第2位
GRACE POTTER & THE NOCTURNALS / GRACE POTTER & THE NOCTURNALS
間違いなく2010年、最も聴いたアルバム。正直な話、グレイス・ポッターがこれ程までに骨太なロックン・ロールで攻めて来るとは思っていませんでした。まさにアルバムを出すごとにチューンアップしていく感じの彼女とそのバンド、ノクターナルズ。デビュー作は土っぽさとノラ・ジョーンズ的な洗練を併せ持った04年の「ORIGINAL SOULE」(この時はまだグレイスのソロ名義)。さらにサザン・フィーリングとバンド感を強めた2nd作「NOTHING BUT THE WATER」(ここから正式にバンド名義)。そしてよりポップでソウルフルな歌物指向な完成度をものにした前作「THIS IS SOMEWHERE」。で、その前作「THIS IS SOMEWHERE」が出た直後にフジロックで来日したんです。07年でしたね。で、その時のライヴ、私は勝手にゴスペルやブルースなど南部テイスト香るルーツな感じを期待していたんですけど、これが思いのほかロックだったんですよ。70年代を感じさせるかなりベタなロック。しかもどこかあか抜けない感じで…。そしてあれから3年、ついにリリースされた新作が、ずばり「GRACE POTTER & THE NOCTURNALS」。自信の程が伺えますよね。まず冒頭、グレイスの妖艶且つ気合いの入った「アン!」という一声にやられます。さらにツイン・ギターによる荒々しいギター・リフ。そしてファット且つ鋭角的なリズム。グレイスの歌声もやたらテンションが高い! この「Paris (Ooh La La)」という曲はフジでも既に披露されていた曲でしたが、あの時とは確実に一皮も二皮も剥けた感じ。とにかくリズムの太さとキレにやられます。そしてバンドとしての一体感が強烈。しかしけっしてルーズなノリではない、やさぐれた感じでもない、でも明らかにロックン・ロールの妖気を感じる。バンド・イメージとしてもベーシストが女性に変わった分、一層妖艶な空気感を増しましたしね。で、やはりそんな妖婉さ濃厚な「Medicine」や、瑞々しく跳ねる「Hot Summer Night」などのアップ・ナンバーが良いですね~。「Money」や「That Phone」など南部的な楽曲も格好良い! レゲエのリズムを取り入れたオーガニックな「Goodbye Kiss」も良い! そして「Colors」や、「Things I Never Needed」等のスロー・ナンバーにもうっとり。そしてハイライトは先行シングルとなった「Tiny Light」でしょうか。メロウ・ポップな序盤から、グレイスの強烈なロング・シャウトがきまり、スコット・ターナーの荒くれたギター・ソロが押し寄せる怒濤の展開。初めて聴いた時ゾクゾクしましたね! まあ、何はともあれ、全編通してバンドから漲るエネルギーが凄いですよ。フジで観たときは、若干、無理矢理ロックしているような印象も受けたのですが、これはそんなライヴを積み重ね、メンバーチェンジの末にたどり着いたあろう、グレイス・ポッター&ザ・ノクターナル流の新たなロックンロールです! そして圧倒的なほどソウルフルでエモーショナルなグレイスの歌声が素晴らしい。また来日してくれないかな~。
第3位
PATTY GRIFFIN / DOWNTOWN CHURCH
カントリー系の女性シンガー・ソング・ライター、パティ・グリフィン。およそ3年振りの最新作はゴスペル作品。DOWNTOWN PRESBYTERIAN CHURCHという大きな教会を借り切って録音されたようです。プロデュースはバディ・ミラー!! これは素晴らしい作品ですね~! カントリーな土っぽさとゴスペルらしい敬虔な高揚感、そしてパティ・グリフィンの歌声! 女性的な繊細さとささくれたったエッジが同居したような歌唱に引き込まれます。1曲目はハンク・ウィリアムスの「House Of Gold」。広大な大地を感じさせるようなゆったりとした曲調に映えるパティの歌声。良いですね~。続くアップ・テンポの「Move Up」。スウィング感溢れるリズムと疾走感を煽るようなコーラスが格好良い!