ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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グラミー賞ベストパフォーマンス

2011-02-15 23:15:02 | フェス、イベント
BOB DYLAN / NASHVILLE SKYLINE

昨日、日本でもWOWOWで放送されたグラミー賞授賞式。今年も素晴らしいパフォーマンスの連続でしたね。ま、個人的にはビヨンセもアリシア・キーズも出てないと言うことで、ちょっぴりテンション低めなんですが、それでも流石グラミー賞ですよね。たっぷり楽しませて頂きました。その中でも特に印象に残ったものをいくつか。


まずは何と言ってもボブ・ディランですよ! 何てったって若手のマムフォード&サンズとアヴェット・ブラザーズとの共演でしたからね。両組ともバンジョー奏者がいたりして、新時代のカントリー・ロック的な雰囲気で、かなり気になる存在なんですよね~。で、パフォーマンスはまずマムフォード&サンズの「The Cave」。シンガーがアコギを弾きながらバスドラをドスドス踏んでる。その横にバンジョーとウッド・ベース、キーボードという布陣。さらに奥にはホーン隊も居る。このバンド、今回のグラミー賞で新人賞にノミネートされていたんですが、実はイギリスのバンドで、本国では07年にデビューしてかなりの人気を博しているようです。さすがにイギリスのバンドだけあり、独特の湿り気と、アイリッシュ・パンクっぽいスピリッツを感じましたね。そしてステージはアヴェット・ブラザースに引き継がれる。曲は「Head full Of Doubt」。編成は、シンガー兼キーボード、アコギ、ベース、ドラムス、チェロ。こちらはアメリカのバンドなので、よりザ・バンド的な情緒を感じさせる演奏でした。チェロが良い味出してましたね~。そしてボブ・ディランが登場。先の2バンドとディランのバック・メンバーも交えて「Maggie's Farm」。マムフォードの鍵盤奏者がアコーディオンに持ち替えてたり、アヴェットのシンガーがバンジョーを弾いてたりと、微妙な楽器チェンジもありなカントリー・セッション。ディランの存在感抜群なダミ声が強烈でしたね。最後にはハープも吹いてました。

そしてミック・ジャガー!! ソロモン・バークのトリビュート・コーナーで登場。普通トリビュートと言うと何人かのシンガーが交代で歌う印象がありますが、そこは流石ミック、ラファエル・サディーク率いるバンドをバックにたった一人のオン・ステージ!! 曲は「Everybody Needs Somebody To Love」。60年代に若きローリング.ストーンズがカヴァーしたソロモン・バークの代表曲ですね。それにしても元気ですよ!60歳代後半の男の動きじゃないですね。ミックがグラミーでパフォーマンスするのはこれが初めてだそうですが、確かに、あの時だけグラミーではないような錯覚に陥りました。

ノラ・ジョーンズ&キース・アーバン&ジョン・メイヤーによる「Jolene」。これは功労賞を受賞したドリー・パートンを称えて披露された演奏。やっぱりノラ・ジョーンズは良いですね~。彼女を挟むようにアコースティック・ギターを弾いたキース・アーバンとジョン・メイヤーもさすがに上手かったですね。気合いの入った大きなパフォーマンスも良いですが、案外、こういったちょっとしたセッションがレアな感じで嬉しいですよね。

レディ・アンティベラム。正直、ポップ・カントリーを侮っていました。かなり良かったです。なんか女性シンガーの方、髪型やお化粧のせいか随分雰囲気変わりましたよね? で、ほんのさわり程度ですが「If You Don't Know Me By Now」を歌ったんですよ!ハロルド・ メルビン&ブルー・ノーツ ですよ!つまりテディ・ペンダーグラスをトリビュートした訳ですが、これが良かったですね~。しっとりとしたハーモニーで。もちろんその後に歌った「American Honey」~「Need You Now」も良かったですよ。男女シンガーが良い声してるんですよ!

ミランダ・ランバートの「The Hous That Built Me」。恥ずかしながらこのパフォーマンスで初めて聴きました。と思ったら、ノミネーション・コンサートにも出てたんですね。その時はアップ・テンポの明るい曲を歌っていましたが、今回はスロー・ナンバー。良いですね~。こういうしっとりとしたカントリーは、なんかジ~ンと来ますよね。

そして今回のグラミー賞で驚いたのは、いきなりアレサ・フランクリンのトリビュートから始まったこと。それだけ「アレサが癌により闘病中」というニュースが音楽会に与えた衝撃が大きいということですね。出演はクリスティーナ・アギレラ、ジェニファー・ハドソン、マルティナ・マクブライド、フローレンス・ウェルチ、ヨランダ・アダムス。それぞれが個性を生かした素晴らしい歌声で、アレサの往年のヒット曲を紡いでいく。クリスティーナ・アギレラやジェニファー・ハドソンの気合いの入った歌唱も良かったですが、やっぱりヨランダ・アダムスでしょう!なんか余裕綽々な表現力が堪りませんでしたね。格好良かったです。パフォーマンス後にアレサがコメント映像で登場してくれたことも嬉しかったですね。早く元気になって欲しいです。


