アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

猿之助七月大歌舞伎 南総里見八犬伝

2006年08月31日 | 歌舞伎


2002年7月 歌舞伎座 

抜粋編を観たのが1999年の夏。
犬村角太郎が怪猫と大暴れして幕が降り…
えぇうぅえぇっっ!この後ど~なんのぉぉぉ?
♪私待つわ~いつまで待つわ~♪
待っててよかった~!『南総里見八犬伝

真夏の炎天下…。暑い暑いと歌舞伎座へ。
満員御礼!補助席出てます!


犬の子をはらんでしまった伏姫笑三郎)は
犬も殺して、自らも死のうとしていた。

着ぐるみの犬が八房に見えない!
日本犬じゃぁないのか~?どうみても名犬ラッシーだ~

里見家の家臣(歌六)の撃った銃弾が、
八房のみならず伏姫の身体をも貫通してしまった。

死んでしまった伏姫の身体から、なんと!
輝く8つの玉ッッッ!!そこに浮かぶ文字はッッ!!
仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌
まるで魂有るが如く八方へ飛び去った~!

それから16年の歳月が流れ
何かに導かれるように犬士達は、ひとり、またひとりと集まってくる。

犬塚信乃笑也)、最初は女姿で登場。
悪者に正体を見破られ「仕方ねぇなぁ」と男に戻った。

この場の悪役は段治郎
犬田小文吾猿弥)は、この悪役に騙されて
犬士達を敵と恨んでいるのであった。

”滝壷に怪しい行者が出没”という噂。
見回りにやって来た関八州を視察する役人(門之助
花道七三に立つ凛々しいお姿

行者は犬士の1人犬山道節
市川猿之助~!!
キング澤瀉の登場まで、開演から1時間ッッ!!

そこへ、スッポンから登場する美しい女
「兄さん。兄さん」と寄って行く、その人こそ!
待ってました!!亀治郎ーッッ
なんか磨きがかかったかも…。
ステキよ…。亀ちゃん~。
舞台面でふたり並んで…嬉しやな~~

女が消えると、あら不思議。
滝壷の上に里見家の守護神が現れた。
この姿も早変わりの亀治郎ッッ!
なんかステキよ…。亀ちゃん~。
道節に「」の字のある玉を与え
さらに火の術、水の術を授けるのであった。

水の術では、
細長い大量の布がドバ~ッ!と天井からぶら下がり、
火の術では、
地面からシュパ~ッ!と何本も花火が!
OH!ザッツ!テンタテイメント!澤瀉屋ーー

里見家再興の嘆願に、門ちゃんの所へ行った笑也。
重宝の名刀村雨丸が偽物だと判って笑也ビックリ。
門ちゃん家に仕える犬飼現八と大屋根の上でッッッ。
やっと出た~右近ッ!!

大屋根の大立ち廻りがんどう返しのPower!
さすが澤瀉屋一門なり~!

そこへ歌六が仲裁に入るうちに、
信乃(笑也)の懐から飛び出したのは「」の玉。
現八(右近)からは「」の玉。

とある山中。真っ暗闇だ~。
通行人から金目のものを奪おう!
辻堂に潜みし、前髪立ちの良い男こそ犬坂毛野
春猿ッッ!
女役じゃぁないのね。うんうん。ステキよ~。
追いはぎの上前をはねながら、お家再興の軍資金を
調達しているのでありました。

この山の中へ、次々と導かれる犬士達。
毛野(春猿)。道節(猿之助)と信乃(笑也)。現八(右近)
犬川荘介猿四郎)。犬江親兵衛弘太郎
総勢6人のだんまり!!!

30分休憩。
ここまでで2時間40分。
SPEED・STORY・SPECTACLE<3S>
この澤瀉屋のモットーを裏切らないっ!!
グングン盛り上がってる~!!!

道節が営む旅篭に、偶然やってきた小文吾(猿弥)。
奥には現八・毛野・親兵衛が長逗留。

夕暮れ時に、中納言の一行が迷い込んで来た。
ここは”御愛敬コーナー・その1”
中納言の装束を剥ぎ取って一計を案じる道節(猿之助)

小文吾の恨みは勘違いと判って仲直り。
これで目出度く犬士が7人!…
えッ!1人足りない!
こりゃまっちゃ失礼致しました~。
亀ちゃんがまだ立役で出てない!
化け猫もまだだわ!
ここからがイヨイヨーー!!

