●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査<新刊情報>●「宇宙背景放射」(羽澄昌史著/集英社)

2015-10-30 15:02:39 | ●宇宙探査<新刊情報>●
 
 <新刊情報>

 

書名:宇宙背景放射~「ビッグバン以前」の痕跡を探る~  

著者:羽澄昌史

発行:集英社(集英社新書)    
 
 ビッグバン以前の宇宙を描き出すインフレーション理論。その実証実験の第一人者である著者が、宇宙マイクロ波背景放射や原始重力波など、観測の最先端を明らかにする。

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●宇宙探査●東京大学、土星衛星エンセラダスの岩石成分が隕石似であることを室内実験で示す

2015-10-28 10:23:26 | 宇宙

 東京大学大学院理学系研究科の関根康人准教授らの研究グループは、土星の衛星エンセラダスの海水中に含まれるナノシリカ粒子が熱水活動で生成するためには、岩石成分が地球のマントルのような組成ではなく、隕石に近い必要があることを室内実験によって示した。

 エンセラダスの岩石が隕石に近いことは、この衛星では形成初期も含めて岩石が一度も溶融していないことを示す。

 土星の衛星エンセラダスは、内部に地下海や熱水環境が現存する天体として注目を集めているが、その熱水環境の具体的な姿はこれまで明らかではなかった。

 今回の成果は、エンセラダスに地球と異なる独自の熱水環境が存在することを明らかにし、生命の食料となりうるガス種を初めて具体的な形で示したもの。

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●宇宙探査●JAXAと早大、「きぼう」で暗黒物質(ダークマター)の正体解明などの実験開始

2015-10-26 10:38:16 | 宇宙ステーション

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と早稲田大学は、国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟船外実験プラットフォームに設置されている高エネルギー電子・ガンマ線観測装置「CALET」において、テラ電子ボルト(TeV:1兆電子ボルト)という非常に高いエネルギー領域での電子の直接観測を世界に先駆けて開始した。

 CALETの観測を通じて、①高エネルギー宇宙線の起源と加速のメカニズム②宇宙線が銀河内を伝わるメカニズム③暗黒物質(ダークマター)の正体などの「宇宙の謎」の解明を目指している(代表研究者:鳥居祥二早稲田大学 理工学術院教授)。

 CALETには、日本・NASA・ASI(イタリア宇宙機関)の協力の下、CERN(欧州合同原子核研究機構)における予備実験等を踏まえて開発された、シャワー粒子の位置検出が可能なカロリメータ(シャワー粒子によるエネルギー損失を測定して、入射粒子のエネルギーを決める装置)を搭載している。宇宙線がカロリメータ内部で引き起こす「シャワー粒子」の飛跡を可視化することにより、高エネルギー宇宙線を精密に測定する。

 今後、2年以上にわたる高精度な観測によって、観測目的を達成する予定。

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●宇宙探査●日本初の民間月面探査チーム「ハクト」、ZoffとJALがコーポレートパートナーに決定

2015-10-22 17:46:37 | 月面探査

 グーグルによる賞金総額 3,000 万ドルの国際宇宙開発レース「Google Lunar XPRIZE(GLXP)」に 挑戦するispace(東京都港区麻布台)が運営する日本初の民間月面探査チーム「HAKUTO(ハクト)」のコーポレートパートナーとして、メガネブランド「Zoff(ゾフ)」を展開するインターメスティック (東京都港区北青山)と日本航空(JAL)の2社が決定した。

 ハクトが開発している「月面探査機(ローバー)」と、軽くてタフで“ぐにゃっ”と曲がるメガネ「Zoff SMART」が、共に高機能素材「ULTEM(ウルテム)」を採用していることが契機となり実現した。今後ハクトと Zoff は商品やプロジェクトのプロモーションなどで連携し、共に世界初の民間による月面探査を目指すことになる。

 また、JALが2015年6月に発表した「チャレンジJAL宣言」の理念のもと、今回のハクトのチャレンジに賛同し、ハクトが開発している月面探査機「ローバー」と、JALが運航するボーイング787型機が同じ炭素繊維を採用していることが契機となり実現した。今後ハクトは、JALで培われてきた整備技術やトラブルシューティングの手法を、月面探査機「ローバー」の運用・保守に応用するなど、技術的な連携を視野に入れ、互いに協働することで、世界初の民間による月面探査を目指すことにしている。

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●宇宙探査●JAXA、X線天文衛星「すざく」の観測で約1000万光年スケールで宇宙の元素組成均一

2015-10-21 15:17:16 | 宇宙

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究チームは、X線天文衛星「すざく」による、おとめ座銀河団の広域観測から、銀河団の内側から外縁部にわたって元素組成が一定であり、それは太陽系周辺の組成とほぼ同じであることを明らかにした。

 同研究チームは、現在の宇宙の平均的な元素組成を明らかにするために、銀河団の高温ガスの元素組成を調べた。宇宙に存在する普通の物質のほとんどの元素は、非常に熱いガスの状態にあり、それは数百以上の銀河が集まった銀河団に付随しているからである。

