夏目漱石 著
著者が朝日新聞社に入社して初めて書いた小説。
思い入れも大きかったようで一字一句丁寧に書かれたという。
自分の気持ちに正直に生きる女・藤尾と、彼女に翻弄される男たち。
文明開化はされても時代は明治。
藤尾の行動は周囲にさまざまな摩擦を引き起こす。
主人公・小野はインテリだがやや流されやすい。彼は学問の道を追求するため
藤尾の財力に魅力を感じる。しかし彼には小夜子という恩師の娘との約束がある。
藤尾には亡き父が決めていた許嫁・宗近がいたのだが、真面目な彼よりも
詩的世界を解する小野に魅力を感じている。
思いが錯綜する中に経済的問題が絡み合い、物語は進むのだが、
これはきっぱり勧善懲悪の話である。
藤尾は悪。それ以外のなんでもない。
というととても単純でつまらない感じがするが、そうでもない。
シンプルなストーリーを独自の世界観で描き出しているのはさすが。
脇役なんだが、糸子の家庭的ながら強いキャラクターは魅力的。
好き嫌いは分かれると思う。
私は読むたびになぜか秋の透明な空気を感じる。
別に虞美人草が秋に咲くわけではなく、物語が秋というわけでもないのにね。
著者が朝日新聞社に入社して初めて書いた小説。
思い入れも大きかったようで一字一句丁寧に書かれたという。
自分の気持ちに正直に生きる女・藤尾と、彼女に翻弄される男たち。
文明開化はされても時代は明治。
藤尾の行動は周囲にさまざまな摩擦を引き起こす。
主人公・小野はインテリだがやや流されやすい。彼は学問の道を追求するため
藤尾の財力に魅力を感じる。しかし彼には小夜子という恩師の娘との約束がある。
藤尾には亡き父が決めていた許嫁・宗近がいたのだが、真面目な彼よりも
詩的世界を解する小野に魅力を感じている。
思いが錯綜する中に経済的問題が絡み合い、物語は進むのだが、
これはきっぱり勧善懲悪の話である。
藤尾は悪。それ以外のなんでもない。
というととても単純でつまらない感じがするが、そうでもない。
シンプルなストーリーを独自の世界観で描き出しているのはさすが。
脇役なんだが、糸子の家庭的ながら強いキャラクターは魅力的。
好き嫌いは分かれると思う。
私は読むたびになぜか秋の透明な空気を感じる。
別に虞美人草が秋に咲くわけではなく、物語が秋というわけでもないのにね。