表題の本は、今現在ランキング上位の話題の新書だ。書いたのはマスコミにも露出の多い在日韓国人の政治学者である。「~力」という題名の流行が未だやまない中で、これも便乗本かと思ってしまったが、なかなか中身のある内容であった。
本の中では、当時同世代であった漱石とウェーバーが対照的に取り上げられている。ちょうど今週発売されたアエラでも、この本に拠って漱石が特集されているので、参考になるだろう。
さて、著者は「悩むことが生きる証」「悩みぬいて強くなる」というようなことを書いているが、「悩むな!考えよ!」と言ってきた池田晶子さんとは正反対の内容に思える。しかし目次を見ると、結構池田さんの書物の項目と類似する内容であることが分かる。
例えば、
第一章 「私」とは何者か
第ニ章 世の中すべて「金」なのか
第三章 「知ってるつもり」じゃないか
第五章 「信じる者」は救われるか
第六章 何のために「働く」のか
第八章 なぜ死んではいけないか
などである。
池田晶子さんは、「考える」ことから「悩む」ことを捨象して、純粋な思考を行おうとするが、この本では「悩む」精神状況を、考えるための推進力としようとしているのだろう。
そのような感覚はわからないでもないし、各章で著者が到達する結論は池田晶子さんのそれとは異なるものが多いが、その、考える過程はおもしろく読めるので、一応お薦めの本といえる。
本の中では、当時同世代であった漱石とウェーバーが対照的に取り上げられている。ちょうど今週発売されたアエラでも、この本に拠って漱石が特集されているので、参考になるだろう。
さて、著者は「悩むことが生きる証」「悩みぬいて強くなる」というようなことを書いているが、「悩むな!考えよ!」と言ってきた池田晶子さんとは正反対の内容に思える。しかし目次を見ると、結構池田さんの書物の項目と類似する内容であることが分かる。
例えば、
第一章 「私」とは何者か
第ニ章 世の中すべて「金」なのか
第三章 「知ってるつもり」じゃないか
第五章 「信じる者」は救われるか
第六章 何のために「働く」のか
第八章 なぜ死んではいけないか
などである。
池田晶子さんは、「考える」ことから「悩む」ことを捨象して、純粋な思考を行おうとするが、この本では「悩む」精神状況を、考えるための推進力としようとしているのだろう。
そのような感覚はわからないでもないし、各章で著者が到達する結論は池田晶子さんのそれとは異なるものが多いが、その、考える過程はおもしろく読めるので、一応お薦めの本といえる。