超小型衛星「ChubuSat-2衛星(金シャチ2号)」が、2月12日にJAXAより種子島から打ち上げられるX線天文衛星「ASTRO-H」の相乗り副衛星の1つとして打ち上げられる。

 超小型衛星「ChubuSat-2衛星(金シャチ2号)」は、「ChubuSat-1衛星」につづく、超小型衛星「ChubuSatシリーズ」の2号機。大きさは50cm角程度、重さは約50kg。

 2014年8月にX線天文衛星「ASTRO-H」の相乗り副衛星の1つとして3号機とともに採択され、以降、名古屋大学、大同大学、MASTT(Monozukuri AeroSpace Technology Team)によって本格的な開発がすすめられてきた。

 「ChubuSat-2」衛星の目的は、主衛星である「ASTRO-H」と同時期、同軌道に打ち上げることで、「ASTRO-H」の天体観測の妨げとなる放射線をモニタし、ASTRO-H観測をサポートすることにある。

 さらに、アマチュア無線アンテナを搭載し、アマチュア無線によるメッセージ交換などを行う。

 このほか、「ChubuSat」実践プログラムの中で大学院生から提案があった、太陽から到来する中性子の観測を行うことも計画している。

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●宇宙探査●JAXA、「JAXAオープンラボ公募」の募集を開始

2016-01-28 14:16:45 | その他

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成28年度「JAXAオープンラボ公募」の募集を開始した。

 「JAXAオープンラボ公募」は、国内のより多くの企業・大学等に宇宙航空技術の活用機会を提供することで、「宇宙航空に関連する製品・サービスの創出」「JAXA技術を活用した製品・サービスの創出」のいずれかを目指す研究開発を促進するための“公募型共同研究制度”。

 AXAのもつ技術等を活用した共同研究を通じて、提案者が新事業(新商品、新サービス)を創出し、事業活動を行うこと、及びJAXAの技術が進展すること等が期待できる研究提案を募集する。

応募期間:平成28年1月25日(月)~3月28日(月)

応募資格:原則としてJAXAと共同研究契約を締結することができる国内機関、法人または団体。

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●宇宙探査●東北大とJAXA、体長1mmの線虫の筋肉も宇宙で育てるとやせ細ることを発見 

2016-01-24 22:49:08 | 宇宙ステーション

 東北大学大学院生命科学研究科の東谷篤志教授と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の東端晃主任開発員らは、国際宇宙ステーション・「きぼう」日本実験棟での宇宙実験で、モデル生物のひとつである線虫を微小重力下で育てたところ、筋肉がやせ細ることを、遺伝子やタンパク質の解析で発見した。
 
 運動する頻度が極端に低下する。エネルギーの代謝や個々の細胞のなかの骨組み(細胞骨格)も低下する。2回の異なる宇宙実験から、再現性の良い結果が得られた。

 「きぼう」には、同じ細胞を微小重力で育てる実験区(μG区)と遠心機によって人工的に重力を与えて育てる実験区(1G区)がある。

 上記の結果は、このμG区と1G区の比較によるもので、重力のあるなしを、同じ環境で同時に比較したこれまでにない実験。
  

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●宇宙探査<新刊情報>●「太陽大図鑑」(クリストファー・クーパー著/緑書房)

2016-01-22 13:26:42 | ●宇宙探査<新刊情報>●

 

<新刊情報>

 

書名:太陽大図鑑

著者:クリストファー・クーパー

日本語版監修:柴田一成

発行:緑書房

 さまざまな角度からわたしたちの太陽を解き明かす。NASAが打ち上げた太陽観測衛星SDOが撮影した写真を中心として数多くの美しい写真、詳しい図表で、太陽についてのあらゆる情報を解説するビジュアル大図鑑。

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●宇宙探査●丸紅、超小型衛星打ち上げロケットのインターステラ社と提携

