●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●南極観測隊、無人観測航空機で高度22kmのサンプルリターンに成功

2015-03-18 11:24:14 | 地球

 第56次日本南極地域観測隊は、九州大学と福岡大学の共同開発による無人観測航空機Phoenix-S(フェニックス エス)1号機を用いた高度22kmのエアロゾルサンプルの回収、および、高度23kmのエアロゾル濃度測定に成功した。

 観測高度は、無人航空機、有人航空機のいずれとしても前例のない高い高度であった。

 同機は、2015年1月24日夕方(昭和基地時間、以下同様)、昭和基地東方約20kmの南極大陸氷床上のS17地点からゴム気球に懸吊して放球され、エアロゾルの濃度観測およびサンプリングを行いながら上昇し、高度23kmまで観測を行った。

 その後はパラシュートで降下し、高度12kmで気球・パラシュートを分離、自律滑空飛行によりエアロゾルサンプルと共にS17地点へ戻つた。

 同成果により、無人観測航空機による観測は、通常行われている自由気球を使った方法よりも安価であり、かつ、自由気球と同様の実用的な観測高度到達能力を持ち、さらに、自由気球では困難な観測機器およびサンプルの回収が容易にできることが示された。

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●宇宙探査●国立極地研究所など、世界初の全天周8K解像度によるオーロラ映像の連続撮影に成功

2015-02-09 21:30:59 | 地球

 国立極地研究所の片岡龍峰 准教授と、日本科学技術振興財団の糸屋覚氏らは、世界初となる全天周8K解像度によるオーロラ映像の連続撮影に成功した。

 同研究チームは、オーロラの全体像と微細な構造を同時に撮影するため、新たに全天周8K撮影システム「ハウル」を開発した。

 「ハウル」は、デジタル一眼レフカメラNikon D800Eを5台、東西南北と天頂に向けて直角に配置し、デジタルカメラ制御ソフトNikon Multi Camera Controlを用いて5台同時にシャッターを切り、視野が重なり合う5枚の対角魚眼写真を合成することによって全天周8K分解能を実現している。

 全天周8K分解能とは、円周魚眼フォーマットの直径で8000ピクセルを超える分解能。従来の単一カメラによる全天周ドーム映像と比べて10倍以上の画素数になっている。

 また、2月13日には、同研究で撮影した全天周8K解像度のオーロラ映像の上映と、撮影システムと画像処理の研究開発に関する講演を、8Kドーム映像を体感できる高解像度デジタルプラネタリウム神楽洞夢(三重県津市)で行うことになっている。

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●宇宙探査●日本スペースガード協会、ロシア・チェラビンスク隕石落下の研究会開催

2014-02-27 11:13:44 | 地球
 日本スペースガード協会は、3月14日~15日、国立天文台三鷹キャンパス(東京)において第6回スペースガード研究会“地球衝突関連天体研究会~ロシア・チェラビンスク隕石落下1周年記念~”を開催する。

 2013 年2 月15 日にロシア・チェラビンスクにおいて、直径約20m の天体が秒速19km で大気突入し(0.5 メガトンTNT 火薬相当)、強烈なエアーバーストにより7000 戸以上の建物が被害を受け、2000 人近くの人々が負傷した。

 落下した隕石は、小惑星イトカワと同種のLL タイプ・コンドライトと判明し、惑星間軌道についても詳しく分かってきた。現在、1 万個以上の地球近傍天体(NEO)が見つかっているが、チェラビンスク隕石のような100m サイズ以下の小天体の多くは発見されておらず、スペースガードの観点からも地球衝突危険性天体(PHO)の発見は、急務となっている。

 今回のスペースガード研究会では、ロシア隕石落下1周年を記念して、「チェラビンスク隕石」と「地球衝突関連天体(NEO、隕石、流星など)」および「スペースガード」に焦点を当てた研究交流を行い、天文・惑星科学の分野に限らず、多技に渡る研究分野から参加が見込まれている。

日時:2014年3月14日(金)、15日(土)

場所:国立天文台 三鷹キャンパスすばる解析棟・大セミナー室

主催:日本大学理工学部、国立天文台、宇宙航空研究開発機構、日本スペースガード協会

共催:日本流星研究会、彗星会議

テーマ:チェラビンスク隕石に関する研究
    隕石、流星、惑星間塵、スペースデブリなどの地球衝突関連天体の研究
    小惑星、彗星などの太陽系小天体についての研究
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●宇宙探査●日本スペースガード協会(JSGA)、2月8日に鹿児島大学で講演会開催

2014-01-26 16:30:43 | 地球
 日本スペースガード協会は、「地球を護るスペースガード2013(鹿児島)」2月8日に開催する。

 日時:2014年2月8日(土)13:00 ~ 16:30

 場所:鹿児島大学郡元キャンパス「学術情報基盤センター」

 募集対象:小学生、中学生、高校生、一般、50名(参加無料)

 <講演内容>
 
 1 ロシア・チェリャビンスク隕石
     高橋典嗣(日本スペースガード協会理事長)
 
 2 新天体を見つけて地球を守る
     山岡 均(九州大学大学院)
 
 3 暗黒星雲と暗黒物質:ぜんぜん違う2つの”暗黒”
     半田利弘(鹿児島大学教授)
 
 4 小惑星観測体験
     西山広太(日本スペースガード協会)