あとエミネムも良かったです! ラップに興味のない私は、もちろんエミネムもまったく聴かないのですが、最近のエミネムのパフォーマンスってなんか緊張感あって格好良いですね。リアーナの「What's My Name」も良かったです。やっぱ彼女は存在感ありますね~。


*写真はボブ・ディランの69年作「NASHVILLE SKYLINE」。別に今回のパフォーマンスに関係がある訳ではないんですけど、ディランのカントリーと言えばやっぱこれかな?みたいな。ではパフォーマンスがこれに近かったのかと言えば、まったくそんなこともなかったりすんですけどね…。

グラミー賞の気になる結果 part2

2011-02-15 14:34:11 | フェス、イベント
PATTY GRIFFIN / DOWNTOWN CHURCH

前回の続き。グラミー賞受賞結果の気になるところをかいつまんで。今回はかなりマニアックです。


Best Traditional Gospel Album - Patty Griffin / Downtown Church
今回のグラミー賞で一番獲って欲しかったのがこの作品。コングラチュレーション!!!

Best Americana Album - Mavis Staples / You Are Not Alone
ここは「ルーツな日記」的に超激戦区。メイヴス・ステイプルズ、ロザンヌ・キャッシュ、ロス・ロボス、ウィリー・ネルソン、ロバート・プラント、誰が獲っても文句無しでした。

Best Bluegrass Album - Patty Loveless / Mountain Soul II
ここも激戦区。サム・ブッシュ、デル・マッコーリー・バンド、ピーター・ローワンといった強敵を押さえてパッティ・ラヴレス!

Best Traditional Blues Album - Pinetop Perkins & Willie 'Big Eyes' Smith / Joined At The Hip
いよいよブルースです。パイントップ・パーキンス、ジェイムス・コットン、チャーリー・マッセルホワイト、ジミー・ヴォーン、そして異色のシンディー・ローパーが並んだトラディショナル・ブルース部門。案外このシンディー・ローパーのブルース作が持っていくんではないか?と思ったのですが、ここは長老パイントップでしたね。納得です。

Best Contemporary Blues Album - Buddy Guy / Living Proof
バディ・ガイ、ソロモン・バーク、ドクター・ジョン、ベティ・ラヴェット、ケニー・ウェイン・シェパードと、何やらヴァラエティ豊かなコンテンポラリー・ブルース部門。私はソロモン・バークだと思ったんですけどね~。バディのこのアルバムは賛否両論あるようですけど、私は結構好きです。なんだかんだであの熱量は半端ないです。

Best Traditional Folk Album - Carolina Chocolate Drops / Genuine Negro Jig
ジョー・ヘンリーがプロデュースした黒人ストリング・バンド、キャロライナ・チョコレート・ドロップス!! マリア・マルダーやジョン・ハートフォードを押さえての受賞。

Best Contemporary Folk Album - Ray LaMontagne And The Pariah Dogs / God Willin' & The Creek Don't Rise
ここはジャクソン・ブラウン&デヴィッド・リンドレイだと思ったんですけどね。レイ・ラモンターニュですか~、渋いところついてきますね。

Best Zydeco Or Cajun Music Album - Chubby Carrier And The Bayou Swamp Band / Zydeco Junkie
ルイジアナのクレオール系よる伝統音楽ザディコ及びケイジャン。私のお気に入りセドリック・ワトソンもノミネートされてたんですが残念でした。で、チャビー・キャリアーのこの作品、聴きたいんですけど何所で買えるんですかね?

Best Reggae Album - Buju Banton / Before The Dawn
阿曽沼和彦さんがプロデュースしたことで話題になったスライ&ロビーは残念。

Best Traditional World Music Album - Ali Farka Touré & Toumani Diabaté / Ali And Toumani
マリ出身のギタリストAli Farka Touréと、コラ奏者Toumani Diabatéの作品。Ali Farka Touréは06年に亡くなられてるそうです。

Best Contemporary World Music Album - Béla Fleck / Throw Down Your Heart , Africa Sessions Part 2: Unreleased Tracks
バンジョー奏者ベラ・フレックによるアフリカ・セッション。の第2弾ですか? 実は気になっているもののPART1もまだ買ってないんですよね~。聴かねば!