2016-01-19 17:22:11 | ロケット

 丸紅は、インターステラテクノロジズ(北海道広尾郡大樹町)と、ロケット開発に関する調査研究費用の拠出及び国内外の顧客に対するロケット販売支援に関する業務提携、並びにインターステラ社の新株予約権付与について合意した。

 インターステラ社は、宇宙空間の観測や無重力環境下での実験を行う観測ロケット、およびその観測ロケット技術を応用した、超小型衛星を地球周回低軌道に投入するロケットの開発を行うと共に、人工衛星や実験用機器の宇宙空間への打上げを受託する。

 

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●宇宙探査<ブックレビュー>●「宇宙背景放射」(羽澄昌史著/集英社)

2016-01-17 01:41:25 | ●宇宙探査<ブックレビュー>●

書名:宇宙背景放射~「ビックバン以前」の痕跡を探る~ 

著者:羽澄昌史

発行:集英社(集英社新書)

目次:第1章 宇宙の「ルールブック」を求めて―素粒子実験から宇宙誕生の瞬間を撮る実
         験へ

    第2章 ビッグバンとCMB
    第3章 「空っぽ」の空間
    第4章 インフレーション仮説
    第5章 原始重力波とBモード偏光
    第6章 ポーラーベアの挑戦
    第7章 戦国時代のBモード観測―ライバルとの競争、そしてライトバード衛星へ

 この書籍「宇宙背景放射~『ビッグバン以前』の痕跡を探る」(羽澄昌史著/集英社)は、宇宙最古の光である「宇宙背景放射」(あるいは「宇宙マイクロ波背景放射」)、英語では、「Cosmic Microwave Background」略して「CMB」について、一般の読者向けに分かりやすく書かれた書籍である。通常、宇宙の起源に関する書籍は、難解で素人にはなかなか読み通すことが困難ものが少なくない。これに対し、同書は、基本的には宇宙についての専門知識が無くても、一気に最後まで読み通すことができ、読み終わったときは、今、宇宙の解明がどこまで進んでいるかが、大雑把に把握することが出来るようになるという、貴重な書籍と言える。宇宙がまだものすごく小さかったときに起きたのが、138億年に前に起こったビックバンである。このことは、ほとんどの人が知っているであろう。宇宙最古の光であるCMBは、このビックバンにより生まれたのだ。つまり、ビックバンを知っているということは、知らず知らずのうちにCMBも知っていることに繋がる。そう考えると、CMBが身近な存在になってくる。「ビックバン仮説」を言い出したのは、ロシア出身のアメリカ人物理学者のジョージ・ガモフである。つまり、誕生したばかりの宇宙は超高温・超高密度の「火の玉」であり、それが爆発を起こしたという理論だ。もっとも、「ビックバン」という言葉を最初に使ったのは、ガモフとは正反対の、宇宙には始まりも終わりもないとする「定常宇宙論」を提唱したフレッド・ホイルだったということは、誠に皮肉なことだ。ホイルが、ガモフの理論を貶すために使った「ビックバン」だったが、今ではガモフの理論は「ビックバン理論」と呼ばれ、その正しさが証明されている。