 日本スペースガード協会(JSGA)は、地球に衝突する可能性のある小惑星、彗星をはじめとする地球近傍小天体の発見と監視、およびこれらの天体に関する広範囲な研究の促進とその啓蒙普及を図る活動を行い、国際スペースガード財団(International Spaceguard Foundation、略称=SGF)をはじめ、諸外国の目的を同じくする団体と連携をして活動を展開している。

 同協会では、岡山県に宇宙デブリ及び地球近傍小惑星の観測施設「上齋原(かみさいばら)スペースガードセンター(KSGC)」(岡山県苫田郡上齋原村) と「美星(びせい)スペースガードセンター(BSGC)」(岡山県小田郡美星町)において観測活動を行っている。
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●宇宙探査● 防災科学技術研究所、「J-RISQリスク地震速報」を実験的に公開

2013-10-28 17:41:59 | 地球
 防災科学技術研究所(防災科研)は、「J-RISQ地震速報」を実験的に公開した。

 同システムは、防災科研が開発を進めているリアルタイム地震被害推定システム(J-RISQ)で推定される情報を用いて、市区町村ごとの揺れの状況や、一定レベル以上の揺れにどれくらいの人が遭遇した可能性があるかを示す震度遭遇人口、周辺地域での過去の被害地震、将来の揺れの超過確率を考慮した地震ハザード情報等を、地図や表を用いて総合的に分かりやすくコンパクトにまとめたWebサービス。

 同サービスのURLは、「 http://www.j-risq.bosai.go.jp/report/」。


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●宇宙探査●海洋研究開発機構、地球の北半球の気候変動要因を解明

2013-07-11 11:17:25 | 地球
 海洋研究開発機構(JAMSTEC)地球環境変動領域の中村元隆主任研究員は、ヨーロッパ中期予報センターの再解析データ(ERA-40)、アメリカ海洋大気庁の再解析データ(NCEP/NCAR)、イギリス気象庁(Hadley Centre)の1870年から現在までの全球海面水温データを基本データとして取り入れ、特に北半球の気候変動について、北大西洋北部周辺の大規模な大気・海洋間の相互作用が大規模な大気の流れを引き起こす仲介となる力学要因の変動に着目して解析した。

 その結果、1979年の2月から3月にかけてグリーンランド海の水温が急激に上昇し、周辺の大規模大気力学場を変えて気候が変化していることを見出した。

 これらの事象について、その以前・以後のデータを総合的に解析し、この1979年の変化が、1940年代から1970年代にかけての北半球寒冷化から、1980年代以降の温暖化に変わる大きな転換点となった可能性を世界で初めて論理的に解明した。

 この変化に伴って、日本付近では月平均気温の年ごとのブレ幅が多くの月で増大し、1979年以降は以前と比べて極端現象が起こる確率が高くなっていることも発見した。

 同成果は、地球の周期的な長期気候変動を、観測データを基盤に力学要因に焦点を置いて論理的に解明したもので、今後の北半球寒冷化の可能性も含めた長期的地球環境変動予測の高精度化に大きく寄与することが期待される。

 同研究で見出されたグリーンランド海と大西洋数十年規模振動の関係に基づいて推測すると、2015年前後にグリーンランド海において1979年に起こったのとは逆の現象が起こると考えられる。

 最近10年ほどの地球温暖化停滞の傾向は、大西洋数十年規模振動の周期から推測される傾向と一致しており、北大西洋振動が強い負の状態になる頻度が高くなると、上記のフィードバックが働いて数年間で北半球寒冷化へ移行する可能性もあり、今後は北大西洋近辺の変動を注意深く観察する必要がある。






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●宇宙探査●小惑星との衝突の危険にさらされる地球

2013-04-14 18:38:11 | 地球
 月の存在を考える場合、地球の存在なくしてあり得ないし、太陽の存在も同じだ。その月の存在になくてはならない地球に現在、危機が訪れている。それは小惑星との衝突だ。

 2013年2月15日、過去100年で最大の隕石が、ロシアのチェラピンスクに落下した。その大きさは、直径約17m、質量約1万トン。この隕石が音速の約50倍の速さの秒速約18㎞で大気圏に突入し、地上に落下した。この衝撃波によって広い範囲で窓ガラスが割れ、約1200人が負傷した。

 この隕石から放出されたエネルギーは、広島型原爆の30倍以上と言われ、もし地球上の大都市に落下したら一つの都市が壊滅させられることは確実だ。

 この隕石がロシアを襲った丁度その頃、この隕石の3倍の大きさの隕石が地球をかすめた。地表から約2万7700㎞まで接近した。この距離は、人工衛星の軌道の8000㎞内側であり、宇宙的な距離からすると、ほとんど衝突寸前といってもいいほどだ。

 今回は、地球はぎりぎりのところで助かったが、今後、小惑星や隕石の地球直撃の危険はないのかというと、現実はその逆で、直撃の危険は、十分に考えらる。

 今、分かっているのは、直径約300mの小惑星「アポフィス」で、2029年と2036年の2回地球に最接近するが、このうち、2029年については大気圏をかすめそうだが、2036年については予測がつかないという。

 そんな危険な状況を何とか打開しようとする模索が今始まっている。その一つが、このほど米国NASAが発表した「小惑星捕獲計画」だ。これによると、2017年に探査機を打ち上げ、2021年に飛行士を小惑星に送るという。柔らかい素材でできた捕獲装置を宇宙空間で展開させ、小惑星をすっぽり包んで地球と月の重力がつり合う位置まで運ぶ。これは、有用資源の採掘が当面の狙いだが、将来、地球に衝突する可能性のある小惑星の軌道を変える技術の開発に繋がるという。
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