犬村角太郎(亀ちゃん!)宅
養父(歌六)と妻(笑三郎)と3人暮らし。

妻が5ヶ月の身重であることを告げると、
角太郎「でかした!」と、妻を抱き寄せる。
でも「もうこの世では会われぬぞよ」…。

色っぽいわ~。このツーショット。
じっくり観せてくれるヨ~

養父の急病で、角太郎は医者を呼びに走る。
やがて夜…家には養父と妻だけ…。

「行灯に灯を」と頼む歌六。
「魚油に替えたのですね」と少し納得いかない笑三郎。
「奥の部屋を片づけてきておくれ」
「お安いご用でございます」

独りになった歌六は行灯に近づき~首を突っ込む!
なんと!そこに写った影は!ッッッ!

ニャ~という不気味な声を、
聞いてか聞かぬか笑三郎が、戻ってきて見たものは!!
「さては見たな~」
「あ~れ~」

化け猫の正体を現して、
猫らしくピョンピョン跳ねる歌六!
”頑張ってるな!もう若くないのに”という場内の拍手

「お腹の子は子(ね)の年に生まれるのだな~」
この意味を理解した客のみ、アハハ~。

怪猫!笑三郎に襲い掛かる~!
もんどりうった笑三郎~。
腹に刀を突き立てる化け猫ッッ!
その腹から光輝く玉がッ!

ようやく戻ってきた亀治郎。
この悲惨極まりない現場にビックリ仰天っ。
「これを形見に…」
死に行く笑三郎から玉を手渡された亀治郎。
突如、大きな猫の手が伸びて、
愛する妻の遺体を何処かへ…。

その時、現八(右近)が訪ね来て、
玉の示す意味を亀ちゃんへ話すのでした。

化け猫と2犬士の戦いが始まった~!!
化け猫ったら、歯が前面金歯になってたりして!
両手もでっかいゾ!
見得切るッッッ

なななんと!
化け猫は両脇に右近と亀治郎を抱えて
宙に浮いた
ヤンヤヤンヤの大喝采ッッッ!!
大興奮だぜよぉぉぉぉ。
下手に崩れ落ちる右近と亀治郎~。

真っ暗になると、そこは屋根の上。
屋台崩して
巨大な巨大な巨大な猫ッッッ!!
その脇に歌六の化け猫が!
見得切るッッッ
大大興奮だぜよぉぉぉぉ。

クライマックスは3人で暴れる!
屋根の上で大立ち廻りっっっ
ヤンヤヤンヤの大喝采ッッッ!!
大大大興奮だぜよぉぉぉぉ。

大喝采の中、20分休憩
嗚呼、化け猫の写真!写真!!
うふふっふふふ
やっと手に入れたわぁぁ。嬉しやなぁぁ

里見家を滅ぼした悪人(段治郎)の家に
中納言が、金の無心にやってきた。
もっともらしい格好をしてるけど、言うことが変~。

ここは”ご愛敬コーナー・その2”
しかも座頭、キング澤瀉のお笑いコーナー

「球蹴りのワールドカップも終わった」
「木挽町の芝居小屋では市川猿之助公演が今年で32年目」
「連日の大入り」
「古い言葉ではありますが、お客さまは神様です」
場内は大大大爆笑~~の渦!渦!渦!
芝居に戻っても
「催促なしの利息なしで金を貸してくれ」
お笑いの渦は広がる広がる~。

首尾は上々、と思ったのもつかの間、
本物の中納言が登場して、悪巧みが露見~。
しか~し、
猿之助はちっとも慌てず、自らは忍びの術で身を隠し
水の術を使って城内を水浸しにしたのだーー。

ここで”ご愛敬コーナー・その3”
大きな浪布を立てて!揺らして!大洪水を演出
さすが猿之助歌舞伎ッ!面白いぞ!

中納言と手下どもが、その中をアップアップ
魚を手に持ち♪魚魚魚~♪と歌いだす。
波にのまれては「タイタニックだ!」「ディカプリオだ!」
と、少々古いギャグをかましている。
お客も温かい笑いを返している。良い感じだ。
最後に中納言と手下どもがブクブクブク~
沈んでお・わ・り。

何故か、座敷牢に囚われてる毛野(春猿)…
「村雨丸も取られちゃったぁ」とションボリ~。
その大マヌケな春猿ちゃんと
里見家唯一の後継者義若丸の母御台(笑三郎)を
葛に入れて脱出を図る!
勿論、葛を背負うのは!キング澤瀉ッッ!
宙乗り相勤め申し候
そぉして極め付け
「葛背負ったがおかしいかぁ~!!!」

それ!悪人退治だ!
出たッッ!人海戦術
ヅカのダンスシーンも真っ青~!!!

上手から笑也が出て、
捕り手達とチャンチャンバラバラ!
去ったかと思えば、
花道をドドドドッッッと駆けてくる右近。
その後ろからは捕り手達!
舞台突っ走って退場したかと思えば、
下手から猿弥と捕り手達が登場!!
ひと動きして去る!
と!また上手から春猿ッ!
下手から亀ちゃんッ!
次々と登場しては暴れる八犬士ッッッ!
舞台中央で花四天達の大きな見せ場ッッッ!
花道でバク転っっ!!右近六法の引っ込みっっ!
お客息つく暇ナシッッ!!拍手止める暇ナシッッ!

