保健福祉の現場から

感じるままに

地域連携クリティカルパス

2008年05月13日 | Weblog
全国各地で様々な疾患の地域連携クリティカルパスが取り組まれるようになっているが、その作成・運用過程について、中核的病院主導と医師会主導のものがある。また、対象疾患すべてに連携パスを適用するものと一部を適用するものがあるほか、がんの連携パスでは術後の連携、術前の連携、ターミナルの連携など様々である。さて、平成20年度診療報酬改定による「地域連携診療計画管理料、地域連携診療計画退院時指導料~地域連携診療計画の評価の拡大と見直し~」(http://20.iryoujimu1.com/h20-46.html)はどのような状況であろうか。「B005-2 地域連携診療計画管理料、B005-3 地域連携診療計画退院時指導料」については、通知(http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/03/dl/tp0305-1d_0005.pdf)医学- 20 -において、「(1) 地域連携診療計画管理料は、地域連携診療計画の対象疾患の患者に対し、地域連携診療計画に沿って治療を行うことについて患者の同意を得た上で、入院後7日以内に地域連携診療計画に基づく個別の患者ごとの診療計画を作成するとともに、説明し、それを文書にて患者又は家族に提供した場合に、転院時又は退院時に計画管理病院において算定する。患者に交付した診療計画の写しを診療録に貼付すること。(2) 地域連携診療計画退院時指導料は、地域連携診療計画の対象疾患の患者に対し、患者の同意を得た上で、地域連携診療計画に基づく退院後の診療計画を作成するとともに、説明し、それを文書にて患者又は家族に提供した場合であって、計画管理病院に対し文書にて報告した場合に連携する保険医療機関において退院時に算定する。患者に交付した診療計画の写しを診療録に貼付すること。(3) 地域連携診療計画管理料を算定する計画管理病院からの転院時及び地域連携診療計画退院時指導料を算定する連携保険医療機関からの退院時においては、別紙様式10に定める日常生活機能評価を行い、その結果を地域連携診療計画書に記入すること。また、連携保険医療機関が退院時に行った日常生活機能評価の結果は、計画管理病院に対し文書にて報告すること。」とされており、また、様式として、別紙様式10(http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/03/dl/tp0305-1e.pdf)「日常生活機能評価表」、様式12(http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/03/dl/tp0305-1l.pdf)「地域連携診療計画管理料 地域連携診療計画退院時指導料の施設基準に係る届出書添付書類」、様式12の2(http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/03/dl/tp0305-1l.pdf)地域連携診療計画書(様式例)が示されている。この「日常生活機能評価」は、簡易であり、回復期や維持期の関係施設にとっても、ADL達成度等のアウトカム評価が容易かもしれない。しかし、示されている「地域連携診療計画書(様式例)」は、ほとんど院内パスのイメージである。そもそも院内パスは実際の業務や投薬について日ごとに詳しく記載するのに対して、地域連携クリティカルパスは連携施設・支援者間で共有すべき重要な情報・方針を記載するもので、異なるものである。現場では、これまで、様式例はあくまで参考として、運用しやすい様式が作成・運用されていたが、今回、当局から診療報酬のためには様式例の厳格な使用が指導され、戸惑いを感じる方がいるかもしれない。先般、そのような声を聞いたが、気になるところである。ところで、先週、H県の脳卒中連携の会に参加した。関係機関(急性期病院、回復期病院、介護保険事業所等)が何度も集まり、K県で使用されている様式を参考に、地域の実情に応じて連携パス様式を作成し、地域連携パスが運用され、運用後も定期的に研修会・説明会が開催されるとともに、必要に応じて連携パス様式の見直しが予定されている。やはり、地域連携クリティカルパスは、「初めに様式ありき」ではなく、「face to faceの信頼関係」が基本であることを改めて感じたところである。そういえば、「後期高齢者終末期相談支援料」(http://20.iryoujimu1.com/h20-69.html)も厳格な様式に拘りすぎではないか、と若干感じないでもないところである。
 
「冷酷! 後期高齢者「余命宣告」制度の仰天中身 「延命治療」カットで「医療費のかかる老人は早く死ね」と言うのか 「年金天引き」と同時に密かにスタートしていた」(http://kodansha.cplaza.ne.jp/wgendai/article/080428/top_03_01.html)
「後期高齢者の終末医療「延命やめたら医師に[お手当]2千円」 団塊世代はやがて47万人が斬り捨てられる」(http://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/solrenew_magcode?sha=1&neoc=2005305108&keitai=0)
「後期高齢者医療制度「6つのウソ」/<安楽死>を勧める医療だ」(http://www.excite.co.jp/News/magazine/MAG1/20080507/29/)
「必要な10大医療革命/「終末期医療」もカネ次第とは許せない」(http://www.excite.co.jp/News/magazine/MAG3/20080513/71/)
「終末期相談料 廃止も 後期高齢者医療 政府延命抑制批判受け」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2008051202010579.html)。<以下引用>
<政府は十一日、七十五歳以上が加入する後期高齢者(長寿)医療制度の診療報酬体系の一つである「後期高齢者終末期相談支援料」について、廃止を含めて見直す方向で検討を始めた。患者団体などが「延命治療の中止を迫られ、治療を受けられなくなる」と強く反発したことに加え、同支援料が制度全体への批判の一因となっているとして、見直しが避けられないと判断した。同支援料は、医師や看護師らが、回復の見込みが薄いと判断した患者と、▽現在の病状と予想される病状の変化▽介護などの生活支援▽病状急変時の治療の希望内容▽救急搬送の希望の有無-などについて話し合い、医師らがその内容を文書や映像などにまとめた場合、診療報酬二千円を支払う制度。厚生労働省は患者団体などの批判を受け、四月二十八日付で都道府県などに、病状急変時の治療方針などについて患者の希望が「不明」「未定」でも診療報酬の算定を認めると通知し、延命治療に関する意思決定を強要することはないと強調していた。しかし、野党に加え、与党内からも「医療費抑制のために支援料を導入したと思われている。お年寄りに早く死ねと言うことにつながる」との懸念が強まったため、廃止も含めて見直すことにした。>
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