インターステラテクノロジズ(IST)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指す「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」の枠組みのもと、小型ロケット用エンジンシステム技術の研究開発に関する共創活動を開始した。
ISTとJAXAは、2019年2月よりJ-SPARCの共創活動(フェーズ1)を通じて、小型ロケットエンジンの主要コンポーネントである噴射器、燃焼室、ターボポンプを対象にした研究開発に取り組んできた。
この共創活動ではJAXA角田宇宙センターの試験設備を活用し、JAXAはこれまでのロケットエンジン研究で取得した技術の社会実装に向けた試行と将来の基盤技術としての小型ロケット用エンジン技術の研究開発を、ISTは現在開発中の超小型人工衛星打上げロケット「ZERO」に適用するロケットエンジンを想定した仕様の設定や技術の研究開発を、それぞれ実施した。
今回、これらの主要コンポーネント技術の実用化への目途が得られたことから、次の共創活動(フェーズ2)として、個々の技術をシステムとしてインテグレートした小型ロケット用エンジンシステムの研究開発に取り組むこととなった。
同フェーズでは、JAXAとISTそれぞれがエンジンシステムを構成するコンポーネントの設計・製作を行い、JAXAが角田宇宙センターにてエンジンシステムとしての組立および試験を実施、得られた試験結果を両者で共有する。
これにより、それぞれ単独で実施するよりも広範囲の試験データを効率的に取得し、低コストで実用的なエンジンシステム技術の獲得を目指す。
ISTは低コストな小型ロケット用エンジンシステム技術をZEROの開発に活用し、早期の実機打上げを目指す。
JAXAは獲得した成果を基盤技術として蓄積し、民間宇宙輸送サービス事業やJAXAの将来宇宙輸送系への適用など、日本全体の宇宙輸送事業の発展に貢献していく。