
クラシックとJAZZ、タンゴとJAZZは基本的には一緒になるものではないと思います。ところが実にたくさんのアルバムが作られているし、素晴らしいアルバムも多いのです。
ジャズともう一つのジャンルを長い線で結んで、その間の何処で演奏されているか、どのように刺激的なことがおきているかが実はとても楽しみな部分です。
先般の佐藤允彦のバッハを素材にした演奏などは、これは完全にJAZZ演奏でした。
そんな中見つけたのがこれ、フランスのピアニストで作曲家のクロード・ボリングという人が作ったアルバムです。
この人「ボルサリーノ」や「カルフォルニア・スウィート」(大好きなニール・サイモンの作品だ)など多くの映画音楽を作曲した人で、クラシックの演奏家のジャズ風味的アルバムをシリーズにしていて、過去ジャン・ピエール・ランパル(フルート)、アレクサンドル・ラゴヤ(ギター)、ビンカス・ズーカーマン(バイオリン)、モーリス・アンドレ(トランペット)があるみたいですが、私はこのヨーヨーマ買いが初めてです。
最初に書いたようにジャズとクラシックなりタンゴは違うものなので、ただ企画でタンゴ演奏家の中にジャズマンを入れたものとか、クラシックの曲をただジャズで弾いてもなかなか刺激的な良いものにはなりません。
このアルバムはジャケットにも描かれているように〃料理するか、そこら辺が最初から目的のようで、その部分を楽しむアルバムに感じます。
この料理なんとなずけたらよいのでしょうか。
“papillote de violoncellole le'ge rement parfume' a'la jazz"
勝手につけてみました。ではいただきます。
1曲目、曲名からもバロックの4重奏みたいに始り、クラシック基調の中ヨーヨーマがジャズリズムノリになってくるあたりが楽しい演奏です。
2曲目はふくよかなチェロのメロディは優雅な宮廷音楽みたいな始りで、全てが譜面に落とせるような演奏ですが、ラウンジで聴くような上品さです。
3曲目“ギャロップ”はチェロのメロディに勢いが出て鋭さが加わります。宮廷風ではなくチェロとトリオの対応に聴き応えがあり。
ここではジャズを知らないクラシック奏者とクラシックをしらないミュージシャンでないことを感じます。
4曲目は“バラッド”はやはりヨーヨーマのチェロの音と流れに身をまかせることが良い。
5曲目、ピアノでポロネーズみたいに始り、これはピアノ主体、きちんと作曲された作品で、4,5がハイライト、6曲目は組曲構成の大団円のように終わります。
さて料理のお味は、まず素材のヨーヨーマが好きなのでとてもおいしい、味付けも基礎のしっかりした手法に軽さを加えたモダンも見せます。
ヌーヴェル・キュイジーヌみたいな気取りはなく、素材を活かし多くの人が満足するようなお味でした。
“papillote de violoncellole le'ge rement parfume' a'la jazz"
“軽くジャズ風味付けしたチェロールの包み焼き”
Suite for Cello & Jazz Piano Trio / Claude Bolling
YO_YO_MA Cello
CLAUDE BOLLING piano
MARC MICHEL bass
JEAN LUCDAYAN drums
1 Baroque in Rhythm
2 Concertante
3 Galop
4 BAllade
5 Romanatique
6 Cello FAn
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