 このガモフの「ビックバン理論」は、ある予言をしていた。もし、過去の宇宙が熱い火の玉であったとすれば、その時の光が現在の宇宙にも残っているはずだ、というのである。ただしそれは、光として残っているのではなく、その後、宇宙空間が膨張したことによって、波長が引き伸ばされ、電磁波の一つであるマイクロ波として存在しているはずである、とする。ここで、昔、習った、光も電磁波に一つで、可視光線とよばれていることを思い出してほしい。一般には、光は目に飛び込んでくるのに対し、電磁波はまったく見えないから、同じものと言われてもピンと来ないかもしれないが、光も電磁波も同じ横波で、ただ、周波数が違うだけの話なのである。では、どうしてそんなビックバンの名残のマイクロ波が宇宙を漂っているのを、人類は発見できたのであろうか。結論から言うと単なる偶然からである。アメリカのベル研究所に在籍していたアーノ・ペンジアスとロバート・W・ウィルソンの二人は、人工衛星を利用した長距離通信プロジェクトで開発された「角笛アンテナ」と呼ばれた巨大なアンテナを電波天文学に転用できないか、いろいろと実験を行っていた。その時、アンテナをどの方向に向けてもノイズが入ってくる。ノイズが入って来ては、本来の実験ができない。二人は、いろいろ調べてみたが、ノイズの原因はさっぱり分からない。最後は、ハトの糞が原因ではと、考える始末。その後、二人は、宇宙物理学者の助けを受け、このノイズこそがCMBのマイクロ波である結論を得る。この結果、二人は、ノーベル賞を受賞する。偶然がノーベル賞に繋がったのだから面白い。ただ、パスツールが言っているように「偶然は、準備のできてない人は助けない」(このことは「セレンディピティ」という言葉が使われる)ということで、二人は、準備ができていたということになろう。

 ここまでは、大体常識の範囲内で理解がいく。ところが、宇宙の空間に限ってみると、そうとは言えなくなる。アインシュタインが提唱した「光速より速いものはない」という原理は、宇宙空間には当てはまらない。宇宙空間の膨張速度には制限がないのだ。つまり、人類が認識できる範囲を超えて宇宙空間が広がっており、これは「地平線問題」と名付けられている。広い高原で地平線は見えるが、その先は見ることができないのと同じこと。この難問を解決すると期待されているのが、「インフレーション理論」である。この理論は、ほんの一瞬としか言いようもないごく短い時間に、アメーバが銀河ひとになるぐらいの勢いで宇宙が膨張した考える。この「インフレーション理論」は、今のところ仮説ではあるが、この理論が登場したおかげで、宇宙の「地平線問題」「平坦性問題」「宇宙原理」などが一挙に解決するという、夢の理論だ。よく、ビックバンが先に起こったのか、インフレーションが先に起こったのか、という疑問が投げかけられるが、インフレーションが先が正解だ。まず、物質でない宇宙空間の急激な膨張が起こり、その後に、物質の爆発であるビックバンが起こったのだ。宇宙空間という背景を舞台に、物質の膨張が行われたということ。ところで、この夢の仮説「インフレーション理論」を世界で一番最初に提唱したのは、1980年代はじめ、日本の佐藤勝彦と米国のアラン・グースである。正確には、佐藤勝彦の方がアラン・グースより数か月前に論文の提出を行っていることが国際的にも認められている。もし、この「インフレーション理論」が観測により証明されれば、ノーベル賞は間違いないと言われている。

 ところが、2014年3月、「原始重力波を初めて検出」「インフレーションの決定的証拠を発見」という衝撃的ニュースが世界を駆け巡った。一般の人には、何のことやら皆目分からなかったことだろうが、インフレーションというビックバン以前の宇宙の急激な膨張を知っている人にとっては、衝撃的なニュースであった、さしずめそれが日本人なら「これで佐藤勝彦がノーベル賞を受賞するぞ」と確信しただろう。ところがこの「発見」は、半年後に間違いであることが判明した。ところで「インフレーション理論」によると、空間の量子ゆらぎによって原始重力波が生じると予言されている。ところが、インフレーションが終わると、膨張は急激に減速に転じ、量子ゆらぎも地平線を越えて届くようになる。つまり、138億年前の量子ゆらぎが、原始重力波として我々の前に再登場してくる。この書籍の著者の羽澄昌史氏は、観測施設「POLARBEAR(ポーラーベア)」(チリのアタカマ高原)、「BICEP2」(南極)で日夜、CMBの観測を行っている。ところで、原始重力波とCMBとはどんな関係にあるのだろうか。それは、1996年に発表された「インフレーションを震源とする原始重力波が存在するならば、その痕跡がCMBに指紋のように残っているはずだ」という説に基づいている。要するに、CMBは、インフレーションの手前に広がるスクリーンのようだと考えられる。詳細は、この書籍の著者の羽澄昌史氏が主催する「宇宙マイクロ波背景放射偏光観測 KEK-CMB POLARBEARグループ」のホームページ(http://cmb.kek.jp/polarbear/index.html)を参照するとよいだろう。(勝 未来)

