山域山名:南アルプス・上河内岳、茶臼岳、光岳
期 日:2012年8月3日(金)~5日(日)
参 加 者:みやぶー、ふくせんぱい、あらいぐま、こまっぴー
行動記録:
8/2 東松山IC(19:30)=御殿場IC(21:30)=第2東名静岡SAスマートIC(23:00)=畑薙ダムゲートP(2:30)<テント泊>
当初は易老渡から入山する計画だったが、林道崩壊で今シーズンは易老渡まで入れないため、入山口を畑薙ダムに変更した。
今年開通したばかりの第2東名を走って静岡SAスマートICから県道に入る。
山岳地帯の狭隘路続きの県道27号線ではなく、今回は県道362号線を使って千頭経由で畑薙ダムへ向かう。走った感覚では、27号線より若干道幅が広い場所も多いが、距離は逆に遠回りで(SAからダムまでちょうど80キロ)ほとんど大差がない感じか。
どっちにしても、7時間に及ぶ夜中のドライブは長く辛かった。
8/3 畑薙ダムゲート(7:50)=聖沢口(8:30/8:40)→聖沢吊橋(9:45/10:00)→聖平キャンプ地(14:10)
<天候:晴のち時々曇り>
5時に起床。睡眠時間は2時間ほどで、頭と体はまだ眠い。外に出てみたら、真夏なのに思いのほか肌寒かった。
朝食後、テントを撤収して7時に予約した井川観光協会の9人乗りワゴン車をゲート前でしばし待つ。
到着したワゴン車はすでに登山者で満杯??。予約したか否かは不明だが、白樺荘ですでに乗せてきたらしい。
「観光協会に予約をすればゲートでも乗れると言われた!!」と無愛想な運転手に言ったが、彼は「また戻ってくるから」と。時刻表では片道1時間かかるので2時間待ち???……。
何もすることがないので、ゲート管理人のおじさんと話したりしながら時間をつぶす。が、なんと40分で猛スピードで戻ってきた。他の3人とワゴン車に乗り込む。この狭い悪路をよくもというスピードで飛ばす。
車両が通るたびに埃っぽい聖沢登山口を出発。出会所小屋跡までいきなりの急登だかが、この後はいったん聖沢吊り橋まで下る。
湿気がなく、日陰に入ると涼しい。造林小屋跡を過ぎて2011乗越まで来れば、急登から解放されて聖平までトラバースが続く。
南アルプス主稜線に立つには急登続きが定番であるが、聖沢は一番登りやすいルートだろう。
聖岳南面に落ちる滝が2本見える岩頭滝見台は、涼しい展望台だ。
ここからは視界が開け、青い空の下、
快適な登行で聖平着。
高校時代の夏山合宿で三伏峠から縦走して以来なので30年振り。小屋は朽ち果てそうなプレハブで、こんなに明るくなかった記憶がある。
テン場の受け付けする前に、フルーツポンチをいただく。今や、北アルプスより南アルプス南部の山小屋の方がサービスはいい。
今回のテントは会で買ったばかりのファイントラックのポットラック。
説明書を見ながら設営する。まるでサーカステントのようで、テン場でも一番目立つ。
4人用で2キロと最軽量、1本ポールで居住性はまずまず。生地が薄いので低温では厳しいが、夏のメインになるだろう。
設営後にビールで乾杯!!越冬ビールなので2本で500円と破格の値段だった。
宴会後は草地で大の字になって昼寝…。目を開けると聖岳が見えた。テン場は広くと水も豊富、トイレもきれいで快適そのもの。
外で車座になって夕飯タイム。天の川の星空の下、サーカステントで爆睡。
8/4 聖平(4:25)→南岳2702m(6:05)→上河内岳肩(6:35)→上河内岳2803m(6:50/7:05)→上河内岳肩(7:10/7:15)→畑薙分岐(8:25)→茶臼岳2604m(8:48/9:05)→仁田池(9:19)→希望峰(9:41)→仁田岳2523m(10:00/10:25)→希望峰(10:40)→易老岳2354m(11:45/12:00)→イザルガ岳分岐(14:00)→イザルガ岳2540m(14:10)→イザルガ岳分岐(14:20)→光小屋キャンプ地(14:35/14:50)→光岳2591m&光石往復
<天候:晴のち曇り>