Best Musical Album For Children - Pete Seeger With The Rivertown Kids And Friends / Tomorrow's Children
米フォーク界のカリスマ、ピート・シーガー。こういう作品も出してるんですね。

Best Compilation Soundtrack Album For Motion Picture, Television Or Other Visual Media - Crazy Heart
サウンドトラック部門。T=ボーン・バーネット絡みのカントリー系作品が受賞。でもここは「Tremé」というニューオーリンズの素晴らしいサントラがあったんですけどね~。

Best Score Soundtrack Album For Motion Picture, Television Or Other Visual Media - Randy Newman / Toy Story 3
こちらは同じサントラでも“スコア”の方。ディズニー作品を多く手がけるランディー・ニューマンが受賞。

Best Song Written For Motion Picture, Television Or Other Visual Media - Ryan Bingham & T Bone Burnet / The Weary Kind (From Crazy Heart)
サントラの楽曲賞ですが、ここが意外と激戦区。受賞作の他には、ランディー・ニューマン作でドクター・ジョンが歌った「Down In New Orleans (From The Princess And The Frog)」、レオナ・ルイスの「I See You (From Avatar)」、ルシンダ・ウィリアムス&エルヴィス・コステロの「Kiss Like Your Kiss (From True Blood」、スティーヴ・アールの「This City (From Tremé)」ですからね。特にルシンダ&コステロが良いんですけどね~。結局「Crazy Heart」に持っていかれましたが。


とまあ、駆け足ですがこんな感じです。次回は授賞式のパフォーマンスについて。




グラミー賞の気になる結果 part1

2011-02-15 01:41:57 | フェス、イベント
STANLEY CLARKE / THE STANLEY CLARKE BAND

みなさん、グラミー賞はご覧になりましたか? アレサ・フランクリンのトリビュートとか、ボブ・ディランとか、ミック・ジャガーとか、素晴らしいパフォーマンスの連続でしたが、今回は気になる受賞結果をいくつか。


Record Of The Year - Lady Antebellum / Need You Now
Album Of The Year - Arcade Fire / The Suburbs
Song Of The Year - Lady Antebellum / Need You Now
Best New Artist - Esperanza Spalding
一応、主要4部門はこんな感じ。『Record Of The Yea』はジェイ・Z&アリシア・キーズの「Empire State Of Mind」に来て欲しかったんですけどね~。ちなみにレディ・アンテベラムは今回最多の5部門で受賞だそうです。『Best New Artist』のエスペランサ・スポルティングは嬉しいですね!

Best Female Pop Vocal Performance - Lady Gaga / Bad Romance
ビヨンセの「Halo (Live)」やノラ・ジョーンズの「Chasing Pirates」を押しのけてのガガ。

Best Pop Collaboration With Vocals - Herbie Hancock, Pink, India.Arie, Seal, Konono No 1, Jeff Beck & Oumou Sangare / Imagine
対抗にはエルトン・ジョン&レオン・ラッセルの「If It Wasn't For Bad」やガガ&ビヨンセの「Telephone」なんかもありましたが、この「Imagine」には納得。良いんですよ!インディア・アリーが!

Best Pop Instrumental Performance - Jeff Beck / Nessun Dorma
ジェフ・ベックが弾く「誰も寝てはならぬ」。良いんじゃないですか~。

Best Pop Instrumental Album - Larry Carlton & Tak Matsumoto / Take Your Pick
ポップ部門での日本人受賞!!凄いですね!

Best Solo Rock Vocal Performance - Paul McCartney / Helter Skelter
エリック・クラプトン、ロバート・プラント、ニール・ヤングというレジェンド達が並んだこの部門、栄冠はポール・マッカートニー!!

Best Rock Performance By A Duo Or Group With Vocals - The Black Keys / Tighten Up
この部門ではアーケイド・ファイアもミューズも、このオハイオ出身のブルース・ロック2人組に叶いませんでした。

Best Rock Instrumental Performance - Jeff Beck / Hammerhead
ジェフ・ベック健在ですね。個人的にはロス・ロボス「Do The Murray」を押してたんですけどね~。

Best Rock Song - Neil Young / Angry World
歌唱やサウンドではなく、曲の良さが評価されたと言うことですよね?

Best Rock Album - Muse / The Resistance
ニール・ヤングやジェフ・ベック、トム・ペティもノミネートされたんですけどね~。

Best Female R&B Vocal Performance - Fantasia / Bittersweet
ファンテイジアには納得。

Best R&B Performance By A Duo Or Group With Vocals - Sade / Soldier Of Love
ロナルド・アイズレー&アレサ・フランクリンの「You've Got A Friend」だと思ってたのに~。

Best Traditional R&B Vocal Performance - John Legend & The Roots / Hang On In There
ベティ・ライトの「Go (Live)」がノミネートされてたんですけど、残念でした。

Best R&B Album - John Legend & The Roots / Wake Up!
順当と言うか、強いですね。

Best Female Country Vocal Performance - Miranda Lambert / The House That Built Me
恥ずかしながら、今回の授賞式でのパフォーマンスで初めて聴きました。良いですね~、ミランダ・ランバート!!

Best Country Instrumental Performance - Marty Stuart / Hummingbyrd
マーティ・スチュアート!! 若手のPunch Brothersも気になってたんですけど…。

Best Contemporary Jazz Album - The Stanley Clarke Band / The Stanley Clarke Band
上原ひろみが参加したスタンリー・クラーク・バンド! なんだかんだで一番嬉しい! でもトロンボーン・ショーティは残念…。


次回、ルーツの奥深い部門へつづく。