里見家再興も叶って、めでたし。めでたし。
八犬士達が前後に、いれこに立って見得を切るッ
全員が集まって、ハイポーズ。
場内は、興奮と笑顔と大きな拍手に包まれた~。


「やられたぁぁ~!!」
帰り道、お月様に向かって叫んだじぇ!
歌舞伎でこんなにスカッとしたのは久しぶりじゃ!
待っててよかった~!

おわり

フ~~~~
4年前が鮮やかに蘇った~
猿之助が演じた”八犬伝物”の脚本は数種類とか!
じゃぁこれはどんなんかな~?
『スーパー歌舞伎・八犬伝』(1994年新橋演舞場)
9月歌舞伎chでアンコールOA。
録画を観始めると…♪ど~にも止まらない~♪


こちらもどうぞ → 納涼歌舞伎「南総里見八犬伝」(2006年8月)

ランキング参加中、あなたの清き一票を(笑)
にほんブログ村 演劇ブログへ



11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こっちも「フ~~~~」 (喜の字)
2006-08-31 16:04:04
かしまし娘様の熱い熱い思いがよーく伝わってきましたよ!



それにしても4年前のこと、よくこれだけ覚えていて、たった今見てきたようにそれこそ「スペクタクル」!に書けたものだと、もう心底感心しました!一回しか見てないのにこんなに克明に思い出せるっていうのがインパクトのあるお芝居だった証拠ですね。



私は4年前のは見ていないので、歌舞伎で見るのは今回が初めてでした。「ストーリーは、正味2時間40分くらいにまとめるんだから誰か一人(か二人)にしぼらなきゃ無理よね、だとしたらやっぱり信乃よね」と思っていましたが、スピードがあればもっと他の人の話もからめることが出来たのでしょうね。今月は純歌舞伎のテンポでやっていて、私はそれがまた楽しかったのですが。



猿之助さんのも是非見てみたいですね。早くお元気になられますように。
返信する
びっくりしました (鼓草(たんぽぽ)))
2006-08-31 21:32:28
こんにちわ(^-^)

タイトルをみて一瞬、猿サマがついにご復帰なさるのか!?とビックリしました~~~( ̄□ ̄;)

スーパーの八犬伝もよいですが、わたしは古典のほうがツボです。オモダカ一門@博多座をみましたけど、彼らの向こうに偉大な猿サマが見え隠れするようでした。。(;_:)



七月の奮闘公演の復活を期待したいです~(ToT)
返信する
わぁ~♪ (びんちょ♪)
2006-08-31 21:43:04
ありがとうございました!



やっぱり女装は笑也さんの信乃でしたよねぇ!ぶっ返りを観たもん!

でも、やっぱり、その他は、でっかい化け猫しか思い出せませぇ~ん(汗)



4年前の頭の細胞は既に退化…。
返信する
楽しいですね (あやめ)
2006-08-31 22:34:25
こんばんは。

一番古いスーパー歌舞伎の記憶が、八犬伝でした。ちょっと、特別なお芝居です。ちょうど昨日、家をひっくり返して録画ビデオを発見して、小躍りしていました。



最近、10年近く前に放映された猿之助さん一座のドキュメンタリーを見ました。で、この記事を楽しく読ませていただいて・・・あれ~! とびっくり!!!

油を舐める影に驚いて腰を抜かす稽古シーンとか、笑三郎さんが畳ごとどこかに連れ去られる舞台とか、あれは『八犬伝』の一場面だったんですね。
返信する
質問! (喜の字)
2006-08-31 23:05:01
1994年の「スーパー歌舞伎」の「八犬伝」と、4年前の歌舞伎座の「八犬伝」とはすごく違うのですか?
返信する
澤瀉版! (花梨)
2006-08-31 23:55:04
こんばんは。八犬伝の話なので、しゃしゃり出てきました。

澤瀉版!松竹座→歌舞伎座→中日劇場→博多座、全部制覇しました!少しづつアレンジしてあっておもしろかったですよ。

笑也さんの信乃が女姿で登場したのが、いかにも歌舞伎で、私もかなりツボでした。



> あやめさん

化け猫になるおばあさんが猿之助さんでしたら、見られたドキュメンタリーは、「獨道中五十三次」の方だと思います。(歌六さんでしたら八犬伝です。)

八犬伝と同じような化け猫シーンがある芝居です。

返信する
澤瀉屋で盛り上がる!! (かしまし娘)
2006-09-01 13:27:56
久しぶりに思い出した歌舞伎に、こんなにコメントを寄せてもれえるとは思いませんでした。う…嬉しいぃぃぃぃ。有難うございます!!



