我慢しなくてもよくなると、我慢できなくなる
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4日の夕方に原稿が戻ってきた。赤が入っているわけではない。「ここはこんな感じでつなげてください」「この最後は、読者目線の終わり方にしてください」という丁寧な指摘が入った原稿である。直して8日に戻さなければならない。おかげで、ブログを書く時間の余裕も、心の余裕もなかった。
あまりにも自分の心がタイトになっているのが分かったので、昨日は思い切って、家内を誘って「エル・グレコ展」に行った。夕飯も外で食べた。その夕飯の時に、家内が名言を吐いた。私が煙草を吸うと、家内は露骨に嫌な顔をして手でパタパタと煙を払った。「最近のお店は、席で煙草を吸う人がいないから、とっても匂いが気になるのよね」。30年以上も煙草を吸っている私とつきあっている家内は、その後、こう言ったのだ。
「(煙草を吸わない空間が増えて、煙草の煙を)我慢しなくてよくなると、今度は我慢できなくなるのよ」
名言である。忍耐力は我慢している間だけに培われるものなのだ。原稿直しは、おかげさまでどうにか終った。
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