湊かなえ 著
ドラマ化もされた作品。お約束ですが見てないです。
もんのすっごいファンタジーとか思い入れのある俳優がやるとか、
よほどのことがない限り映像はあんまり見たくないのだなあ。
15年前のお盆、静かな田舎町で起こった少女殺人事件。
犯人を目撃していたのは4人の少女。しかし誰も顔を覚えていないという。
事件は解決しないままいたずらに時間ばかりが過ぎていく。
被害者・エミリの母親は苛立ち、4人に対して呪詛とも思える言葉を残して
東京へと去っていく。
4人がそれぞれそれからの日々を語っていく。
空気がきれいなだけがとりえの小さな町。
その窒息するような空間で、見えない殺人鬼に怯えて暮らす日々。
それは彼女たちにとっても苦しみの時間だった。
冒頭の「フランス人形」で語られる紗英はその狭さ息苦しさをもっとも
感じて生きてきた。東京へ出てきたときの開放感の表現などは、
胸に突き刺さるように伝わってくる。
「PTA臨時総会」の真紀は現場からただひとり脱走した罪の意識から、
よりしっかりものを演じ、好きでもない教師になり悲劇に巻き込まれた。
「くまの兄妹」の晶子は自分が都会的なエミリと親しんだことを、
身の丈以上のものを求めては不幸になる、という祖父の言葉と重ね、
引きこもった。
「とつきとおか」の由佳は、事件当時の母親の対応と姉に対する
コンプレックスから非行に走る。
誰もが重い荷物を抱えた年月。
それなのに呪詛の言葉を吐いたその当人が鍵を握っていたとは。
エミリの一家はまさに作りもののバービー人形のような家族だった。
ショッキングな結論とそこに至る構成はさすがにすごい。
しかしひとりひとりの告白に散りばめられたエピソードの緻密さ、
リアルさに驚愕する。
ドラマ化もされた作品。お約束ですが見てないです。
もんのすっごいファンタジーとか思い入れのある俳優がやるとか、
よほどのことがない限り映像はあんまり見たくないのだなあ。
15年前のお盆、静かな田舎町で起こった少女殺人事件。
犯人を目撃していたのは4人の少女。しかし誰も顔を覚えていないという。
事件は解決しないままいたずらに時間ばかりが過ぎていく。
被害者・エミリの母親は苛立ち、4人に対して呪詛とも思える言葉を残して
東京へと去っていく。
4人がそれぞれそれからの日々を語っていく。
空気がきれいなだけがとりえの小さな町。
その窒息するような空間で、見えない殺人鬼に怯えて暮らす日々。
それは彼女たちにとっても苦しみの時間だった。
冒頭の「フランス人形」で語られる紗英はその狭さ息苦しさをもっとも
感じて生きてきた。東京へ出てきたときの開放感の表現などは、
胸に突き刺さるように伝わってくる。
「PTA臨時総会」の真紀は現場からただひとり脱走した罪の意識から、
よりしっかりものを演じ、好きでもない教師になり悲劇に巻き込まれた。
「くまの兄妹」の晶子は自分が都会的なエミリと親しんだことを、
身の丈以上のものを求めては不幸になる、という祖父の言葉と重ね、
引きこもった。
「とつきとおか」の由佳は、事件当時の母親の対応と姉に対する
コンプレックスから非行に走る。
誰もが重い荷物を抱えた年月。
それなのに呪詛の言葉を吐いたその当人が鍵を握っていたとは。
エミリの一家はまさに作りもののバービー人形のような家族だった。
ショッキングな結論とそこに至る構成はさすがにすごい。
しかしひとりひとりの告白に散りばめられたエピソードの緻密さ、
リアルさに驚愕する。