●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●すばる望遠鏡、存続の危機に

2015-05-30 13:19:42 | 天体観測施設

 米国ハワイ州は、ハワイ島のマウナケア山頂近くに各国が建設した13基の天文施設のうち、4分の1を撤去するように求めた。この中には日本のすばる望遠鏡も含まれている。

 これは、口径30mの超大型望遠鏡(TMT)の建設を認める代わりに、既存施設の一部撤去を求めたもの。

 理由は、自然や伝統文化の保護のためという。

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●宇宙探査●月探査国際レース「Google Lunar XPRIZE」、期限を2017年末に延期

2015-05-24 21:09:33 | 月面探査

 米XPRIZE財団は、Googleによる賞金総額3000万ドルの月探査国際レース「Google Lunar XPRIZE」(GLXP)のコンテスト期間を1年間延長し、期限を2016年末から新たに“2017年末”にすることを発表した。

 GLXPに挑戦するispaceが運営する日本の月面探査チーム「HAKUTO(ハクト)」は、今回のコンテスト期間延長に関わらず、日本初の民間月面探査という目標の実現を目指して活動を続ける。

 コンテスト期間が延長されることで、より多くの時間を開発に費やすことができる。ハクトの月面探査ローバーは、すでにGLXP中間賞「モビリティサブシステム」部門を受賞するなど、小型惑星探査ロボットとしては世界トップクラスの性能を持っているが、GLXPの期間が延びることで機能のさらなる高度化が見込め、結果的にハクトのGLXPミッション成功確率が高くなることが考えられる。

 現在ハクトは、アメリカの宇宙開発企業「アストロボティック・テクノロジー」と月面輸送契約を結び、2016年後半にアメリカで「打上げ」を実施予定。今後の打上げを含めたスケジュールについては、現在アストロボティックと協議を行っている。

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●宇宙探査●大林組など、「きぼう」日本実験棟で宇宙エレベーターの材料実験 

2015-05-21 16:53:25 | 宇宙エレベーター

 大林組は、静岡大学と有人宇宙システムと共同で、航空宇宙産業向け先端材料の宇宙環境曝露(ばくろ)実験を開始する。

 これは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「簡易曝露実験装置(ExHAM)」の利用テーマとして採択されたもので、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームを利用して行うもの。

 この実験は、カーボンナノチューブ(CNT)の宇宙エレベーターなどの建設材料としての可能性を探る各種実験の一環として、宇宙曝露環境における耐久性を検証することを目的としている。

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●宇宙探査●JAXA、陸域観測技術衛星「だいち」による全世界の標高データセットを無償公開

2015-05-18 15:19:55 | 人工衛星

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による観測画像を用いて整備した、全世界の陸地の起伏を水平方向30mの細かさで表現できる標高データセット(30mメッシュ版)の無償公開を開始する。

 今回、日本を含む東アジア、東南アジア域から公開を開始し、順次、全世界の陸地(緯度82度以内)に拡大する予定。

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●宇宙探査●油井宇宙飛行士の打ち上げ予定延期 

2015-05-13 19:50:52 | 宇宙ステーション

  ロシア連邦宇宙局は、プログレス補給船(59P)による国際宇宙ステーションへのドッキング断念を受け、油井宇宙飛行士が搭乗する ソユーズ宇宙船(43S/TMA-17M)について、2015年5月27日の打ち上げを延期すると発表した。
 
 新しい打ち上げ予定日時は7月下旬を目標としており、今後、ISS参加パートナー間で調整される。
 

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●宇宙探査<ブックレビュー>●「宇宙はどうして始まったのか」(松原隆彦著/光文社)

2015-05-08 10:50:45 | ●宇宙探査<ブックレビュー>●

書名:宇宙はどうして始まったのか

著者:松原隆彦

発行:光文社(光文社新書)

目次:第1章 「この宇宙」には始まりがある
     第2章 無からの宇宙創世論
    第3章 量子論と宇宙論
    第4章 相対論と宇宙論
    第5章 素粒子論と宇宙論
    第6章 宇宙の始まりに答えはあるのか

  多くの人は、宇宙の端にたどり着いたら、その先はどうなっているのかが知りたいと思う。学者は、丁度、風船の上を歩いていくと、また元の場所に戻ってきて、永久に宇宙の果てにはたどり着けないと、答える。その答えに「なるほど、そうだったんだ」と考える人は、この書「宇宙はどうして始まったのか」(松原隆彦著/光文社)を読む必要はないのかもしれない。「そう言われても納得がいかない」と考える人はこの書を読むべきだろう。その理由は、著者がまえがきに書いている通り「本書では最先端の研究の解説よりも、それについてああでもない、こうでもないと批判的にいろいろな可能性を考えていくことで、随筆的な雰囲気を含むようにしました」と書いている通り、同書はこちこちの学術書ではなく、一般の人が疑問に思う事柄を、最先端の研究成果に基づいて、著者が分かりやすく解説してくれている。

