アッパレじゃ!

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仮名手本忠臣蔵 九段目

2005年07月25日 | 文楽
2004年11月 国立文楽劇場
2005年 7月 NHK劇場への招待

仮名手本忠臣蔵(かなてほんちゅうしんぐら)

『九段目 雪転がしの段』

文楽にしか存在しないらしい。初めて見た。

ここは山科。
朝帰りする由良之助のお供をしてきた店の人々は、
大きな雪をころころと転がしている。

帰ってくるなり妻にじゃれつき、
お石の膝枕でウトウトする由良之助。

でも、太鼓持ちや中居を帰した途端。
今迄の酩酊状態はどこへやら、シャキッと起き直る由良之助は、
雪を眺めながら、仇討ちを焦る力弥を諭すのでありました。

『九段目 山科閑居の段』

加古川本蔵は、力弥にわざと討たれ、
高師直家の絵図面を由良之助に渡し、
小浪と戸無瀬に見守られ死んで行く。

力弥と小浪は、たった一晩。二人だけの夜を迎える為に席を立つ。
由良之助は、虚無僧姿で旅立つ。

後に残る女房二人。
戸無瀬とお石が手をついて、互いに頭を下げた時、

わたくし泣いてしまいました~。
こんな、ちょっとした処で泣くとは思ってもみませんでした~。
太夫が二人の女を語ってるわけでも無いのに…。

武家社会で女房達は、歯を食いしばって生きた。
立場は違えど子供を持つ母と母。

深々とお辞儀をするこの二人は、
これから先も、笑顔で言葉を交わす事は無いかもしれない。
でも、今この瞬間、想う心は充分に…。


☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。