かつて止々呂美では盛んに炭焼きが行われており、その炭はお茶の席などで使われる高級炭「池田炭」として出荷されていました。
いくつも有った炭焼き窯ですが、現在は今回見学させてもらった中上さんの窯が唯一となっています。窯には名前があり、中上さんの屋号でもある「五兵衛」というそうです。
毎年この窯を使ってとどろみの森学園の児童と一緒に、伝統的な菊炭作りを行っています。中上さんは、子供たちが自分たちの住んでる地域に残る貴重な伝統を実際に体験して学んで欲しいという想いで授業を受け入れてくれています。
今回は、窯の中に木材を入れ、火をつける窯入れ作業と、完成した炭を窯から出す窯出しの作業にお邪魔してきました。
クヌギなどの木を入れる前に、窯の中の温度をあげて水分を飛ばすために窯ぬくめを2度行います。窯ぬくめが終わり、じんわり暖かい窯の中に入って作業を行います。
窯の外に並べられた木の束を全て窯の中に入れます。
みんなで協力してバケツリレー方式で運びます。
窯の中の中上さんの指示を聞いて、児童たちが細い枝が束ねられた「芝」や、太い木が束ねられた「原木」を窯の中に運んでいきます。テキパキと作業を終え、窯に火をつけます。
入り口付近に着火すると、一晩かけて窯の奥まで火がまわります。レンガと土で入り口を塞ぎ、三日三晩焼き続けます。煙突から出る煙の色を見ながら火を消すタイミングを見計らいます。
今回は途中雨が降り気温が下がった影響で時間がかかり、予定していたよりも3日遅れで火を消すことになりました。自然が相手なので思うようにはいかないものですね。
窯出しの作業もバケツリレー方式で窯の中から炭を出していきます。太くて立派な炭を運ぶときはとても重いので、バランスをとりながら慎重に運びます。
窯から出した炭は、地面に接していた部分は赤っぽくなり、上部はすすがついて白っぽくなっています。
赤い部分は火をつけると煙が出るので出荷する際には切り落とします。
できあがった炭を切断すると、
真っ黒で綺麗な菊の様な模様が出てきました!
止々呂美で炭焼きが盛んに行われていた頃は、いくつも窯があり、あちらこちらで窯の煙があがっていたそうです。今では中上さんの窯、五兵衛のみとなってしまいましたが、これからも伝統を受け継いでいって欲しいです。
今回は貴重な作業を見学させていただき、有り難うございました。
<とっても綺麗な菊の模様だモミ~!!!
箕面市では、2月1日から4月30日まで、統一キャンペーン「子どものSOSサインに1つでも気づいたら迷わずにお電話を!」を行っています