ちなみにリズム隊はジェイ・ベルローズ(ds)とデニス・クロウチ(b)。そしてオルタナ的な陰影の濃いギターを響かせるのはバディー・ミラーとDoug Lancioの二人。このバック・バンドの“湿り気”と“ざらつき”がない交ぜになったようなどこか神秘的なサウンドが良いんですよ~。そしてコーラスにはRegina McCrary とAnn McCraryの姉妹。彼女達はかのフェアフィールド・フォーの伝説的リード・シンガー、サム・マクラリーの娘さん達。まるでアメリカーナのしじまから黒人ゴスペルのフレーバーが香るような響きが秀逸ですね。トラディショナルの「Death's Got A Warrant」でもマクラリー姉妹が良い味出してます。有名な黒人スピリチュアル「Wade In The Water」ではそんな濃密なサウンドに絡み合うパティのエモーショナルな歌唱が素晴らしい。エモーショナルと言えば「I Smell A Rat」も強烈。ビッグ・ママ・ソートンが歌ったリーヴァー&ストラー曲ですが、ビッグ・ママのダイナミックさとはまた違う荒々しさと粘りを持ったパティの歌唱に痺れます。これはロックですよ!その一方でスロー・ナンバーも流石に味わい深い。ソウルフルな歌声をしっとりと堪能出来る「Waiting For My Child」は、「OH HAPPY DAY」というゴスペル・コンピでメイヴィス・ステイプルズとデュエットしていた曲。それを今回はソロで再録。さらに「Virgen De Guadalupe」はメキシコ系のゴスペル曲でしょうか?この異国情緒が光ってますね。そしてパティのオリジナル曲「Little Fire」。暖かい哀愁の溢れる良い曲なんですよね~。しかもゲストのエミルー・ハリスがハーモニーをつける。極上です。そしてラストを締めるトラッド「All Creatures Of Our God And King」。まるで神に捧げるような歌唱が感動的。素晴らしい!! ちなみにバディ・ミラーとパティ・グリフィンは、ロバート・プラントのソロ作「BAND OF JOY」に参加し、バンド・メンバーとしてツアーにも同行しているようです。
GRACE POTTER & THE NOCTURNALS / GRACE POTTER & THE NOCTURNALS
間違いなく2010年、最も聴いたアルバム。正直な話、グレイス・ポッターがこれ程までに骨太なロックン・ロールで攻めて来るとは思っていませんでした。まさにアルバムを出すごとにチューンアップしていく感じの彼女とそのバンド、ノクターナルズ。デビュー作は土っぽさとノラ・ジョーンズ的な洗練を併せ持った04年の「ORIGINAL SOULE」(この時はまだグレイスのソロ名義)。さらにサザン・フィーリングとバンド感を強めた2nd作「NOTHING BUT THE WATER」(ここから正式にバンド名義)。そしてよりポップでソウルフルな歌物指向な完成度をものにした前作「THIS IS SOMEWHERE」。で、その前作「THIS IS SOMEWHERE」が出た直後にフジロックで来日したんです。07年でしたね。で、その時のライヴ、私は勝手にゴスペルやブルースなど南部テイスト香るルーツな感じを期待していたんですけど、これが思いのほかロックだったんですよ。70年代を感じさせるかなりベタなロック。しかもどこかあか抜けない感じで…。そしてあれから3年、ついにリリースされた新作が、ずばり「GRACE POTTER & THE NOCTURNALS」。自信の程が伺えますよね。まず冒頭、グレイスの妖艶且つ気合いの入った「アン!」という一声にやられます。さらにツイン・ギターによる荒々しいギター・リフ。そしてファット且つ鋭角的なリズム。グレイスの歌声もやたらテンションが高い! この「Paris (Ooh La La)」という曲はフジでも既に披露されていた曲でしたが、あの時とは確実に一皮も二皮も剥けた感じ。とにかくリズムの太さとキレにやられます。そしてバンドとしての一体感が強烈。しかしけっしてルーズなノリではない、やさぐれた感じでもない、でも明らかにロックン・ロールの妖気を感じる。バンド・イメージとしてもベーシストが女性に変わった分、一層妖艶な空気感を増しましたしね。