風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

田舎芝居

2011-06-18 22:29:55 | 時事放談
 政治の体たらくには目を覆うばかりですが、事ここに至ると、臭い田舎芝居を見せられているようで、辟易しつつも、それなりの面白さを見出せることもあります。今日はどんな失態を演じるか。実際には演じているのではなく、それぞれの政治家がナマの姿を見せるいわば人間模様なわけで、登場するのが大根役者なものですから、各人の個性の豊かさと呼べるならまだしも力量のなさや政治観の貧しさまで透けて見えて来るわけです。もっともこうしたところを面白いと思えるためには、他人事と割り切るご隠居さん的な当事者意識の希薄さと、自虐趣味を受け入れ、事実は小説よりも奇なりと愉しむことが出来る神経の図太さが必要で、私にはとても耐えられるシロモノではありませんが、そんな目でここ一両日の動きを見てみると・・・
 無力感や脱力感に見舞われていたと言われる永田町で、最近は、菅総理の粘り腰が話題のようです。土俵際で粘り続け、息を吹き返しつつある、とまで書く記事もあります。ここまで居座ることが出来る菅さんの鉄面皮ぶりは天晴れと言うべきかも知れません。むしろ引導を渡せない周囲の政治家が情けない。さすがに心ある人は黙って見ているのも限界と見えて、石原伸晃幹事長によると、玄葉光一郎政調会長は石破茂政調会長に、特例公債法案の成立の前提となる三党合意を成立させて持って行っても首相が「辞めない」というなら辞表を出す、と語ったそうですし、岡田克也幹事長は、暇になるから、これからもよろしく、と言ったのは、首相と刺し違えるものではないかとの見方を示し、仙谷由人官房副長官も、「辞める、辞める」と言っている、といった話を披露しました。
 この三党協議に入れてもらえなかった社民党・党首の福島某は、「困ったときだけ社民党頼みというのは甘い」と不満をぶちまけ、「社民党も議論に参加したい」と訴えたそうです。全く、この方ほど期待通りに演じてくれる大根役者もいませんね。一体、およそ政治力のカケラもない社民党が政権与党の民主党と連立を組めている理由を何だと心得ているのでしょうか。相変わらず中学校の学級委員長並みの政治性です。
 社会保障と税の一体改革について、民主党のスタンスは以前にも取り上げましたが、17日の民主党・抜本改革調査会(会長・仙谷由人代表代行)の総会でも、反対する議員の発言が相次いだそうです。多くが消費税率引き上げに反対する反執行部系の議員だったからですが、「消費税アップは国民のための民主党にあるまじきことだ」(松原仁衆院議員)、「消費税は、震災対策をやって、デフレ対策をやってからではないか」(福田昭夫衆院議員)といった具合いです。時事世論調査(2011年6月17日掲載)によると、民主党の支持率は12.8%しかなく、最近は自民党(14.6%)にも引き離され、何より支持がない層が63.1%を占める現実を前に、国民のための民主党と言い切れる松原氏のオメデタさはどこから来るのでしょうか。鳩山由紀夫前首相に近い松野頼久元官房副長官に至っては「今の内閣でとりまとめるなら次の内閣の政策を縛ることになる。おかしい」と、次期政権に結論を委ねるべきだと主張したそうですが、如何にも民主党は、菅総理自身も公言するように、組閣のたびに独裁的な権力を振るわせるかのようなもののいいで、一体、民主党としての政治の一貫性をどう考えているのか、明らかに政党としての権力へのアプローチが異様だと言わざるを得ません。
 平成の黄門様・渡部恒三衆院議員でも、これまで見たことがないから、明日のことは予測出来ない、と言わしめた田舎芝居は、いつまで続くのでしょうか・・・こうした大根役者に税金を通してギャラを払っているのですから、もう少し魅せて欲しいのですが。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 空気を読めない人々 | トップ | 慢心 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

時事放談」カテゴリの最新記事