うっちーの個人総合・金メダルから丸一週間が経ち、日本人にとっては、随分、首を長くして待った金メダルが、ようやく女子レスリングの2階級でもたらされました。63キロ級の伊調馨さんと、48キロ級の小原日登美さんです。日本として3・4個目は、イランや北朝鮮に並ぶ体たらくで、このたびのオリンピックで、金メダルは、実に遠い。
伊調は、ポイントを取られることなく圧倒的な強さを見せつけ、順当に勝ち進みました。北京オリンピック以降は、自衛隊や代表合宿の男子にまみれて、相手選手の崩し方や技のかけ方を論理的に組み立てる男子選手から刺激を受け、かつての天才的な感性のレスリングから、新たな極みに達し、伊調らしさを追求したレスリングで金メダルを掴みました。現地入りしてから左足首靭帯を損傷して丸一日寝込んだと言われていますが、その影響を(素人の私たちには微塵も)感じさせない完璧な戦いでした。素晴らしいの一言です。
しかし、今日のブログの主役はむしろ小原の方です。既にいろいろなテレビ番組で報道され、波瀾万丈の半生が感動を呼んでいますが、簡単に振り返ります。もともと51キロ級の世界選手権で四連覇し、日本を代表する有力選手でありながら、2004年のアテネ五輪から正式採用されたオリンピック種目で51キロ級が外されたため、48キロ級を妹さんに譲ったばかりに、吉田沙保里のいる55キロ級で、アテネ、北京の二度のオリンピックに挑戦しながら、吉田という不世出の天才が君臨する巡りあわせの悪さで、二度ともに挫折し、一度は(報道によっては二度も)、引退に追い込まれました。しかし妹の引退を機に、三年前に48キロ級に舞い戻ると、人並み外れた練習量に裏打ちされたと言われる安定した実力で、日本代表の座を掴み、足掛け10年、ついに金メダルを獲得しました。世界の一線で活躍しながら、金メダルまで遠かった。レスリング選手だった旦那さんの内助の功が称えられていますが、私のように涙腺が緩み切ったオヤジには、涙なくして語れません(笑)。
金メダルの獲得枚数を数えるのは、オリンピックの本意ではありませんが、タテマエはともかく、四年に一度の代理戦争が本質ですから、本音のところで気になってしまうのは何処も同じでしょう。
中国のネット上では、「金メダルを獲ったのは(重量挙げや卓球などの)マイナースポーツばかりで自慢にならない」「(サッカー、バスケットボール、陸上などの)人気スポーツで勝たなければ、スポーツ大国と言えない」といった冷静な意見や、国が莫大な予算を投じ、選手を育成しスケジュールまで厳しく管理する「挙国体制」あってこそ、金メダル量産につながっている現実を批判して、「スポーツをもっと楽しむべきだ」とする意見まで出ているそうです。中国でも、随分、さばけた議論が出て来るようになりました。更には、「4年前の北京五輪で金メダルの数が世界一となったとき、中国が強国になったと思ったが、私たちの生活は良くならなかった。」「金メダルの数よりも国民生活の改善を優先すべきだ」といった不満まで寄せられているそうです。まあ、アメリカを押さえて、金メダル獲得数トップを突っ走る余裕だと、言えなくもありませんが・・・僅か4個の日本は、何とも言いようがありません。
(追記 2012.08.10)
55キロ級の吉田沙保里さんも、1ポイントも奪われることのない圧倒的な強さで、五輪三連覇を達成し、日本に五個目の金メダルをもたらしました。世界の誰もが彼女をマークし、5月のW杯ではまさかの敗戦を喫すると、接近してのタックルを習得し磨きをかけ準決勝・決勝で威力を発揮するなど、なお進化を続ける彼女を世界は止めることが出来なかったということでしょう。素晴らしいことです。金メダルをかじる迫力は、まさしく野獣のようで、怖いくらいでした・・・
伊調は、ポイントを取られることなく圧倒的な強さを見せつけ、順当に勝ち進みました。北京オリンピック以降は、自衛隊や代表合宿の男子にまみれて、相手選手の崩し方や技のかけ方を論理的に組み立てる男子選手から刺激を受け、かつての天才的な感性のレスリングから、新たな極みに達し、伊調らしさを追求したレスリングで金メダルを掴みました。現地入りしてから左足首靭帯を損傷して丸一日寝込んだと言われていますが、その影響を(素人の私たちには微塵も)感じさせない完璧な戦いでした。素晴らしいの一言です。
しかし、今日のブログの主役はむしろ小原の方です。既にいろいろなテレビ番組で報道され、波瀾万丈の半生が感動を呼んでいますが、簡単に振り返ります。もともと51キロ級の世界選手権で四連覇し、日本を代表する有力選手でありながら、2004年のアテネ五輪から正式採用されたオリンピック種目で51キロ級が外されたため、48キロ級を妹さんに譲ったばかりに、吉田沙保里のいる55キロ級で、アテネ、北京の二度のオリンピックに挑戦しながら、吉田という不世出の天才が君臨する巡りあわせの悪さで、二度ともに挫折し、一度は(報道によっては二度も)、引退に追い込まれました。しかし妹の引退を機に、三年前に48キロ級に舞い戻ると、人並み外れた練習量に裏打ちされたと言われる安定した実力で、日本代表の座を掴み、足掛け10年、ついに金メダルを獲得しました。世界の一線で活躍しながら、金メダルまで遠かった。レスリング選手だった旦那さんの内助の功が称えられていますが、私のように涙腺が緩み切ったオヤジには、涙なくして語れません(笑)。
金メダルの獲得枚数を数えるのは、オリンピックの本意ではありませんが、タテマエはともかく、四年に一度の代理戦争が本質ですから、本音のところで気になってしまうのは何処も同じでしょう。
中国のネット上では、「金メダルを獲ったのは(重量挙げや卓球などの)マイナースポーツばかりで自慢にならない」「(サッカー、バスケットボール、陸上などの)人気スポーツで勝たなければ、スポーツ大国と言えない」といった冷静な意見や、国が莫大な予算を投じ、選手を育成しスケジュールまで厳しく管理する「挙国体制」あってこそ、金メダル量産につながっている現実を批判して、「スポーツをもっと楽しむべきだ」とする意見まで出ているそうです。中国でも、随分、さばけた議論が出て来るようになりました。更には、「4年前の北京五輪で金メダルの数が世界一となったとき、中国が強国になったと思ったが、私たちの生活は良くならなかった。」「金メダルの数よりも国民生活の改善を優先すべきだ」といった不満まで寄せられているそうです。まあ、アメリカを押さえて、金メダル獲得数トップを突っ走る余裕だと、言えなくもありませんが・・・僅か4個の日本は、何とも言いようがありません。
(追記 2012.08.10)
55キロ級の吉田沙保里さんも、1ポイントも奪われることのない圧倒的な強さで、五輪三連覇を達成し、日本に五個目の金メダルをもたらしました。世界の誰もが彼女をマークし、5月のW杯ではまさかの敗戦を喫すると、接近してのタックルを習得し磨きをかけ準決勝・決勝で威力を発揮するなど、なお進化を続ける彼女を世界は止めることが出来なかったということでしょう。素晴らしいことです。金メダルをかじる迫力は、まさしく野獣のようで、怖いくらいでした・・・