保健福祉の現場から

感じるままに

糖尿病重症化予防と特別調整交付金

2016年12月27日 | Weblog
4月の「保険者努力支援制度における評価指標の候補」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000121285.pdf)(http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/5211/00220405/83%20sankou_hokenjyadoryokusien2.pdf)に続く、12月22日付の通知「平成28年度特別調整交付金(その他特別の事情がある場合)のうち保険者努力支援制度の前倒し分について」では、「糖尿病性腎症重症化予防の取組(平成28年度の実施状況を評価)」の加点が最も高いことは認識したい。大きな病院では、糖尿病透析予防指導管理料(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_2_1_27/b001_27.html)で、透析予防診療チームによる指導が行われ、eGFR (ml/分/1.73㎡)が 30未満では腎不全期患者指導加算が算定されているが、大半の診療所では、透析予防診療チームの設置は厳しい。保険者による「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000121935.html)では、受診勧奨の抽出基準、保健指導の抽出基準を示して、医療連携による糖尿病透析予防指導管理料(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_2_1_27/b001_27.html)で対応すべき対象を明確にした方がよいであろう。さて、第1回NDBオープンデータ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139390.html)では、特定健診結果について都道府県別の性・年齢階級別のデータが出ており、各都道府県において、40代、50代の男性で血糖コントロール不良者がかなり多いことがわかる。日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況」(http://docs.jsdt.or.jp/overview/)の「導入患者の主要原疾患の割合推移」(http://docs.jsdt.or.jp/overview/pdf2015/p011.pdf)では「糖尿病性腎症」が圧倒的で、2014年の糖尿病性腎症による透析導入の平均年齢は67.2歳である(http://docs.jsdt.or.jp/overview/pdf2015/p012.pdf)。これはまさに現役世代の健康管理の悪さが反映しているのは間違いない。「保険者インセンティブ」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000121285.pdf)はまさに現役世代こそ急務と感じる。定年退職後からの取り組みでは遅い。例えば、大企業が多い「健康保険組合」(http://www.kenporen.com/)や公務員の「共済組合」(http://www.kkr.or.jp/)(http://www.chikyoren.or.jp/)が率先して、「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000121935.html)に取り組むべきであろう。今年は「糖尿病性腎症重症化予防に係る連携協定の締結」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000117513.html)、「糖尿病性腎症重症化予防プログラムの策定」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000121935.html)、「国保・後期高齢者医療制度における糖尿病性腎症重症化予防プログラムに関する説明会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000125442.html)と進められてきたが、「医療計画の見直し」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127276)では、糖尿病の医療連携体制と保険医療連携体制の構築が急務と感じる。市町村国保の保険者努力支援制度前倒しにおける糖尿病重症化予防はその先鞭といえるかもしれない。
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