雨が上がり、気持ちよい五月晴れとなるかしら、島岡美延です。
朝ドラ『虎に翼』では1930年代の贈収賄裁判が佳境。自白の強要、検察側に十分な証拠なしでどんな判決が出る? このあとに戦争に向かっていく日本。こちらは上海舞台の第二次世界大戦下の物語。映画『無名(3日公開)』をご紹介します。中国で約181億円を超える大ヒット、日本軍がどう描かれているかも興味深いところ。
1940年代、中国共産党、国民党、そして日本軍。お互いの素性がわからない中で名もなきスパイたちが繰り広げる一進一退の攻防。諜報員フー(トニー・レオン)と部下のイエ(ワン・イーボー)は、日中戦争勝利に向け、日々活動。ただこの世界、どこかに〈二重スパイ〉がいるもの。誰を信じるか、裏切るか、究極の心理戦の果てに彼らが見たものは――。
『花様年華(00)』でカンヌ最優秀主演俳優賞のトニー・レオン、アクションの切れ味もいいスパイ・ノワール。