2006年1月 時代劇専門チャンネル
『女殺油地獄』
1984年 TV長編 85分
映像だけに”野崎詣”きっちりやってます。
船で行く人、川端を歩く人。
小菊を探しに行く与兵衛(松田優作)の前にバッタリお吉(小川知子)ー。
参道を行き来する娘達の品定めをピーチクパーチクするお吉ー。
それにしても、色気たっぷりの年上女お吉ー。
あ~与兵衛への意見が始まった。
ものすっごーくうっとおしそーな顔してる与兵衛。
「あ~まで所帯染みたらかなわんわ。
見掛けはよーても旨味の無い飴細工の鳥」
田舎のお大臣(坂上二郎)に付き合う小菊一行の道行きも賑やか。
な~る。こんな感じやったんか~。
そのお大臣と与兵衛の喧嘩。
ドロッドロッドロドローッ。泥だらけ~!
げ~ッ。通りすがりのお武家様にビチャッッ。
顔に!顔に!付いてもぉた~。そりゃふつーの人でもカチンと来るわ。
う~む。芝居じゃ実感湧かない”泥まみれ”ッッ。
汚な~!くさ~!バッチ~イ!
お吉と再会。
「地獄で地蔵とはこのこと」
キョエ~。お吉の旦那・七左衛門は山崎努じゃ!
泥を払ってもらいこざっぱりした与兵衛。
「面目ない」
と言いながら、さっきまでしょぼくれてた眼つきが、
またギラギラに戻ってる…。
油屋の店先。
与兵衛の父親は又五郎ー!!若いっ!ふっくらっ!
与兵衛の兄(村井国夫)に、弟のことをグチルわりには、
「子供を勘当すれば世間で何と言われるか…」
子供より己の立場が大事なのか?
お吉が子供達の髪をとかしてやっていると、
「櫛の歯が折れるやなんてゲンが悪い…」
旦那が1度帰宅して、
「立ち酒は野辺の送りの時のもの縁起が悪い…」
再び掛取りに出かけた。
ああ、悲劇の予感…。
与兵衛が金欲しさに、立ち寄ったのはお吉の油屋。
そこへ勘当したはずの両親が、金を置いて行きよったっ!
「先程から門口で蚊に食われるのにも我慢して
親たちの愁嘆聞いて、涙こぼしておりました」
しおらしいですなぁ与兵衛さん…。
その頃七左衛門は、通りで転んで金をぶちまけたっっ!
不吉な…不吉な…背筋が寒い…。早う早う家に帰らねばっ!
「不義になっても」
お吉の手を強く握って放さな~い与兵衛。。
恐い恐いよ、こいつも男ー。
切々と情に訴える与兵衛は口八丁手八丁っ!上手過ぎるッ!
詐欺師、賭博師、活弁士。何にでもなれるわいなー。
樽いっぱいの油が揺れる…。
お吉が柄杓ですくうたびチャピチャと音がする…。
「三人のかわいい子が途方に暮れる」
「オヤジと母じゃ(加藤治子)が愛しい」
2人は叫び合いながら、油にまみれての殺人劇。
グサグサしないのか~!!
映像だから、古典みたいにやっちゃうと、
スプラッターになって嫌われるのかな。
だから、歌舞伎や文楽が現代も生きてるんですな。
TVよりリアルなことやってたなんて、ちょっと考えてなかった。
ここで発表しまーす!♪♪♪♪
グランプリは”浪曲(浪花節)”!
大阪弁のパワー全開で、ガンガン突っ走る超特急ー!
聴いてるこっちも頭の中でイメージ膨らますのに全力投球ー!
この掛け合いはやめられないねー。
浪曲 2005年10月 NHK総合 東西浪曲大会
文楽 2003年8月 国立文楽劇場
歌舞伎 2004年4月 大阪松竹座