保健福祉の現場から

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認知症予防

2016年03月30日 | Weblog
毎日新聞「認知症 結核薬に予防効果…マウスで確認 大阪市立大」(http://mainichi.jp/articles/20160329/k00/00e/040/177000c)。<以下引用>
<結核やハンセン病の治療薬として使われる抗生物質の「リファンピシン」に認知症の発症を防ぐ効果があることがマウスの実験で確認されたとの論文を富山(とみやま)貴美・大阪市立大准教授(脳神経科学)らの研究グループがまとめた。認知症予防薬の開発につながる成果で、英神経学雑誌の電子版に29日、掲載された。富山准教授らは、マウスを円形プール(直径約1メートル、水深約30センチ)で泳がせ、足場に到着するまでの時間を計る実験を行った。リファンピシンを与えたアルツハイマー病のマウスは、周囲の風景を記憶して、5日目の実験で、健康なマウスとほぼ同じ20秒程度で足場にたどり着くことができた。一方、与えなかった同病のマウスは倍近くの時間がかかった。富山准教授らはハンセン病患者に認知症が少ないことに着目した。アルツハイマー病などの「変性性認知症」は、特殊なたんぱく質が脳内で集まることによって発症するとされるが、富山准教授らはリファンピシンがたんぱく質の凝集を抑える働きがあることを解明していた。 ヒトでは既に発症した患者に投与しても進行を止めることはできないが、たんぱく質の凝集が始まってから認知症を発症するまで約20年かかるため、この間に投与すれば発症を抑えられる可能性があるという。>

「全国高齢者医療主管課(部)長及び国民健康保険主管課(部)長並びに後期高齢者医療広域連合事務局長会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=252919)の高齢者医療課説明資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000113628.pdf)p17「平成28年度から、後期高齢者医療広域連合において、市町村の地域包括支援センター、保健センター等を拠点として栄養指導等の高齢者の特性に応じた保健事業を実施することを推進。」、p21「高齢者の虚弱(「フレイル」)に対する総合対策[平成28(2016)年度、栄養指導等のモデル事業を実施。食の支援等、順次拡大]」、p23「平成28年度から、栄養、口腔、服薬などの面から、高齢者の特性にあった効果的な保健事業として、専門職による支援をモデル実施。心身機能の包括的なアセスメント手法、効果的な支援方法を検討。※効果検証を行い、平成30年度からの本格実施を目指す。」とある。一方で介護予防(http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/tp0501-1.html)について、介護保険部局では「地域づくりによる介護予防推進支援事業」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/yobou/3_gaiyo.html)(http://www.mri.co.jp/project_related/roujinhoken/uploadfiles/h26/h26_07_tebiki.pdf)や「介護予防・日常生活支援総合事業」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000074126.html)が実施されている。3年毎に各市町村で実施されている「日常生活圏域ニーズ調査」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/osirase/hokenjigyou/06/dl/s1-1.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/osirase/hokenjigyou/06/dl/s1-2.pdf)の結果をみればフレイル対策ニーズがかなり大きいことがわかるであろう。国民健康・栄養調査企画解析検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=128610)の「国民健康・栄養調査の重点テーマについて(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000113289.pdf)では、平成29年度の重点テーマは「高齢者の健康・生活習慣に関する実態把握」であり、「食事、身体活動、睡眠、身体状況(筋肉量等)、咀嚼・嚥下に関する実態把握」がポイントとされる。健康増進計画(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/kenkounippon21_01.pdf)では、「高齢者の健康」に関する目標値として、「介護保険サービス利用者の増加の抑制」「認知機能低下ハイリスク高齢者の把握率の向上」「高齢者の社会参加の促進(就業又は何らかの地域活動をしている高齢者の割合の増加)」等も掲げられており、介護予防は健康増進計画の推進の一環でもある。フレイル対策は、後期高齢者医療と介護保険と健康増進の担当部局が縦割りで進めるものではないであろう。なお、医療費適正化対策推進室説明資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000113807.pdf)p12「平成30年度~後期高齢者広域連合;各広域連合の取組等を特別調整交付金に反映、国保(市町村、都道府県);保険者努力支援制度を創設」とあるが、介護保険でのインセンティブはどうなのであろうか。そういえば、道路交通法改正(http://www.jtsa.or.jp/new/koutsuhou-kaisei.html)で認知症対策が強化されているが、昨年6月、「高齢ドライバー免許更新時、「認知症の恐れ」があれば受診義務化へ【道交法改正】」(https://info.ninchisho.net/archives/4559)と出ていたように、新たな改正道交法(2年以内に施行)では、「免許更新時に「認知症の恐れ」と判定された場合に医師の診断を義務づけ、正式な診断が出れば、免許停止か取り消しとなる」ことは認識したい。この際、認知症の簡単チェック(http://fishbowlindex.net/matsudon/sZEbVLn3F7X5TWM6jLzFvQ/menu.pl)を普及させなければならないであろう。朝日新聞「糖尿病と認知症の悪循環を断て」(http://www.asahi.com/articles/SDI201511110830.html?apital)、「認知症患者の脳に糖尿病の特徴が」(http://www.asahi.com/articles/SDI201512074453.html?iref=com_apitop)も出ていた。厚生労働省「行方のわからない認知症高齢者等をお探しの方へ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000052978.html)以前が重要であろう。
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