息をするように本を読む

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と、なんだかだらだら日常のことなども

気球に乗って五週間

2013-07-16 10:01:57 | 著者名 あ行
ジュール・ ヴェルヌ 著

時々とても読みたくなる冒険小説。
大空を旅する、ってそもそもドキドキする。

気球の場合、単なる移動方法というよりは、部屋がまるごと動く感がある。
まあ、そう甘いものでもないんだけどね。
目的地から目的地へと、ふたつの点を線で結ぶ航空機とは基本が違う。
ニルスのふしぎな旅」と同様に俯瞰で世界を見る、という魅力は大きい。

それに冒険に何が必要か、といういかにも子どもの興味を引きそうなネタには、
具体的な準備が不可欠だ。
夏休みの冒険といえば、リュックに食料(おやつにかたよりがち)や道具(武器?とか
サバイバルグッズ?的なもの)を詰め込もうと思うではないか。

で、これである。
気球に積み込まれたもの。
錨、その他の道具、銃、毛布、天幕、炊事道具など合計85.4kg。
肉、ペミカン、ビスケット、紅茶、コーヒー、ブランデーなど合計173kg。
そして、忘れてならない水180kg。
なんかときめくよなあ。

主人公の探検家ファーガソン博士は新発明の気球に乗って暗黒大陸アフリカの横断に挑むのだ。
同行するのは友人であり射撃がうまいケネディと従僕ジョー。
アフリカという土地がいかに未知であったか想像できる。
その上をゆっくりと風に乗って浮かび、移動する気球。
それは身を包む安全な箱によるつかの間の安心感と、それでいて見たことのないものを
実際に目にする高揚感に満ちている。

そしてこの平和な浮揚はやがて終わりを迎え、激しい冒険譚となる。
ついには原住民に追われ、荷物を捨てながらぎりぎり逃げ延びて、
川の中に墜落し、激流にのまれる、というスリル。
助け合い、知恵を絞って帰還を果たした一行。
現代にはない、この冒険の雰囲気はちょっと捨てがたい。

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