2時半に起きて懐中電灯で出発。
稜線は風が強く寒い。小屋番によると3日前から急に空気がカラッとしたらしい。
樹林帯から抜けた岩頭から、朝陽に照らされた聖岳を眺める。
南アルプスらしい重厚な山容が格好いい。
ガレた稜線を辿ると南岳へ。富士山がドカーンと見える。
これから行く上河内岳の二重山稜がよく分かる。
谷筋の窪地は小さなお花畑があった。
肩でザックをデポして上河内岳へ。荒川岳や赤石岳、光岳まで延々と続く森の稜線、北アルプスの槍ヶ岳から中央アルプス、秩父や富士山と今山行随一の大展望を楽しむ。
上河内岳から茶臼岳までは快適な稜線が続く。
ダケカンバもあって秋には紅葉が見事だろう。
横窪沢分岐からひと登りで茶臼岳へ。
聖岳から西に張り出した兎岳、中盛丸山、大沢岳と、小粒だが個性派の山が続く。このアップダウンはしんどかったな、と思い出す。
茶臼岳直下には小さな仁田池、茶臼岳南面も二重山稜だ。
希望峰から仁田岳へ向かう。これが意外と長かった。
喜望峰に戻って、展望のない樹林帯の縦走路を進む。
易老渡岳で横窪沢小屋から来た大嶋パーティと合流。
三吉平、静高平までは深い樹林のなかの道、センジヶ原で一気に視界が開けて、光小屋が見えた。
小屋に行く前に空身でイザルヶ岳を往復。
小屋前のテン場はホントに小さくて、5張り程度のスペース。
設営後に光岳に向かう。山頂は樹林の中だった。
大嶋会長は百名山99座目、おめでとうございます。
山名の由来となった光岩と呼ばれる石灰岩の岩峰を見に行く。
これが結構下った崖の上にあった。確かに岩の中に光るものがあったが、ネットで調べたら、どうも山頂の南西直下に遠州側から遠望した時に夕日に照らされて白く光って見えたかららしい。
テン場に戻って、いざ、宴会~という訳にはいかず、テント登山者の水場は崖を下った湧水を取りに行かねばならない(小屋宿泊者はポンプアップした水をもらえる)。
崖を見たらとても飲んだあとに行くような場所ではないので、疲れた体に鞭を入れて水を確保。やっと宴会だ。
小屋前のベンチでみんなで乾杯!!そのまま夕飯を食べてサーカステントへ。
夜中は風が強く、何度も目を覚ました。
8/5 光小屋(4:45)→易老岳(6:20)→希望峰(7:40)→茶臼岳2604m(8:25/8:40)→茶臼分岐(8:55)→茶臼小屋(9:05/9:15)→横窪沢小屋(10:25/11:00)→ウソッコ沢小屋(11:50/12:05)→ヤレヤレ峠(12:55)→畑薙大吊橋(13:20)→畑薙ダムゲートP(14:00)
<天候:晴のち曇り>
3時起床。小屋素泊まりの大嶋パーティは4時に出発して行った。
我々も暗いうちに出ようかと準備をしたが、富士山の朝焼けを眺めてから出発する。
昨日たどった樹林帯の縦走路を進む。今日も快晴のいい天気で、樹林の隙間から伊那谷の山々を眺めながら歩く。
易老岳先の鞍部で大嶋パーティと合流。茶臼岳までは予想どおり長かった。
茶臼岳山頂でのんびりと最後の大展望を楽む。
稜線を少し下りたら立派な茶臼小屋がある。
小屋脇の冷たい流水で喉を潤す。小屋は井川山岳会が管理委託されていて、この小屋もきれいだった。
光小屋もきれいだったが、昔の南アルプス南部の暗いイメージはまったくない。空いている時期なら利用してもいいか。
横窪沢小屋までは急坂をひたすらひたすら下る。これを登ったら辛いだろう。横窪沢小屋まで下ると、一気に真夏の暑さが待っていた。ふ~。
ウソッコ沢小屋は無人で、30年前はどこかの河原にテントを張った記憶があるが、沢は大雨で荒れて渓装はずいぶん変わったのだろう。
ヤレヤレ峠までは吊り橋の連続で、登り返しの先がヤレヤレ峠。
対岸の林道には、長い長い畑薙大吊橋を渡る。
昔は満々と溜まった青いダム水のさざ波に酔いそうだったが、今は、埋め尽くされた土砂しかなかった。
今年は易老渡からの入山ができなかった影響か、平年よりかなり登山者が少なかったようで、3日間とも天気にも恵まれて、静かな南アルプスの縦走を楽しめました。