保健福祉の現場から

感じるままに

インフルエンザ対策はワクチンと治療薬のセットで

2018年11月08日 | Weblog
NEWSポストセブン「注目浴びるインフル新薬「ゾフルーザ」 従来薬との違いは?」(https://www.news-postseven.com/archives/20181108_796270.html)。<以下引用>
<10月29日、厚生労働省は、沖縄と三重がインフルエンザの流行期に入ったと発表した。全国の保育所、幼稚園、小学校などの休業施設数はいずれも前週より増加し、早くも大流行の兆しがみられる。インフルエンザは高齢者が罹患すると死亡率が高い。そのため、国や自治体は補助制度を設けて65歳以上の予防接種を呼びかけるなどしている。そうしたなかで注目を集めているのが、今年3月に発売された新薬「ゾフルーザ」だ。昨シーズンの終盤に販売開始されたゾフルーザは、発売からわずか2週間で40万人に処方された。本格的な流行シーズンを通して処方されるのは、今回が初めてとなる。タミフル、リレンザ、イナビルといった従来のインフルエンザ治療薬とゾフルーザが大きく異なるのは、薬が効くメカニズム(作用機序)だ。鼻やのどの粘膜に入り込んだインフルエンザウイルスはそこで増殖した後、細胞の外に出て周りの細胞にまで広がる。従来の薬は、増殖したウイルスが細胞の外に出ていこうとする動きを阻んでいた。「一方のゾフルーザは、細胞内でウイルスが増殖すること自体を抑えます。従来の薬より早い段階でウイルスに作用することが、早いウイルス減少効果につながっていると考えられます」(ゾフルーザの製造販売元である塩野義製薬広報部) インフルエンザの患者約1440人に行なった臨床試験で、ウイルスが体内から消えるまでの時間を比べたところ、タミフルの72時間後に対し、ゾフルーザは24時間後だった。「ゾフルーザは細胞内の遺伝子レベルで作用してウイルスの増殖を抑えます。抗ウイルス効果が高く、体内からウイルスが排出される時間が短いことが明らかになっています」(同前) その即効性ゆえに服用回数が少なくて済むことも特徴の一つだ。タミフルは1日に2錠、5日間にわたって飲み続ける必要があるが、ゾフルーザは20mgの錠剤を1回2錠飲むだけで、その後の服用は必要ない。飲み忘れの可能性も減らせる。昨シーズン最も処方されたインフルエンザ治療薬であるイナビルは、服用は一度でいいが、吸入タイプのため向かない患者もいる。「パウダー状の薬を吸い込むタイプの薬は、吸引力の弱い高齢者には適していないかもしれません」(池袋大谷クリニック院長の大谷義夫氏) ゾフルーザは近い将来、予防薬となる可能性もある。「一度服用すると、薬の血中濃度が4日ほど維持されるため、細胞内でウイルス増殖を抑制します。ゾフルーザは予防薬としても臨床試験中で、来年中の申請を目指します」(前出・塩野義製薬広報部) 医師の処方が必要となるゾフルーザの値段は、一般的な成人が服用する20mg2錠で4789円(3割負担で1437円)。タミフル(816円)やリレンザ(883円)より数百円高い。>

中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)の「ゾフルーザ錠1(バロキサビルマルボキシル);抗ウイルス剤(A型又はB型インフルエンザウイルス感染症用薬)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000196671.pdf)では「非臨床試験において、既存薬耐性ウイルスやA/H5N1、H7N9亜型等の鳥インフルエンザウイルスに対する効果が確認された」とあり、新型インフルエンザ(http://www.cas.go.jp/jp/influenza/index.html)の局面でも期待されるかもしれない。ゾフルーザ錠(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000196671.pdf)(https://for-guests.com/xofluza/)の「単回経口投与」「12歳未満の小児もOK」は魅力的に感じる。ところで、新型インフルエンザ対策に関する小委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=263447)の「住民接種に係る接種要領作成における今後の論点について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000199162.pdf)p6「手引き(暫定版)を見直し、平成30年度中に住民接種実施要領を作成」とあり、それぞれの自治体において、新型インフルエンザの住民接種(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/jumin-sesshu.html)の具体的なシミュレーションが期待されるが、やはりネックになるのはワクチンの供給見込みであろう。「プレパンデミックワクチンの今後の備蓄方針等について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000208084.pdf)p1「1,000万人分備蓄するプレパンデミックワクチンとして、近年の鳥インフルエンザ発生の状況等から、検討時点において「危機管理上の重要性」が高いH7N9 株(A/Guangdong/17SF003/2016(IDCDC-RG56N))としてはどうか。」「平成30年度末をもって、一般財団法人化学及血清療法研究所、北里第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社において細胞培養事業の製造体制が整備される見込みであり、3社の合計として、ワクチン株の決定から6ヶ月以内に、全国民分のワクチンを製造する計画となっている。」とある。季節性インフルエンザワクチンの製造株について検討する小委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=545793)の「2017/18シーズン向けインフルエンザワクチンに関する経緯について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000203184.pdf)p8「2017/18シーズンにおける累積供給量実績/医療機関累積納入量実績」は約2643万本であるが、当初は前年に比べて供給が滞っていたように、季節性インフルエンザワクチンの製造でさえも予定どおりいかないことは認識しておきたい。やはり、インフルエンザ対策は、ワクチンと治療薬のセットで考えたいところである。
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