「隠そう」がもたらした結果

夏休みは終わったのに猛暑の週末、島岡美延です。気象庁は「30年に一度の異常気象」との見解を示しました。
昨日、帝京大学医学部付属病院が、多剤耐性菌の院内感染で9人が亡くなった件で記者会見を開きました。院長ら関係者が頭を下げましたが、この大学病院の中で、どのような日々を送っていたのでしょう。現場からの報告が遅れたことに対し、院長は「情報伝達が共有されていないという重大な側面」と、対応の誤りを認めました。
公表の遅れを「患者の治療に専念したため」と説明されても、「秘密主義」のピラミッドの中で、「院内感染の事実を表に出してはならない」が、最優先されたのではと感じてしまいます。
押尾学被告の初公判にも同じような印象を持ちました。救急車を呼ばなかったのは、麻薬使用の発覚を恐れたのではないと言いながら、「少し休めば元に戻ると思った。すぐに蘇生させようともした」とは、矛盾していませんか。
二つのニュースは、「隠せるものなら隠したい」という考えが重大な結果を招いたという点で、哀しいほど似ていて、悔しいものです。