NEIL YOUNG / LE NOISE
さて、もうすぐグラミー賞ですね。例年通り「ルーツな日記」的注目作品をバンバン紹介したいところですが、のんびりしているうちに、もう時間が…、みたいな。多分2~3枚しか紹介出来無いでしょうけど、とりあえず張り切ってまいりましょう!
という訳で、今回は『Best Rock Album』部門です。気になるノミネート作品は以下の通り。
Jeff Beck / Emotion & Commotion
Muse / The Resistanc
Pearl Jam / Backspacer
Tom Petty And The Heartbreakers / Mojo
Neil Young / Le Noise
見事に新旧並んだ感じですね。個人的にはジェフ・ベック、トム・ペティ、ニール・ヤングというベテラン勢に頑張ってもらいたいところ。で、今回の注目はニール・ヤングな訳です。最新作「LE NOISE」は弾き語りをメインにした作品。しかもほとんどの曲がエレキによるもの。1曲目「Walk With Me」の出だし、バーン!!というギターの轟音に痺れます。これはやっぱり空間が振動するような爆音で聴きたい。
プロデューサーはダニエル・ラノワ。U2で有名な方ですが、私にとっては何と言ってもネヴィル・ブラザーズの「YELLOW MOON」。そしてボブ・ディランの「OH MERCY」とか、ロビー・ロバートソンの「ROBBIE ROBERTSON」とか、エミルー・ハリスの「WRECKING BALL」など。どれも奥行きのある情緒豊かなサウンドが特徴で、“ラノワの音”を感じさせる作品ですね。しかしこの「LE NOISE」はそれらの作品とはちょっと趣が違います。ラノワ的な幻想感を帯びたルーツ解釈は影を潜め、ロック的な爽快感すら感じさせる。爆音ギターの音色がスカッとしているというか、抜けが良いんですよね。しかしその奥で歪み以外の音響系エフェクトが空間に溶け込んでいる辺りはやはりラノワ的。しかも聴き進めていく内に、その歪んだ爆音がディープに響いてくる。ドラムのビートがないことがかえって濃密な音空間を作りあげている感じ。これは聴けば聴く程、効いてくる作品。
いかにもニールらしいメロディを持つ「Sign Of Love」とか、「Angry World」や「Hitchhiker」辺りのロック的な曲が良いですよね~。爆音ギターにねっとりと絡むニールの歌声は相変わらず繊細なのか豪快なのかよくわからない感じで、それがまた独特な世界観を生んでるんですよね。その一方で「Love & War」や「Peaceful Valley Boulevard」という2曲のアコースティック曲も印象的。まるで深く沈むようなこの2曲が、轟音と轟音の隙間に横たわる深い“しじま”を感じさせてくれるようで秀逸です。
ロックの象徴でもある爆音。そしてその爆音が生み出す光と影。ある意味、究極のロック・アルバムでありながら、ロックの範疇を完全に飛び越えたアートのようにも聴こえる作品。たかが爆音なれど、それをこれだけディープに聴かせるダニエル・ラノワの手腕もさることながら、改めてニール・ヤングというアーティストの規格外な凄みを感じさせられました。
ちなみにニール・ヤングは今回、「Angry World」で『Best Solo Rock Vocal Performance』部門と『Best Rock Song』部門にもノミネートされています。
さて、もうすぐグラミー賞ですね。例年通り「ルーツな日記」的注目作品をバンバン紹介したいところですが、のんびりしているうちに、もう時間が…、みたいな。多分2~3枚しか紹介出来無いでしょうけど、とりあえず張り切ってまいりましょう!
という訳で、今回は『Best Rock Album』部門です。気になるノミネート作品は以下の通り。
Jeff Beck / Emotion & Commotion
Muse / The Resistanc
Pearl Jam / Backspacer
Tom Petty And The Heartbreakers / Mojo
Neil Young / Le Noise
見事に新旧並んだ感じですね。個人的にはジェフ・ベック、トム・ペティ、ニール・ヤングというベテラン勢に頑張ってもらいたいところ。で、今回の注目はニール・ヤングな訳です。最新作「LE NOISE」は弾き語りをメインにした作品。しかもほとんどの曲がエレキによるもの。1曲目「Walk With Me」の出だし、バーン!!というギターの轟音に痺れます。これはやっぱり空間が振動するような爆音で聴きたい。
プロデューサーはダニエル・ラノワ。U2で有名な方ですが、私にとっては何と言ってもネヴィル・ブラザーズの「YELLOW MOON」。そしてボブ・ディランの「OH MERCY」とか、ロビー・ロバートソンの「ROBBIE ROBERTSON」とか、エミルー・ハリスの「WRECKING BALL」など。どれも奥行きのある情緒豊かなサウンドが特徴で、“ラノワの音”を感じさせる作品ですね。しかしこの「LE NOISE」はそれらの作品とはちょっと趣が違います。ラノワ的な幻想感を帯びたルーツ解釈は影を潜め、ロック的な爽快感すら感じさせる。爆音ギターの音色がスカッとしているというか、抜けが良いんですよね。しかしその奥で歪み以外の音響系エフェクトが空間に溶け込んでいる辺りはやはりラノワ的。しかも聴き進めていく内に、その歪んだ爆音がディープに響いてくる。ドラムのビートがないことがかえって濃密な音空間を作りあげている感じ。これは聴けば聴く程、効いてくる作品。
いかにもニールらしいメロディを持つ「Sign Of Love」とか、「Angry World」や「Hitchhiker」辺りのロック的な曲が良いですよね~。爆音ギターにねっとりと絡むニールの歌声は相変わらず繊細なのか豪快なのかよくわからない感じで、それがまた独特な世界観を生んでるんですよね。その一方で「Love & War」や「Peaceful Valley Boulevard」という2曲のアコースティック曲も印象的。まるで深く沈むようなこの2曲が、轟音と轟音の隙間に横たわる深い“しじま”を感じさせてくれるようで秀逸です。
ロックの象徴でもある爆音。そしてその爆音が生み出す光と影。ある意味、究極のロック・アルバムでありながら、ロックの範疇を完全に飛び越えたアートのようにも聴こえる作品。たかが爆音なれど、それをこれだけディープに聴かせるダニエル・ラノワの手腕もさることながら、改めてニール・ヤングというアーティストの規格外な凄みを感じさせられました。
ちなみにニール・ヤングは今回、「Angry World」で『Best Solo Rock Vocal Performance』部門と『Best Rock Song』部門にもノミネートされています。