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●宇宙探査●アクセルスペース、地球観測画像データのプラットフォーム「AxelGlobe」本格始動へ

2016-01-12 22:32:48 | 人工衛星

 アクセルスペースは、地球観測画像データのプラットフォーム「AxelGlobe」を実現させるため、2017年に3機の超小型衛星の打ち上げを予定している。

 「AxelGlobe」は、同社が整備する超小型衛星群によって地球上の全陸地の約半分、人間が経済活動を行っている地域のほぼ全てを毎日撮影、画像データを蓄積し、過去から現在にわたるデータを分析することで、未来予測に繋げていくことを目指す。

 さらに、自社衛星画像だけでなく、オープンプラットフォームとして、航空写真などの精度の異なる画像データ、気象などの非画像データの組み合わせによる広範な解析基盤を実現するとともに、データにアクセスするAPIを公開し、様々な事業者が独自のアプリケーションを開発できる体制を整え、衛星データのビジネス活用を広げていくことを目指すことにしている。

 同社では、「AxelGlobe」のための画像を取得する超小型衛星「GRUS(グルース)」を、2017年から2022年にかけて50機打ち上げる計画。

 その第一弾として、2017年に3機の超小型衛星の打ち上げを行う。

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●宇宙探査<新刊情報>●「現代天文学史」(前間孝則著/新潮社)

2016-01-11 23:48:47 | ●宇宙探査<新刊情報>●

 

<新刊情報>

 

書名:現代天文学史~天体物理学の源流と開拓者たち~

著者:小暮智一

発行:京都大学学術出版会

 初めて星の化学組成を明らかにしたロンドンのアマチュア天文家ハギンス,太陽をガス体と見なした特許調査官レーン,自作の望遠鏡で天空を探査した音楽家ハーシェル……。18世紀末から19世紀中葉にかけて現代天文学の扉を開いた彼らは,いずれも学界に縁のないアマチュア天文家だった。星の位置と運動を対象とする古典天文学から天体の物理的構造を探る天体物理学へ、その転換期を担った人々の生涯と研究を軸に、現代天文学の歴史をたどる。

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●宇宙探査<新刊情報>●「ニュートリノで探る宇宙と素粒子」(梶田隆章著/平凡社)

2016-01-08 00:10:39 | ●宇宙探査<新刊情報>●

 

<新刊情報>

 

書名:ニュートリノで探る宇宙と素粒子

著者:梶田隆章

発行:平凡社

 著者は、ニュートリノに質量があることの証明により、2015年10月6日、ノーベル物理学賞受賞。宇宙の成り立ちを探るうえできわめて重要な、素粒子・ニュートリノ研究の第一人者による入門書。「自然科学の知識があまりない人にも直感的に理解できる」ように、ニュートリノが教えてくれる宇宙の来し方とこれからが、簡潔にわかる一冊。基礎理論から最新の発見まで詳しく紹介。初の単著。

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●宇宙探査●米国のチーム「Moon Express」、月への打上げ計画がGLXPの審査をパス

2016-01-01 06:49:09 | 月面探査

 民間の力で月にローバーを送り込むグーグル主催の「Google Lunar XPRIZE(GLXP)」に対し、各国での取り組みが進んでいるが、2015年12月8日、米国のチーム「Moon Express」の打上げ計画が、GLXPの審査をパスした。

 これにより、GLXPの打ち上げ審査をパスしたチームは、イスラエルのチーム「SpaceIL」に続き、2チーム目となった。

 日本からは、「HAKUTO」チームが打ち上げに向けた取り組を進めている。

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