アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

七世中村芝翫十年祭 お江戸みやげ

2021年09月30日 | 歌舞伎



2021年9月17日(金)曇り
歌舞伎座 11時開演 3階A席

第一部
11:00-12:05
六世中村歌右衛門 二十年祭
七世中村芝翫  十年祭
お江戸みやげ
作 川口松太郎
演出 大場正昭 
出演
お辻 芝 翫
おゆう 勘九郎
阪東栄紫 七之助
角兵衛獅子兄 中村福之助
角兵衛獅子弟 歌之助
小女みの 玉太郎 
女中お長 梅花 
お紺 莟玉
鳶頭六三郎 松江
常磐津文字福 福助
常磐津文字辰 東蔵

幕が開くと…
茶屋の店先で
福助が座っているぅう!!
客席からは
拍手!拍手!また拍手!
“常磐津師匠・文字福”
という役を作ったんだって。
角兵衛獅子の兄弟や、
お店の人に声を掛けられてるぅ。
「父(とと)さんと叔父さんのお参りに」
ゆっくりと台詞を言う福ちゃん。
そうなんだよねぇえ。

六世中村歌右衛門没後20年
七世中村芝翫没後10年
追善公演なんだよぉおお。
1階ロビーの両側には
2人の祭壇があるのだよぉお。

福助はその後も、
台詞をゆっくりゆっくり喋り…。
ん…後ろに何やら黒い物が…。
3階席なもんで、
微妙にはみ出して見えるのよぉ。
もしやっ!黒衣だっ!
ちっこく丸まって、
福助を後ろから支えているのだぁ。
文字福が帰ろうと席を立つと、
ス~~っと消えてったぁあ。
アッパレじゃ!黒衣!



そうしてそうして、
福助が歩いたぁあああ!!
客席からは
ヤンヤヤンヤの大喝采!!
倒れてから約8年…。
やっとここまできたのねぇ。
スススと歩けたわけではないけれど、
しっかりとした足取りぃぃいい!

その昔の2001年に、
この演目を観た時は、
福ちゃんはお紺役♪
とってもキュートだったぁあ♪
懐かしいなぁああ。
舞台写真もゲットしたなぁああ。
本当なら今回は、
主役のお辻を演じる弟の芝翫の
相方役のおゆうを演じるところ
なんだろうけど…。
エエイ!そんな思いは、
どっかへポイッとしちゃうのだぁ。

福ちゃんが復帰したのが、
2018年の9月
お父ちゃんの芝翫が旅立ったのが、
2011年の9月
福ちゃんが歩いたのが、
今年の9月
なんと!9月に縁のあることよぉおお。
これからも1歩づつ
前に進む姿を見守って行くヨ。
成駒屋ぁあああ!!!



時は天保初年の春
所は湯島天神の茶屋 

茨城の結城から、
名産”結城紬”の反物を売りに
江戸へやって来た行商人の
オバサンが2人。
お辻(芝翫)とおゆう(勘九郎)
茶屋で一休み。

当代芝翫が女方になると声が!
ほんとぉにお父ちゃんそっくり!!
嗚呼、懐かしい声ぇえ。

私が魅了された『お江戸みやげ』は、
2001(H13)年4月歌舞伎座
芝翫と富十郎コンビ!
ちょっと訛りがあって、
大らかで、
2人の掛け合いが
絶妙だったのよぉおお。
忘れられないわぁああ。
舞台写真も持ってるわぁああ。

「お酒を飲むと心が乱れる」
だから止めている。そう言いながら、
酒好きなおゆう(勘九郎)の誘いに
つい、1杯、2杯…
杯を重ねてしまったお辻(芝翫)。
酔っ払っちゃったぁあ。



挙句に、宮地芝居の人気役者
阪東栄紫(七之助)に
ポ~ッとなってさぁ。
栄紫が恋人・お紺(莟玉)と駆け落ちする。
その手助けをしちゃってさぁ。
商売で儲けたお金!1年分の生活費!
全部あげちゃったぁあああ!!



御礼に貰ったのが長襦袢の片袖。
「これがお江戸みやげだよ」
そう呟くお辻…。
切ない恋なのだ…ぁ。

つづく



2021年9月2日(木)~27日(月)
歌舞伎座
第一部
お江戸みやげ (2021.9.30記)
須磨の写絵 (2021.10.4記)
第三部
東海道四谷怪談 1回目 (2021.9.14記)
東海道四谷怪談 2回目 (2021.10.11記)

ストーリーはこちらで
  ↓
お江戸みやげ (2005.9.28記)

七代目中村芝翫 逝く… (2011.10.13記)
福ちゃん…心配だ… (2013.12.10記)
成駒屋ぁああ!! (2018.9.6記)


2 コメント

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Unknown (リーザ)
2021-10-18 19:55:37
先日、テレビ朝日で深夜のドキュメント番組
『テレメンタリー2021』で
中村福助さんのことを
放送されていました。

病によって
当たり前のことが突然出来なくなる
不安、焦り、それでも諦めない
福助さんの姿には
こみ上げるものがありました。
YouTubeでもテレメンタリーで
検索して観ることが可能です。
返信する
リーザ様 (かしまし娘)
2021-10-20 11:02:44
YouTubeの予告編で涙し…。
テレビの本編でも涙してしまいました。
失語症というのが、あんなに大変なものだとは…。

リハビリの大変さにも驚きましたが、
倒れた後、直ぐにドキュメンタリーのカメラが
回っていた事にも驚きました。

長い年月をかけて1歩づつ前に進む姿を
見守って行きます。
歌舞伎役者に定年はありませんものね。
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