哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

Hot air!

2010-05-04 20:58:58 | 時事
 昔、受験生の頃、英文解釈の答え合わせで「Hot air!」を「熱い空気!」と訳した隣人の解答を見て、そりゃないだろう!と苦笑したものの、自分でも正解はわかっておらず、結局正解は「大言壮語だ!」であったことをいまだによく覚えている。


 しばらく前から、鳩山首相の発言を聞くたびに、こんな古い体験を思い出すようになってしまった。どこかのジャーナリストが言うには、鳩山首相はできもしない事をできるかのように言ってしまう癖があるそうなのだ。


 「政治家」とは「ステイツマン」つまり、「言葉を語る人」だと池田晶子さんは言う。「民主主義という政体は、高度に言語的な自覚があるのでなければ、維持され得ないはずである」とも(『勝っても負けても』より)。
 「高度な言語的な自覚」とは、できるかどうかわからないがとりあえず言ってしまおう、ということではないだろう。もし、できないのにできると思い込んでいたら、もっと問題が大きい。

 しかし、そんな政治家を選んだのは国民であり、「人は、自分にふさわしいものしか選べない」と池田さんは言っている。問題を政治家のせいだけにはできない。