保健福祉の現場から

感じるままに

医療機関の経営悪化と処遇改善

2024年05月21日 | Weblog
厚労省「ベースアップ評価料等について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00053.html)に関して、R6.5.20「令和6年度診療報酬改定で新設されたベースアップ評価料に係る届出について」(https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2024/240521_1.pdf)が発出されている。R6.3.5「令和6年度診療報酬改定の概要 【賃上げ・基本料等の引き上げ】」(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001237003.pdf)p3「令和6年度に+2.5%、令和7年度に +2.0%のベースアップを実施し、定期昇給なども合わせて、昨年を超える賃上げの実現を目指す。」とあるが、どうなるであろうか。昨年のR5.3.15琉球新報「31年ぶりにストライキ 国立病院機構労働組合「現場は疲弊、賃金アップは必須」会見で訴え」(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1677847.html)に引き続き、今年もR6.2.26NHK「国立病院 “春闘の交渉次第で全国一斉のストライキへ” 全医労」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240226/k10014371331000.html)が報じられ、R6.3.14NHK「病院など全国一斉ストライキ“十分な回答得られず”日本医労連」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240314/k10014390471000.html)では「経営側からは定期昇給分の2%余りの賃上げしか回答がなく、一時金も引き下げられた」とある。昨年、R5.2.9文春「「日々辞めたいとばかり…」東京医療センターで看護師の16%が退職、さらに半数が退職希望 労働基準法違反の疑いも」(https://bunshun.jp/articles/-/60594)、R5.2.15文春「「こんなに人が少ないのに?」と妊婦の看護師に夜勤要求国立病院機構グループ病院で育児・介護休業法違反が横行か」(https://bunshun.jp/articles/-/60740)、R5.2.21文春「「仕事が遅いからでしょ?」「本当に必要?」 国立病院機構グループ病院で「残業代未払い」が横行」(https://bunshun.jp/articles/-/60870)、R5.3.1文春「「急変患者が出たら終わり」“看護師大量退職”国立病院機構 傘下の病院で危険な「一人夜勤」横行の疑い」(https://bunshun.jp/articles/-/61035)、R5.3.8文春「「そんなにあげられない」「消しゴムで修正」国立病院機構グループ病院で看護師の残業時間の“改ざん”が横行」(https://bunshun.jp/articles/-/61197)が出ていたが、労働基準監督署(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/location.html)の対応はどうだったのであろうか。医療安全(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/i-anzen/index.html)の観点からも問題である。そういえば、R3.9.24AERA「尾身理事長の医療法人がコロナ補助金などで311億円以上の収益増、有価証券運用は130億円も増加」(https://dot.asahi.com/dot/2021092400012.html)のほか、R4.12.21産経「防衛財源へ746億円返納を決定 コロナ対策剰余金」(https://www.sankei.com/article/20221221-PYGWTVFTRNKGHNQFQITC3CAC5U/)で「独立行政法人は国立病院機構(NHO)と地域医療機能推進機構(JCHO)。コロナ対策の病床確保などのための補助金が増え、2法人の剰余金は2021年度時点で計1494億円だった。」とあったが、防衛財源ではなく、病院職員の処遇改善にもっと活用できなかったのであろうか。ところで、福祉医療機構経営サポート(https://www.wam.go.jp/hp/guide-keiei-keieiqa-tabid-1976/)の「2022年度(令和4年度)医療法人の経営状況」(https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/2022_iryouhoujin_shihyouD.pdf)では「⾚字法⼈(経常利益が0未満)の割合」は32.5%(対前年度+7.2)、「2022年度(令和4年度)病院の経営状況」(https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/2022_byouin_shihyouD.pdf)では「⾚字施設(経常利益が0未満)の割合」は一般病院32.5%(対前年度+2.5)、療養型病院33.3%(対前年度+7.3)とあり、医療機関の経営が悪化している。中医協総会(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo_128154.html)のR5.11.24「第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告 -令和5年実施-」(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001170596.pdf)(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001170597.pdf)(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001170598.pdf)(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001170599.pdf)について、R5.12.1「医療経済実態調査の結果に対する見解」(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001173710.pdf)(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001173503.pdf)が示され、R5.12.1Web医事新報「支払側「経営堅調」、診療側「倒産相次ぐ恐れ」 医療経済実態調査への見解表明」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20231201160127)が報じられている。経営悪化の中で、医療従事者の処遇改善が順調に進むかどうか、である。以前、R4.11.28朝日「狙われる医療法人、コロナ禍の経営難につけ込む 大阪、福岡で事件に」(https://www.asahi.com/articles/ASQCX3R12QCSPTIL00D.html)が出ていたが、R2.11.13PRESIDENT「「医者は騙しやすい人種」コロナ禍にヤクザに乗っ取られた病院の末路」(https://president.jp/articles/-/40417)のようなことは絶対に防がなければならない。R5.2.24東洋経済「「5類移行」で暗転する、病院経営の収益構造 コロナ体制からの転換で、経営難が続出!?」(https://toyokeizai.net/articles/-/653158)の「今後医療機関では、コロナの感染拡大初期に福祉医療機構が行った貸し付けの返済も到来する。補助金が減り、収入が安定しない中で、返済に苦慮する病院も増えるとみられる。関西を中心に複数の病院を運営する医療グループの経営者は、「買収してくれないかという身売りの話がポツポツ出始めた」と話す。」(https://toyokeizai.net/articles/-/653158?page=3)は不気味かもしれない。なお、R6.5.10JBpress「《2025年問題の衝撃②》相次ぐ「病院倒産」で崖っぷちの医療現場、医師不足や偏在のシワ寄せは患者に」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/80916)が出ているが、「医療法人」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/igyou/index.html)に関して、R6.3.1「医療法人の事業報告書等の届出及び経営情報等の報告の徹底について」(https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2024/240304_2.pdf)(https://www.hospital.or.jp/site/news/file/1709530001.pdf)では「休眠状態にある医療法人への対応;長期間にわたって事業報告書等の届出がなく、連絡がとれない状況にある、いわゆる休眠医療法人がある場合、法第65条により、都道府県知事は医療法人が病院等をすべて休止又は廃止した後、正当な理由なく引き続き1年以上病院等を開設しないときは、設立認可を取り消すことができるとされていることも踏まえた必要な対応をお願いします。」とある。2002年の医政局指導課資料(https://www.mhlw.go.jp/topics/2002/bukyoku/isei/sidou.html)の「医療法人の認可取り消しについては、医療法において医療法人が病院等をすべて休止又は廃止した後、正当な理由なく引き続き1年以上病院等を開設しないときは、設立認可を取り消すことができることとされている。休眠医療法人の整理については、医療法人格の売買などを未然に防ぐ上で重要なものであり、実情に即して設立認可の取り消しを検討するなど厳正な対処をお願いしたい。」とあり、休眠医療法人は20年以上前から要請されている案件であるが、再度念を押されていることは認識したい。医療機関の休止・廃止の増加が予想されているのであろうか。
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