●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●次世代超大型望遠鏡TMT、ハワイで建設開始

2014-07-31 16:49:57 | 天体観測施設

 国立天文台は、米国ハワイ州から次世代超大型望遠鏡TMT(Thirty Meter Telescope、30メートル望遠鏡)の許可が下り、TMTが本格建設に入ることになったと発表した。

 TMTの建設に向け、これまで、日本、米国、中国、カナダ、インドの5カ国の協力で準備が進められ、2014年5月6日、米国において「TMT国際天文台」(TIO)が法人登記され、設立された。

 TMT国際天文台は、実際に望遠鏡建設を進める組織で、完成後には望遠鏡の運用も行う。 また、参加機関からの代表で構成される評議員会(議長=カリフォルニア大学サンタバーバラ校のヘンリー・ヤン学長、副議長=国立天文台の家正則教授)で方針や重要事項を決定することになっている。

 TMT建設において、日本は望遠鏡本体構造の製作と主鏡製作の一部という基幹部分を担当する。

 主鏡を構成する492枚の分割鏡(交換用を含めると574枚)の鏡材は、全て日本が製作する。2013年からすでに量産に入っており、2014年3月までに60枚の鏡材が出来上がり、鏡面の研削・研磨加工も量産に入っている。

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●宇宙探査●中国地質大学などの国際共同研究チーム、月が地球の引力で熱の発生を証明

2014-07-28 21:17:59 | 月の誕生

 中国地質大学などの研究者を中心とする国際共同研究チームは、月の地下深くに軟らかい層が存在すること、さらに、その層の中では地球の引力によって熱が効率的に生じていることを明らかにした。

 これらのことは、月の中が未だ冷え固まっていないこと、そして地球が月に及ぼす力によって月の中は今も温められ続けていることを示唆している。

 同研究成果は、月周回衛星「かぐや」(セレーネ)などで精密に測られた月の形の変化を、理論的な計算による見積もりと比べることによって得られた。

 地球と月が生まれてから今まで、お互いにどのように影響を及ぼしながら進化してきたのか、同研究はそれらを考え直すきっかけとなると思われる。

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●宇宙探査<新刊情報>●「広い宇宙で人類が生き残っていないかもしれない物理学の理由」」

2014-07-23 21:29:31 | ●宇宙探査<新刊情報>●

 

<新刊情報>

 

書名:広い宇宙で人類が生き残っていないかもしれない物理学の理由

著者:C.L.アドラー

訳者:松浦俊輔

発行:青土社

 ハリーポッターに出てくるウィーズリーの空飛ぶ車は実在する?地球はいつか消えてしまう?変身時の質量はどこへ行く?世界の数々のSF・ファンタジーの傑作のしくみを物理学的に読み解いていく。と同時にSF的想像力と現実世界の齟齬を掘り起こす。人類と宇宙の未来をスリリングに考察する、奇妙な世界を紐解く物理学の大冒険。空想科学読本の決定版。

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●宇宙探査●理研と京大、金などの重い元素が中性子星の合体によることの可能性を証明

2014-07-18 15:30:18 | 宇宙

 理化学研究所と京都大学の研究チームは、地球上に存在する金やウランなど鉄より重い元素が、中性子星合体によってつくられたものである可能性が高いことを明らかにした。

 水素やヘリウムは宇宙の始まりのビッグバンにより生成され、それより重い鉄までの元素は恒星内部の核融合により生成される。レアアース、金やウランなど鉄よりさらに重い元素は、大量の中性子の核融合により生成されると考えられている。

 しかし、その大量の中性子の核融合がどのような天体現象によるものなのかについては、長い間明らかにされていなかった。それは中性子星合体によるものであるとする説があるが、これまでの研究によると、放出される物質のほとんど(90%以上)が中性子であるために非常に重い元素だけがつくられると考えられ、太陽系や他の恒星で観測される重元素組成を説明できないことが問題となっていた。

