息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

異形コレクション Fの肖像 フランケンシュタインの幻想たち

2011-02-03 12:06:04 | 井上雅彦
井上雅彦 監修

やってしまったシリーズ。しかもいまいち編。
先日の「江戸迷宮」を読んだ後、あれ?これ読んでないと気づいてしまったのだ。
時間ないのにどうすんの? って思いつつも即購入。自分のバカ。

フランケンシュタインが生まれたエピソードはとても好きだ。
夏のレマン湖のほとり。
詩人シェリーの妻メアリと、主治医ポリドリは、その夏の出来事をもとに
互いに生涯に一冊だけの名作を書き上げる。
『フランケンシュタイン』と『吸血鬼』
美しい湖畔の邸、優雅な時間から生まれ出た恐怖の物語。
いったい何が起こったらそんなことになるんだ~!!!

だけど、それをモチーフにすると、なぜか腐敗と醜さだけが強調されて、
いまひとつのめりこなかった。それぞれいい作品とは思うのだが。
好みの問題だね。

その中で、瀬名秀明「光の栞」は好きだったかも。
長い長い年月をかけて生まれていく本の物語。舞台となる小さな店の雰囲気も好き。

それから間瀬純子「野鳥の森」は、独特の世界観や価値観があり、怖いようでいて
実におもしろく読めた。

いまいちと言いつつも、平均値は楽々クリアしている『異形コレクション』。
見つけたらきっと買うことでしょう。