喜の字様、まいど!

長~くて申し訳ありません…。

これは、4年前に一緒に観れなかった友人に送ったものの抜粋編です。私も4年ぶりに読み返しました!(笑)

あの日は、ルンルン♪スキップしながら帰りました。

私は、特に澤瀉屋贔屓ってわけではありませんし、”七月猿之助歌舞伎”で上演された作品の中でも、「ムムム」ってのがあるんですが、これは!!!

「スーパー歌舞伎」として飛躍させなくても、「普通の歌舞伎」として、これだけの演出できるなんてスッゴイぞ!って気持ちがポッポッポッポ湯気をたてて大変でした!!

キング澤瀉屋は、いつもいつも「イッパイイッパイ」な所までエネルギーを放出します。それが客席にドッカーンッッ!!って来るんですヨ。あの劇場の熱い空気は忘れられません。



鼓草(たんぽぽ)様、まいど!

驚かせてしまってごめんなさい~。 

ホントですね!!つい懐かしくて振り返ってしまったのですが、七月の奮闘公演の復活を期待しますっっ!!



ぴんちょ様、まいど!

>ぶっ返りを観たもん!

あ!そうでしたか…私の脳みそからはこぼれ落ちてます…それ(苦笑)



あやめ様、まいど!

>一番古いスーパー歌舞伎の記憶が、八犬伝でした。

OH~!そうですか!私は初演の「ヤマトタケル」が初体験でした。それも座席を埋めに行ったのです。「とにかく座っておいて」って。だから、ボ~と観た記憶しかないんですヨ。

「これは”スーパーな歌舞伎”だから、最後まで観れたんだ。”純歌舞伎”は私の肌には合わないだろう」と思って何十年、ようやく歌舞伎座に辿り着いたのでした。



喜の字様、再びまいど!

どー違うって、オープニングから違います。ハハハ。物語も全然違う!!ビデオを再生して数分しか観ていないので詳しく語れませんが…(すみません…)

音楽も現代風だし、その他大勢の人数も違うし。とにかく「スーパー」に違いますよ。どうぞ9月の歌舞伎チャンネルで体験して下さい!澤瀉屋公演はほとんどOAされないのでお宝映像です。



花梨様、まいど!

WOOO~!制覇なさったのですね!!

「アレンジ」がいいんですよね。澤瀉屋に終わりは無いのだ!

”化け猫”ってそんなに種類があったんですね!スゴイ!(笑)
返信する
さすが八犬伝 (あやめ)
2006-09-01 18:59:28
こんにちは。盛り上がってますね。



>花梨さま

あ、それです。東海道五十三次になぞらえた巡業。よくご存知ですね、すご~い。油を舐めている猿之助さんの影を見てびっくりする場面のお稽古でした。笑三郎さんの”首”がゴロン、と転がって不気味でした。

すごくお若い方とか、あんまり変わってらっしゃらない方とか・・・。



>かしまし娘さま

スーパーでない舞台も猿之助さんの手に掛かれば、という感じですね! 純歌舞伎(?)版も、ぜひ観てみたいです。もちろん、八月のも好きでした。

『ヤマトタケル』初演は福助さんが出ていらっしゃる時ですね。これもドキュメンタリで見て、素顔であれだけ演じられる福助さんにただ感動していました。



長文お許しください。
返信する
2つのTB&コメントありがとうございました。 (dream)
2006-09-02 21:31:06
早速、お邪魔しました。

4年も前の事、よく覚えていらっしゃいますね。

本当に「かしまし娘」様には感心します。

猿之助さんの「スーパー歌舞伎が・・・・・素晴らしかった事が伝わってきます。



七月と言えば「澤瀉屋」さんでしたものね。

スピード感があって、楽しませて下さった事を思い出します。

母は暑くても「スーパー歌舞伎」には必ず観劇していましたから・・・。
返信する
ありがとうございます (dream)
2006-09-04 10:56:33
いつもコメントありがとうございます。

スーパー歌舞伎の演目の中に八犬伝があるので単純にそう思い込んでいました。



スーパー歌舞伎演目

☆ヤマトタケル

☆リュウオー

☆オグリ

☆八犬伝

☆カグヤ

☆オオクニヌシ

☆新・三国志(I・II・III)



4年前のは「スーパー歌舞伎」では無かったのですね。「猿之助七月大歌舞伎」は”純歌舞伎”だったのですね。改めて・・・澤瀉屋さんは素晴らしいですね。

かしまし娘様、正しい情報をありがとうございました。

返信する

コメントを投稿