で、やはりそんな妖婉さ濃厚な「Medicine」や、瑞々しく跳ねる「Hot Summer Night」などのアップ・ナンバーが良いですね~。「Money」や「That Phone」など南部的な楽曲も格好良い! レゲエのリズムを取り入れたオーガニックな「Goodbye Kiss」も良い! そして「Colors」や、「Things I Never Needed」等のスロー・ナンバーにもうっとり。そしてハイライトは先行シングルとなった「Tiny Light」でしょうか。メロウ・ポップな序盤から、グレイスの強烈なロング・シャウトがきまり、スコット・ターナーの荒くれたギター・ソロが押し寄せる怒濤の展開。初めて聴いた時ゾクゾクしましたね! まあ、何はともあれ、全編通してバンドから漲るエネルギーが凄いですよ。フジで観たときは、若干、無理矢理ロックしているような印象も受けたのですが、これはそんなライヴを積み重ね、メンバーチェンジの末にたどり着いたあろう、グレイス・ポッター&ザ・ノクターナル流の新たなロックンロールです! そして圧倒的なほどソウルフルでエモーショナルなグレイスの歌声が素晴らしい。また来日してくれないかな~。
第3位
PATTY GRIFFIN / DOWNTOWN CHURCH
カントリー系の女性シンガー・ソング・ライター、パティ・グリフィン。およそ3年振りの最新作はゴスペル作品。DOWNTOWN PRESBYTERIAN CHURCHという大きな教会を借り切って録音されたようです。プロデュースはバディ・ミラー!! これは素晴らしい作品ですね~! カントリーな土っぽさとゴスペルらしい敬虔な高揚感、そしてパティ・グリフィンの歌声! 女性的な繊細さとささくれたったエッジが同居したような歌唱に引き込まれます。1曲目はハンク・ウィリアムスの「House Of Gold」。広大な大地を感じさせるようなゆったりとした曲調に映えるパティの歌声。良いですね~。続くアップ・テンポの「Move Up」。スウィング感溢れるリズムと疾走感を煽るようなコーラスが格好良い!ちなみにリズム隊はジェイ・ベルローズ(ds)とデニス・クロウチ(b)。そしてオルタナ的な陰影の濃いギターを響かせるのはバディー・ミラーとDoug Lancioの二人。このバック・バンドの“湿り気”と“ざらつき”がない交ぜになったようなどこか神秘的なサウンドが良いんですよ~。そしてコーラスにはRegina McCrary とAnn McCraryの姉妹。彼女達はかのフェアフィールド・フォーの伝説的リード・シンガー、サム・マクラリーの娘さん達。まるでアメリカーナのしじまから黒人ゴスペルのフレーバーが香るような響きが秀逸ですね。トラディショナルの「Death's Got A Warrant」でもマクラリー姉妹が良い味出してます。有名な黒人スピリチュアル「Wade In The Water」ではそんな濃密なサウンドに絡み合うパティのエモーショナルな歌唱が素晴らしい。エモーショナルと言えば「I Smell A Rat」も強烈。ビッグ・ママ・ソートンが歌ったリーヴァー&ストラー曲ですが、ビッグ・ママのダイナミックさとはまた違う荒々しさと粘りを持ったパティの歌唱に痺れます。これはロックですよ!その一方でスロー・ナンバーも流石に味わい深い。ソウルフルな歌声をしっとりと堪能出来る「Waiting For My Child」は、「OH HAPPY DAY」というゴスペル・コンピでメイヴィス・ステイプルズとデュエットしていた曲。それを今回はソロで再録。さらに「Virgen De Guadalupe」はメキシコ系のゴスペル曲でしょうか?この異国情緒が光ってますね。そしてパティのオリジナル曲「Little Fire」。暖かい哀愁の溢れる良い曲なんですよね~。しかもゲストのエミルー・ハリスがハーモニーをつける。極上です。そしてラストを締めるトラッド「All Creatures Of Our God And King」。まるで神に捧げるような歌唱が感動的。素晴らしい!! ちなみにバディ・ミラーとパティ・グリフィンは、ロバート・プラントのソロ作「BAND OF JOY」に参加し、バンド・メンバーとしてツアーにも同行しているようです。