太宰治 著
もともと「お伽草子」とは、室町時代から江戸時代にかけて成立した
絵入りの物語。そんなイメージで手に取るとちょっと違う。
第二次世界大戦のさなか、空襲のたびに駆け込む防空壕で退屈する
幼子のために、父は手製の「ムカシムカシノオ話ヨ」という絵本を読み聞かせる。
有名なむかしばなしが元になったものなのだが、じっくりと分析し、
人間というものをつきつめている感じがある。そこに著者のオリジナリティが
加わって、スパイスが効いた、それでいて子どもにも楽しい作品となった。
当時は軍からの圧力があり、文筆を生業とするものにとっては辛い時代。
わずかながらもこんな形で文章を書く事がせめてもの抵抗だったのか。
子どもへの愛情を十分に感じ、ほのぼのとあたたかい気持ちになる。
ものがない、制限ばかりの暮らしの中で、せめてできることを、
という父の願いがある。
もともと「お伽草子」とは、室町時代から江戸時代にかけて成立した
絵入りの物語。そんなイメージで手に取るとちょっと違う。
第二次世界大戦のさなか、空襲のたびに駆け込む防空壕で退屈する
幼子のために、父は手製の「ムカシムカシノオ話ヨ」という絵本を読み聞かせる。
有名なむかしばなしが元になったものなのだが、じっくりと分析し、
人間というものをつきつめている感じがある。そこに著者のオリジナリティが
加わって、スパイスが効いた、それでいて子どもにも楽しい作品となった。
当時は軍からの圧力があり、文筆を生業とするものにとっては辛い時代。
わずかながらもこんな形で文章を書く事がせめてもの抵抗だったのか。
子どもへの愛情を十分に感じ、ほのぼのとあたたかい気持ちになる。
ものがない、制限ばかりの暮らしの中で、せめてできることを、
という父の願いがある。
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