三崎亜記 著
第17回小説すばる新人賞受賞作。
ごくごく普通の日本で、となりの町と戦争が始まる。
そんな奇想天外な物語だ。
なにしろ、主人公は毎日車を使い、となり町を通って通勤している。
要するに、この町を愛してるとか、となり町が憎いどころではない、
家賃と通勤時間と物件の条件を考え合わせ、折り合いがついたところに住む、
現代の住居地決定としてはとてもノーマルな方法だろう。
ところが、その“毎日となり町を通る”という条件が、彼を戦時特別偵察業務に
従事させることになる。
一見おだやかな日々、なのに、戦死者は増え、戦況は悪化していく。
謎の過去をもつ主任がすごくいい味を出している。
また、別章が違う角度から見た戦争を浮き上がらせ、これがまたいい。
ありえない設定だから、もっとドタバタな感じになるのかと思ったら、
意外にもじっくり読ませられた。
ただ、途中から恋愛ものっぽくなりすぎたかな?
でも、必要だった気もするし。
もしかして、あまり結論とか意味とかを追及する人には向かないかもしれない。
解決とか謎が解けるとかという結末とは少し違うので。
第17回小説すばる新人賞受賞作。
ごくごく普通の日本で、となりの町と戦争が始まる。
そんな奇想天外な物語だ。
なにしろ、主人公は毎日車を使い、となり町を通って通勤している。
要するに、この町を愛してるとか、となり町が憎いどころではない、
家賃と通勤時間と物件の条件を考え合わせ、折り合いがついたところに住む、
現代の住居地決定としてはとてもノーマルな方法だろう。
ところが、その“毎日となり町を通る”という条件が、彼を戦時特別偵察業務に
従事させることになる。
一見おだやかな日々、なのに、戦死者は増え、戦況は悪化していく。
謎の過去をもつ主任がすごくいい味を出している。
また、別章が違う角度から見た戦争を浮き上がらせ、これがまたいい。
ありえない設定だから、もっとドタバタな感じになるのかと思ったら、
意外にもじっくり読ませられた。
ただ、途中から恋愛ものっぽくなりすぎたかな?
でも、必要だった気もするし。
もしかして、あまり結論とか意味とかを追及する人には向かないかもしれない。
解決とか謎が解けるとかという結末とは少し違うので。