風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

ロンドン五輪・水泳ニッポンの活躍

2012-08-06 20:17:10 | スポーツ・芸能好き
 ロンドン・オリンピックで、日本の競泳陣はよう頑張りましたね。異口同音に、27人のチーム力という言葉を聞かされて、個人の技能の寄せ集めでしかないと思われる競泳の選手団でも、チームとして、相互に技術的な刺激を与えながら、他方で精神的な絆を強め、個々の技能を最大限に引き出す、いわゆる切磋琢磨の良い循環が生まれていたことが察せられます。金メダルこそなかったものの、銀メダル3、銅メダル8、計11個と、アテネの8個を超える史上最多の、堂々たる戦績です。
 特に競泳陣の頑張りを象徴したのが、選手層の厚さを競うとも言うべき400メドレーリレーで、男子は銀メダル、女子は銅メダルを獲得したことでしょう。そもそもリレーや駅伝といったチーム・プレーは、水泳にせよ陸上にせよ個人戦が中心のため、却って盛り上がるものです。個性が強い北島康介ですら、みんなのおかげ、自分の役割を果たして次につなぐことができた、と語り、松田丈志に至っては、(北島)康介さんには言ってなかったが、と断りながら、3人で、康介さんを手ぶらで帰らせるわけにはいかないと言っていた、と語りました。泣かせますね。まさにその言葉通りに、第一泳者の入江陵介(100メートル背泳ぎ銅メダル)から順当に2位で引き継いだ北島康介は、100メートルで後塵を拝した銅メダリストのハンセンに競り勝ち、1位で次に引き継ぐ会心の泳ぎを見せました。第三泳者の松田丈志は、怪物フェルプスに逆転を許しましたが、第四泳者の藤井拓郎は、100メートル自由形の金メダリスト(米・エイドリアン)と銀メダリスト(豪・マグヌッセン)に挟まれ、豪州の追い上げを受けながら、よくその位置をキープしました。
 女子も、第一泳者の寺川綾は、100メートル背泳ぎで銀メダリストに競り勝つ会心の泳ぎを見せ、第二泳者の鈴木聡美は、ロシアに抜かれるハプニング?があったものの想定通り豪州を突き放し、第三泳者の加藤ゆかは、ロシアを抜き返したものの、体育会系の国・豪州に抜かれ、第四泳者の上田春佳は、よくその位置をキープしました。
 こうした水泳ニッポンの活躍の最大の功労者として、やはり北島康介を挙げたいと思います。体力では劣る日本人でも、水の抵抗を抑えた美しい泳ぎを実現する技術によって、世界に伍することが出来ることを示したこと、それによって日本人に自信を植え付けた功績は、極めて大きかったと思います。北島は平泳ぎの歴史を変えた、とまで言った人もいました。今回のオリンピックは、10年以上、世界に君臨した北島康介を見て育った若い日本人競泳選手が日本の活躍を支えると同時に、北島自身は、ノルウェーのダーレ・オーエン亡きあと今年度世界最高記録で金メダル最有力と言われながら、北島の背中を追いかけてきた世界の若手有力選手によって敗れ去りました。世代交代という以上に、一つの時代が終わったような寂しさを感じます。
コメント
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