 この書のタイトルにもなっている「宇宙はどうして始まったのか」について最近、インフレーションという言葉がマスコミを賑わせている。アメリカの研究チームが「インフレーションの痕跡を発見した」と発表して、一時、学界が大騒ぎになったが、その後、検証機関により間違えだと結論付けられて一件落着となったが、今後、インフレーションの痕跡が見つかる可能性は大いにありうる。そのためにも、宇宙の門外漢であってもインフレーション理論を少しでもかじっておいた方がいい。宇宙論で言うインフレーションとは「宇宙初期に宇宙の大きさが急膨張することを表している」ということである。ここで、多くの人は、「昔、宇宙の始まりはビックバンである」と教わったが、宇宙の始まりは、インフレーションなのか?ビックバンなのか?という素朴な疑問が頭を過ぎる。

 この書ではこの答えをこんな風に説明している。それは「研究者の間では、標準ビックバン理論における最初の火の玉のような状態を『ビックバン』と呼ぶことが多い。インフレーションが最初の火の玉のような状態を作り出すのだから、この場合は、インフレーションの方がビッグバンよりも前に起きたということになる。つまり、ビッグバンとインフレーションのどちらが先に起きたかについては、何をビッグバンと呼ぶかによって答えが変わる。したがって、これは単なる言葉の問題でしかない」「一般向け解説書は、話を分かりやすくするために話が単純化されている場合が多い」という。つまり、ビッグバンをどのように定義するかがポイントなのだ。さらにこの書では、「初期特異点」という用語を使って宇宙の始まりの解説が続くが、専門家の間でも「初期特異点」について統一がついているわけではないという。さらに、「宇宙の本当の始まりは、インフレーションよりも前であり・・・」とインフレーション以前にも話が及び、宇宙の始まりの話題は尽きない。

 この書の「第6章 宇宙の始まりに答えはあるのか」は圧巻である。我々が考える宇宙の始まりとは、また異なる考えが次々と紹介される。例えば、ホィーラーという学者が提案した「観測者参加型宇宙」。「ホィーラーによれば「膨大な数のビットからなる情報がこの世界の存在をつくり上げいるのだという。私たちは直観的にこの世界や宇宙が存在していると考えているが、そうした存在というものでさえも、突き詰めれば情報の集まり以上のものではない」というのだ。何やら、神がかり的考えにも感じられるが、よく考えると道理のある考えでもある。この世のあらゆるものは、私たちが情報を処理する過程で生まれてくるとホィーラーは主張する。この世にあるものが、本当にあるか否かは、情報処理にゆだねられているというのだ。何やら、宇宙の構造の理由を人間の存在に求める考え方である人間原理を思い起こさせる。著者は、あとがきで「宇宙論には、先入観の入り込む余地が大きい傾向にあります。先入観を乗り越えて宇宙の真実を明らかにするには、虚心坦懐に宇宙を見つめていくしかありません」と締めくくっている。
(勝 未来)

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●宇宙探査●千葉大学など、スパコンによる世界最大規模のダークマターシミュレーションに成功

2015-05-06 16:12:10 | 宇宙

 千葉大学、東京経済大学、愛媛大学、東京大学、文教大学による研究グループは、理化学研究所計算科学研究機構のスーパーコンピュータ「京(けい)」と国立天文台の「アテルイ」を用いた、宇宙の構造形成の大規模シミュレーションを行い、宇宙初期から現在にいたる約138億年の間にダークマターが作り出す宇宙の構造とその進化過程を、従来よりも格段に良い精度で明らかにした。

 一番規模の大きい計算は約5500億体ものダークマター粒子の重力進化を1辺54億光年もの広大な領域において計算した、世界最大規模のシミュレーション。

 このシミュレーション結果は、今後得られる大規模な銀河サーベイ観測と比較することで、宇宙の進化の解明のために役立てられる。

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●宇宙探査<新刊情報>●「宇宙誌」(松井孝典著/講談社)

2015-05-03 06:26:13 | ●宇宙探査<新刊情報>●

 

<新刊情報>

 

書名:宇宙誌

著者:松井孝典

発行:講談社(講談社学術文庫)
 
 我々はどこから来たか、我々とは何か、我々はどこへ行くのか――。科学の飛躍的進展が人類にもたらした劇的変化。我々はどのような思索を経て、現在の科学技術を築きあげたのか。そして新たな文明への途上にあって、宇宙の意味、可能性とは何か。古代ギリシャからホーキングにいたる天才たちの足跡を追い、200億光年の時空を旅する壮大な知的大紀行。

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●宇宙探査●JAXAの小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」、冬眠モード明け

2015-05-01 23:26:41 | 宇宙探査機

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」が、2015年3月の途中より冬眠モードから明けた状態にあると予想され、姿勢・軌道の予測に基づき探索を行ってきた。

 その結果、4月23日「IKAROS」からの電波を受信することができた。地球からの距離は、約1億2千万km。
 
 今回は、5月頃まで、「IKAROS」の状態を確認するためのデータを継続して取得し、解析作業を行うことにしている。

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