ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

2010年 リイシューベスト10

2011-01-23 14:06:43 | 2010年総括
第1位

TAMMI TERRELL / COME ON AND SEE ME : THE COMPLETE SOLO COLLECTION
マーヴィン・ゲイとのデュエット・パートナーとして知られるタミー・テレル。こらはそのデュエットではなく、彼女のソロ・レコーディングを纏めた2枚組、HIP-O SELECTから。これはファンにとっては堪らない代物ですよね! かくいう私も今年最も興奮させられたアルバム。61年のデビュー・シングル「If You See Bill」から、ジェイムス・ブラウン一座に入っての「I Cried」、モータウンからの幻のソロ・アルバム「IRRESISTIBLE」など、レア音源、未発表曲含めてほぼ年代順に全部入ってる。そして何と言っても4曲のライヴ音源! まさかタミー・テレルのライヴが聴けるとは思いませんでした。しかもこれがスタジオ録音以上に瑞々しい歌声で、もう心底参ってます。「IRRESISTIBLE」からの「I Can't Believe You Love Me」と「Come On And See Me」が最高なのは言わずもがなですが、「Almost Like Being In Love」なんていうジャズをスウィンギーに歌うタミーも良い!メドレーではスプリームスの「Baby Love」も歌ってる。もう、とにかくタミーの歌声にメロメロです。


第2位

NEVILLE BROTHERS / AUTHORIZED BOOTLEG : WARFIELD THEATRE SAN FRANCISCO, CA FEBRUARY 27, 1989
名盤「YELLOW MOON」発表直前と言う、最強時代へ突入した瞬間のネヴィル・ブラザーズによるまさに最強ライヴ。しかも選曲から曲順までこれ以上にないと言える程に鉄板のセット。それをおそらくフルセットで収録した2枚組、こちらもHIP-O SELECTから。この時期のネヴィルズのライヴを全編通しで堪能出来る喜び。とにかくグツグツと煮込んだようなガンボなリズムが圧巻。そして元気なシリルも凄いけど、天にも突き抜けんばかりに力強くも美しいアーロンのファルセットに感動。

第3位

DELANEY & BONNIE / ON TOUR WITH ERIC CLAPTON
クラプトンが参加したデラニー&ボニー&フレンズの歴史的英国ツアーを記録した名ライヴ盤を大幅に拡大し、なんと4夜分収録した4枚組ボックス。こちらはRHINO HANDMADEから。正規盤では分からなかったライヴの全体像が楽しめるのが嬉しい。しかも4夜の聴き比べも出来る。ただセット・リストは概ね変わらないので、かなりのマニア向けかもしれません。ですがこの内容と分量ですから、聴き進めるうちにどんどんスワンプの深みに浸かれます。

第4位

JUNIOR WELLS & THE ACES / LIVE IN BOSTON 1966
これぞシカゴ・ブルース! ジュニア・ウェルズがあのエイシズをバックに従えた66年のライヴ! よくぞ発掘してくれました。こんなの悪い訳がありませんよね。ジュニア・ウェルズにとっては傑作「HOODOO MAN BLUES」をリリースした翌年ですから、ノリにノっている時期ですよね。しかもエイシズは元々50年代の初めにウェルズとやっていたバンド。と言うよりウェルズのバンドだったと言っても良いんですかね? これはある意味、夢のリユニオンです。

第5位

SPENCER WIGGINS / FEED THE FLAME: THE FAME AND XL RECORDINGS
これはサザン・ソウルの桃源郷です。スペンサー・ウィギンスのFAME/XL録音集。この歌声!滲みますね。マスル・ショールズ録音のバックも素晴らしい! 「Love Attack」、「Let's Talk It Over」、「I'd Rather Go Blind」、「Love Machine」、どれも最高。そしてドドーンっと未発表曲も!

第6位

BOB DYLAN / THE BOOTLEG SERIES vol.9 : THE WITMARK DEMOS 1962-1964
このWITMARK録音は、過去にコンピで何曲かは世に出ていますが、これだけの数を一気にリリースしてしまうボブ・ディランはやっぱ凄い! しかもまったく正規リリースすることを考えずに録音したものですからね。ディランの演奏もさることながら、当時の音楽業界の仕組みみたいな物も垣間みれて面白い。

第7位

VA / CLASSIC SOUNDS OF NEW ORLEANS FROM SMITHSONIAN FOLKWAYS
フォークウェイズが編んだニューオーリンズ・コンピ。これはやられましたね。やっぱりニューオーリンズでもフォークウェイズが編纂すると一味違う。いわゆるヒット・チャートを中心にしたメインストリームのクラシックを集めたものではなく、街の深部へ一歩踏み込んだような録音の数々。ニューオーリンズの街の臭いが感じられます。

第8位

R.L.BURNSIDE / ROLLIN' & TUMBLIN'
ミシシッピ・ヒルカントリー・ブルースの王者R.L.バーンサイド。75年、89年、91年の録音を集めたもの。つまりファット・ポッサムでのブレイク以前のバーンサイドが堪能出来ます。これだけプリミティヴなミシシッピ・ブルースは、もうこの人が最後かもしれません。

第9位

ALICE CLARK / THE COMPLETE STUDIO RECORDINGS 1968-1972
68年のデビュー以降、数枚のシングルと1枚のアルバムだけで姿を消してしまった女性ソウル・シンガー、アリス・クラーク。そのシングルとアルバム収録曲、さらに未発表曲を1曲加えたコンプリート集。コンプリートと言ってもたったの16曲。しかもほとんどが既発曲という点でレア度は薄いですが、その内容は素晴らしい!

第10位

BOB DYLAN / IN CONCERT - BRANDEIS UNIVERSITY 1963
日本では「ウィットマーク・デモ」と「モノ・ボックス」を両方買うことで貰えたこのCD。1963年にマサチューセッツのブランダイズ大学で行なわれたフォーク・フェスに出演した際のライヴ音源。内容もレア度も申し分無いのですが、もう少し簡単に手に入るようにして欲しかった…。



以上、2010年「ルーツな日記」的リイシュー及び発掘物ベスト10です。もちろん、何かのデータを集計した訳でもない、ただ私個人の趣味と気分で並べたベスト10ですのであしからず。

さて、昨年は例年にない程リイシュー盤にやられた年でした。特にタミー・テレルとネヴィル・ブラザーズには参りました。この2枚はこの先も我が家の家宝です。そして、残念ながら圏外とさせて頂いた物では、ストーンズの「ならず者」なんかも超興奮させられたんですけど、個人的な気持ちとしては、アウトテイクは出来るだけ手を加えずにリリースして欲しいな、というのも正直なところではあるんですよね~。ジョン&ヨーコの「ダブル・ファンタジー」も良かったですけどね。それとソウル系で評判のシル・ジョンソンは、まだ買ってないんです…。

さて、次回からはいよいよ2010年ベスト・アルバムです。お楽しみに!