哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

増税

2012-05-01 01:30:00 | 時事
税金とくに消費税の議論が喧しい。消費税増税は待ったなしと言う人が居る一方で、税率を上げれば税収が増えると考えるのを幼稚な議論と指摘する専門家も居るし、デフレ下での消費税増税を疑問視する見方もある。景気が上向かない経済状態での増税は逆効果とも言う。

昨日NHK解説員らによる税金と財政と社会保障に関する議論をテレビで見たが、2時間程かけた議論の中で結論めいた話を上げれば、政府が国会であるいは国民に対して希望の持てる将来ビジョンを語り、きちんと国会で議論を行うことという。そこで議論をしていたのは政治家ではないので結論は出ないのだろうが、国会がちっとも建設的な議論をしていないことを皮肉っているように思えた。

社会保障が今のままの制度では消費税を25%にしても足りないし、GDPの倍の政府債務残高を税金で返して行くというのはとても気の遠くなるような話だ。政府の持っているプラスの資産が考慮されていないとか、日本は海外への投資で稼いでいるのでギリシャとは違うとかの指摘もあるが、それでもこのまま放置すればどこかでデフォルトになるのだから、今の制度のまま何も手を打たないという選択はないのだろう。

ある税金の本に書いてあったが、義捐金なら多く集まるのに、なぜ税金になると人々は減税政策にしか投票しないのかという。確かにそうだ。義援金も自治体に届けられるのであれば、税金と変わりない。自治体や政府の使い方に問題があり、まず無駄使いを無くすのが先だという話もあるが、無駄使いは都度わかれば是正していくしかない。大半の税金は正しく(?)使われているのだろうから、制度的に増税が必要かどうかということで考えるしかないのである。同様に、景気対策をしっかりやらなければ増税は無理だという議論も、単に制度改革を先送りにするだけであろう。かつて小渕内閣のときに財政再建よりも景気対策を優先させて、政府の借金ばかり増やした結果になったことが思い起こされる。


税金については、池田晶子さんが書いている通り「くれてやる」と思って、それこそ義捐金のつもりで納税する気持ちでかまわないのではないか。政府のやることが信用できないと言っても、所詮自分たち国民の選んだ政治家たちである。選ぶ側も選ばれる側も、どう覚悟するかということでしかない。