 共同研究チームは、東京大学などのスーパーコンピューターを用いて、一般相対性理論とニュートリノの影響を考慮した場合の中性子星合体の数値シミュレーションを行った。

 その結果、中性子の一部がニュートリノを吸収して陽子に変わるため、中性子の割合が60~90%程度にまで減少することが分かった。

 この数値シミュレーション結果をもとに元素合成の数値計算をしたところ、観測による太陽系の重元素分布とほぼ一致していた。

 これにより、今まで明らかにされていなかった金やウランなどの鉄より重い元素の起源が、中性子星の合体である可能性が高いことが示された。


 

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●宇宙探査●国立極地研究所など、HED隕石から高圧鉱物を発見

2014-07-16 15:29:15 | 宇宙

 広島大学、東北大学、国立極地研究所を中心とした研究チームは、小惑星ベスタ由来と考えられているHED隕石から、シリカ(SiO2)の高圧相、コーサイトとスティショバイトを世界で初めて発見した。

 NASAの探査機ドーンによる探査で、ベスタには多数のクレーターが存在することが明らかになっている。これはベスタが激しい天体衝突を経験したことを示唆するものでだが、天体衝突時に発生する超高圧力・高温に伴って生成するはずの高圧相がHED隕石からはこれまで発見されていなかった。

 しかし、研究チームは電子顕微鏡や集束イオンビーム加工装置といったナノ分析技術を駆使し、HED隕石からシリカの高圧相を見出すことに成功した。

 これまでの研究によれば、約10億年前に起きた天体衝突で、ベスタに巨大なクレーターが形成され、その際に弾き飛ばされたベスタ表層物質が、地球にHED隕石として飛来したと推測されていた。

 しかし、シリカの高圧相と放射年代を考慮すると、HED隕石に記録された天体衝突は約41億年前であり、ベスタの巨大クレーターの形成時期とは一致せず、HED隕石の起源と地球への飛来プロセスを再考する必要があることも分かった。

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●宇宙探査●宇宙エレベーター協会、8月6日~9日の4日間、「宇宙エレベーターチャレンジ」開催 

2014-07-14 20:03:36 | 宇宙エレベーター

 宇宙エレベーター協会は、昨年に引続き、2014年も「宇宙エレベータークライマーモデル」とテザードバルーンを使った「宇宙エレベーターチャレンジ」を下記の通り実施する。  .
 
 主催:一般社団法人 宇宙エレベーター協会 SPEC実行委員会

月日:2014年8月6日(水)~9日(土)、予備日10日(日)

場所:静岡県富士宮市 大沢扇状地(2013年と同様、国土交通省富士砂防事務所様管理ストックヤード)

内容:A.高度 200~1,200mに係留したバルーンから地上までつないだロープ/ベルトを連続昇降する昇降
     機の性能計測(速度、重量、効率、到達高度、制御能力等)

    B.テフロン加工低μベルトテザー5mを昇降する昇降機の性能計測

参加費:団体30万円、個人10万円

     ただし運営を補助する運営担当者がいる場合、団体20万円(運営担当者2名)、個人5万円(運営
     担当者1名)

運営:実行委員会+各参加チーム運営担当者(各参加チームにも運営を補助して頂きます)

参加:国内外20チーム程度を想定(2013年は国内17チーム)

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●宇宙探査●東大、超小型衛星「ほどよし3号」撮影の地球の写真をホームページ上に公開

2014-07-11 20:32:06 | 人工衛星

 東京大学大学院の中須賀真一教授の研究室は、超小型衛星「ほどよし3号」「ほどよし4号」を、ロシア国内のヤスネ基地から、ロシアのドニエプルロケットにより平成26年6月20日4:11am(日本時間)に打ち上げに成功したが、このほど、3号機に搭載された40m分解能カメラ(MCAM)と240m分解能カメラ(LCAM)で撮影したオーストラリア北西部の海岸沿いと東ティモール映像をホームページ(超小型衛星センター)上で公開した。

 MCAMは、分光フィルターにマルチバンドパスフィルターを採用することにより近赤外,赤,緑の3バンドの分光観測を行っている。近赤外と赤バンドを用いて導出される正規化植生指数は、農作物や樹木等の成長度および健全性の評価に良く利用されており、MCAMが取得する分光画像を利用することにより、植生指数の広域的なマッピングが可能になる。

