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~千利休も愛したといわれる、伝統の菊炭を守る~ 止々呂美地区で菊炭作りが行われ、とどろみの森学園の児童が炭焼き体験をしました

2024年03月13日 | こんなことがありました!

 箕面市の止々呂美地区は柚子の生産地として有名ですが、良質なクヌギ材を使った炭焼きの生産地でもあります。菊炭(きくずみ)とは、木口断面の中心から外側に向かって放射状の細かい割れ目が入り、断面が菊の花のような美しい模様になるように製炭させた木炭です。火つき・火持ちが良く火力があるうえに、パチパチとはじけたりせず着物に燃え移りにくく立ち消えしたりしないことから、高級炭として茶席などで重用されてきました。昔はさかんに行われていた炭焼きですが、昭和30年代以降、電気・ガスの普及と生産者の高齢化などにより生産が減少し、市内で現役の炭焼き窯は現在1つのみとなっています。

 

今回取材させていただいた中上さんの炭焼き窯は「中政園窯(なかまさえんがま)」といい、直径約2メートル、高さ約1.5メートルのドーム型で、中は大人が4人ほど入ることができる大きな窯です。

 

 炭焼きには、樹齢10年から20年のクヌギを使用します。これらは何度切っても再生される天然木で、伐採後の切り株から再び新しい芽が生え、8年程度で炭づくりに適した太さに成長するそうです。また、クヌギは伐採適齢期(7~8年程度)で伐採することによって、萌芽更新が推進され、里山林の循環を支える役割も果たしています。

 

1月に菊炭の材料となるクヌギを集め、2月下旬には窯に材料を入れて、火入れを行う「窯入れ」が行われました。その後三日三晩かけて焼き、徐々に空気の入りなどを調整、煙が青白い色に変わるなどタイミングを見計らって窯の入口を塞ぎ蒸し焼きし、少しずつ冷ますことで直径約5~10cm、長さ約70cmの菊炭が完成します。

 3月13日(水曜日)には、とどろみの森学園6年1組の児童41名が、地元の特産品を知る総合授業の一環として菊炭作りを体験しました。

 

 子ども達は、窯から炭を取り出す係、炭を運ぶ係、炭を箱に詰める係に分かれ、全員が全ての役割につけるようにローテーションをして作業しました。

窯がまだ温かい状態で、子ども達の作業が始まり、全身灰まみれになりながらも満面の笑みで、菊炭を取り出していました。

 菊炭作りを体験した児童は「窯の中に入ったのは初めてだったけど、意外と広くてびっくりしました。秘密基地みたいでわくわくしました。」や「初めての体験だったけど、とても良い体験ができました。昔はたくさん窯があったけど今はだいぶ減ってきているという話を聞いて、地域に貢献して、伝統を引き継ぐことは大切だと思いました。」と話し、普段はできない体験を楽しんでいました。

 市内唯一現役で炭焼きを行っている中政園窯の中上さんは「昔から営々と受け継がれてきた炭焼も、平成11年頃には「最後の炭焼職人」呼ばれるようになりました。たまたま止々呂美小中PTA役員をしていた頃に、伝統を引き継いでいきたいという思いから、学校に働きかけると「伝統を受け継ぐ素晴らしい事だ」と、快く受け入れてくださいました。それからは一年も途切れることなく、毎年この時期に、とどろみの森学園の子どもたちに炭焼体験をしていただいています。子どもたちに昔の話をしますが、完全に異次元の世界の話を聞いているかのようで、実際どこまで伝わっているのかは分かりません。ですが、この伝統である炭焼の行程の一部を体験したんだと、誇りに感じ楽しかったと思ってくれれば、それで良いのかもしれません。」と話しました。

<お問い合わせ先>

みどりまちづくり部 農業振興室

TEL:072-724-6728、FAX:072-722-2466

 

〈伝統の菊炭を守っていきたいモミ~!

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