目崎徳衛 著
ぼーっと百人一首を眺めるのが好きだ。
音声で聞くのも悪くない。
かるたも持っているし、CDだってついている。
ただ、ゲームとしてのかるたは高校以来やったことがない。
子どもとちょこっと遊んだくらい。
何しろ、上の句→下の句って瞬時につながらないもの。
でも、文庫本の百人一首をいつも眺めているのだ。
きれいだなあとか、季節にあうなあととかぼんやり考えながら。
白露に風の吹きしく秋の野は つらぬきとめぬ玉ぞ散りける
心あてに折らばや折らむ初霜の 置きまどはせる白菊の花
個人的にはこのあたりの抒情的というか、情景が目に浮かぶような歌が好きなのだが、
あひ見てののちの心にくらぶれば むかしはものを思はざりけり
かくとだにえやはいぶきのさしも草 さしも知らじなもゆる思ひを
などは、あまりも情熱的で、現代の刺激的な言葉でもこれほどの強さを
ダイレクトに表現することは難しいのではないかと思う。
そして、この本は王朝文化の在り方や人間模様、それぞれの作者が置かれた
立場や状況を解説し、関連する多くの歌を「古今集」や「後撰集」などから
紹介している。
百人一首にかかわるあらゆる宝物を詰め込んだ贅沢な一冊だ。
百という数もちょうどよいのかもしれない。飽きるには多く、忘れるには少ない。
季節を盛り込み、恋を語り、身の不遇を嘆き、世を救おうと思う。
教養など程遠い身であるが、これからもずっと繰り返し眺め、楽しむであろう本だ。
ぼーっと百人一首を眺めるのが好きだ。
音声で聞くのも悪くない。
かるたも持っているし、CDだってついている。
ただ、ゲームとしてのかるたは高校以来やったことがない。
子どもとちょこっと遊んだくらい。
何しろ、上の句→下の句って瞬時につながらないもの。
でも、文庫本の百人一首をいつも眺めているのだ。
きれいだなあとか、季節にあうなあととかぼんやり考えながら。
白露に風の吹きしく秋の野は つらぬきとめぬ玉ぞ散りける
心あてに折らばや折らむ初霜の 置きまどはせる白菊の花
個人的にはこのあたりの抒情的というか、情景が目に浮かぶような歌が好きなのだが、
あひ見てののちの心にくらぶれば むかしはものを思はざりけり
かくとだにえやはいぶきのさしも草 さしも知らじなもゆる思ひを
などは、あまりも情熱的で、現代の刺激的な言葉でもこれほどの強さを
ダイレクトに表現することは難しいのではないかと思う。
そして、この本は王朝文化の在り方や人間模様、それぞれの作者が置かれた
立場や状況を解説し、関連する多くの歌を「古今集」や「後撰集」などから
紹介している。
百人一首にかかわるあらゆる宝物を詰め込んだ贅沢な一冊だ。
百という数もちょうどよいのかもしれない。飽きるには多く、忘れるには少ない。
季節を盛り込み、恋を語り、身の不遇を嘆き、世を救おうと思う。
教養など程遠い身であるが、これからもずっと繰り返し眺め、楽しむであろう本だ。