 超小型衛星「ほどよし」の主目的は、超小型衛星が本格的あるいは革新的な宇宙利用を行えることの実証にある。

 「ほどよし3号」「ほどよし4号」は、いずれも60kg程度の衛星で、共通のバス(衛星の基本部分)を持ち、3号が分解能40mと200m、4号が分解能6mの光学カメラを使って地球の写真を撮る。

 さらに、地上においた送信機付きセンサーからの情報を電波で集める「ストア&フォワード」、および10cm立方の空間をユーザーに貸し出して自由なミッションを行わせる「搭載機器スペース」も実施する。

 4号では、研究開発した高速Xバンド通信機とイオンエンジンの実証も行う。また、異なる能力を持った2機の衛星の連携運用(ヘテロ編隊飛行)の実験も行うことにしている。

 なお、MCAM、LCAMカメラ開発の開発は、東京理科大学木村研究室と東京大学が共同で行った。

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●宇宙探査●特別企画展「月の神秘展」で「なんでも質問コーナー」開催

2014-07-11 14:56:47 | 月の資源

 コニカミノルタプラザ(東京都新宿区)では、特別企画展「月の神秘展」~「月」の知られざる秘密に迫る~を、2014年7月15日(火)~8月10日(日)を開催するが、誰でもでも参加できる「なんでも質問コーナー」を下記の通り開催する。月の専門家3名が来場し、展示物の解説を行うほか、参加者からの質問に答えることになっている。

<特別企画展「月の神秘展」の「なんでも質問コーナー」>

【日時】8月2日(土) 14:00~16:00(予定)

【場所】コニカミノルタプラザ ギャラリーA

       国立天文台 理論研究部教授 小久保英一郎氏
 
       会津大学 企画運営室兼先端情報科学研究センター准教授 寺薗淳也氏
 
                 *時間に多少変更の可能性があります。
                 *都合により日程は変更になる可能性があります。
                 *開催日直前の変更の場合はツイッター、facebookでお知らせいたします。

【日時】8月10日(日) 14:00~16:00(予定)

【場所】コニカミノルタプラザ ギャラリーA

       国立天文台 副台長 渡部潤一氏

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●宇宙探査<ブックレビュー>●「ホーキング、自らを語る」(スティーヴン・ホーキング著/あすなろ書房)

2014-07-07 19:34:21 | ●宇宙探査<新刊情報>●


 <新刊情報>

 

書名:ホーキング、自らを語る

著者:スティーヴン・ホーキング

訳者:池 央耿

監修:佐藤勝彦

発行:あすなろ書房

 戦後ロンドンでの幼少期、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学院での日々、運命的な女性との出会い、結婚、難病ALSの発症、そして離婚・・・。決定的自伝、ついに刊行。

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●宇宙探査●国立天文台と東大、金などが中性子星の合体で作られたことを明らかに 

2014-07-05 22:46:32 | 宇宙

 国立天文台と東京大学の研究チームは、金やプラチナ、レアアースといったR過程元素(中性子を素早く<rapid>捕獲する過程で合成された元素)が中性子星の合体の際に作り出された可能性が非常に高いことを明らかにした。

 同研究チームは、銀河系と銀河系の近く(約80万光年の範囲内)に属する個々の星に刻まれた元素組成の履歴を解読し、R過程元素が中性子星の合体の際に作られ、宇宙空間の広範囲に即座に拡散したと考えると観測結果を矛盾なく説明できることを突き止めた。

 また、中性子星合体現象は、直接重力波を検出できる現象として期待されている。

 同研究に基づくとこれまでよりも正確に中性子星合体現象が銀河内で起こる頻度を見積もることができる。

 具体的には、現在建設中の重力波検出装置KAGRAは海外の検出装置との連携によって、2020年代には1ヶ月から2ヶ月に一度の頻度で中性子星合体からの重力波が検出されるだろうと予想される。

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