 この熱いガスはX線で明るく輝いている。つまり、宇宙の平均的な元素組成を知るためには、X線で銀河団のガスを観測すればよいということになる。

 今回の調査で、宇宙の元素組成は、どのスケールでも、どの場所を見てもほぼ同じということが判明した。さらに、宇宙がどのようにして現在の姿になったのかを理解する手がかりを与えてくれる結果でもある。

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●宇宙探査●Kavli IPMU、アルマ望遠鏡などにより遠方銀河の活発な星形成を予測

2015-10-19 14:47:31 | 宇宙

 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)のジョン・シルバーマン特任助教らの研究グループは、南米チリのアタカマ高原にあるアルマ望遠鏡 (ALMA) やフランスのビュール高原にあるビュール高原電波干渉計 (PdBI) といった電波望遠鏡を用い、遠くの宇宙にある7つのスターバースト銀河の観測を行った。

 この観測結果の解析から、今回観測した遠方のスターバースト銀河では、一酸化炭素分子ガスの量はすでに減少していたものの、高い星形成率を保っており、期待されるほど早いガス量の減少はないが、近くのスターバーストと似た状況を示していることが分かった。

 この結果から、昔の宇宙でも現在と同じような環境下で爆発的な星の形成が起きていた可能性が示された。

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●宇宙探査<新刊情報>●「ブラックホール・膨張宇宙・重力波」(真貝寿明著/光文社)

2015-10-11 17:13:50 | ●宇宙探査<新刊情報>●

 

<新刊情報>

 

書名:ブラックホール・膨張宇宙・重力波~一般相対性理論の100年と展開~

著者:真貝寿明

発行:光文社(光文社新書)

 2015年は、アルベルト・アインシュタインが一般相対性理論を創りあげてから、ちょうど100年にあたる。 一般相対性理論は20世紀の物理学を一変させたが、この理論が描く世界は、アインシュタイン自身の想像を超えるほど奇妙なものだった。同書では、誕生から今日までの100年の間に、一般相対性理論がどのように理解されてきたのかを俯瞰すると同時に、 〈ブラックホール〉〈膨張宇宙〉〈重力波〉という、アインシュタイン自身が一度は拒否反応を示したものの、 現在では研究の主流となっている3つのトピックを概観。 現代物理学の知見は私たちに何をもたらすのか――。 最新の研究成果を交えて探る。

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●宇宙探査●国立天文台、太陽の黒点形成時に発生する爆発・ジェット現象の仕組みを解明

2015-10-08 19:48:51 | 太陽

 国立天文台の鳥海森特任助教を中心とする国際研究チームは、太陽の黒点形成時に現れる、明るく細長い構造(ライトブリッジ)とその周辺の直交する磁場構造が、爆発現象やジェット噴出を引き起こしていることを明らかにした。

 これは、日本の太陽観測衛星「ひので」とアメリカの太陽観測衛星「IRIS(アイリス)」「SDO」を用いて太陽黒点の共同観測を行うと同時に、スーパーコンピューターによる詳細なシミュレーションを組み合わせて得たもの。

 これにより、太陽内部における磁場の発達、太陽表面における黒点の形成、太陽上空における活動現象(爆発やジェットなど)の密接な関わりを、観測とシミュレーションの両面から初めて3次元的に解明することに成功した。

 

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●宇宙探査●「はやぶさ2」の目指す小惑星の名称「Ryugu」に決定

2015-10-05 18:15:30 | 人工衛星

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、小惑星探査機「はやぶさ2」が目指す小惑星「1999 JU3」の名称が「Ryugu」に決定したと発表した。

 選定理由は、①「浦島太郎」の物語で、浦島太郎が玉手箱を持ち帰るということが、「はやぶさ2」が小惑星のサンプルが入ったカプセルを持ち帰ることと重なること②小惑星「1999 JU3」は、水を含む岩石があると期待されており、水を想起させる名称案であること③既存の小惑星の名称に類似するものが無く、神話由来の名称案の中で多くの提案があった名称であること。

 応募総数は、7,336件で、そのうち「Ryugu」提案者数は30件であった。

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●宇宙探査●JAXAなど、科学衛星「れいめい」の観測で脈動するオーロラの仕組みを解明

2015-10-02 20:58:49 | 人工衛星

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と名古屋大学などの研究グループは、JAXAの小型高機能科学衛星「れいめい」の観測データの分析と、名古屋大学などにおいて実施したコンピュータシミュレーションの結果、「コーラス」と呼ばれる宇宙の電磁波がオーロラを引き起こす電子を変調させることで、オーロラの瞬きを作りだしていることを解明した。

 小型高機能科学衛星「れいめい」は、2005年にドニエプルロケットのピギーバック(相乗り)衛星としてカザフスタン共和国バイコヌール宇宙基地から打上げられ、世界最高の時間分解能による電子の観測と、世界で唯一のオーロラの画像とオーロラを光らせる電子の同時観測を行うことができる。

 同研究で示された電磁波による電子の変調過程は、2016年度に打ち上げられる予定の「ジオスペース探査衛星(ERG)」によって、さらにその性質の理解が進むことが予想される。

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