ベストセラー小説『日本沈没』などで有名なSF作家・小説家の小松左京にまつわる資料を展示する企画展「小松左京展」が、令和3年10月8日(金曜日)から12月1日(水曜日)まで、箕面市立郷土資料館(箕面6-3-1)で開催されています。
小松左京は日本を代表するSF作家で、作家生活のほとんどを箕面市で過ごしました。1970年(昭和45年)の日本万国博覧会(大阪万博)ではテーマ館のプロデュースにも携わるなど、多彩な才能で活躍をしました。
代表作として、貧窮に喘いで屑鉄を盗み食うアパッチ族と日本政府との闘いを描いた処女長編『日本アパッチ族』、テレビドラマ・映画・漫画など数々のメディアミックスを実現した日本推理作家協会賞受賞作『日本沈没』などがあり、それらの作品でSF作家としての地位を確立し、星新一や筒井康隆と並んで「日本SF御三家」と呼ばれています。
過酷な空想世界を描くことにより現実世界への警鐘を鳴らす一方で、大阪万博では人類の進歩と調和をプロデュースするなど、明るい未来を子どもたちに示そうともしました。また、小松左京は猫好きな一面も持ち合わせており、猫に関する作品やエッセイも数多く残しています。
なお、『日本沈没』は、今月10日(日曜日)午後9時からTBS系列のテレビ局にて新たに放送を開始するテレビドラマ『日本沈没―希望のひと―』の原作であり、テレビドラマの主題歌は、箕面市出身の菅田将暉の新曲『ラストシーン』に決定されています。
今回の企画展では、小松左京ライブラリの協力のもと、資料パネル80点や、万博に関する資料25点、他45点の計150点を展示しています。
展示ブースに入るとまず目に飛び込んでくるのが、箕面市にあった自宅の書斎でくつろぐ小松左京の姿を写した写真パネルです。様々な分野で活躍した小松左京の才能や知識が見て取れるような、多種多様な膨大な量の書籍が納まった本棚を背景に、小松左京は机に座って本に視線を落としています。本を読みながら、あれこれと思いを巡らせているようにも見えます。
そして、展示ブースの奥に進んでいくと、飼い猫のピピと一緒に床に寝転がってお茶目な姿を写しているパネルなどが展示されており、小松左京と歴代の飼い猫とのほほえましい様子をうかがうことができます。また、その一画に、手塚治虫の漫画本『ブラックジャック』が展示されており、開かれているページには、主人公のブラックジャックがある男に「小松左京先生」と呼ぶシーンが描かれています。さらに「小松左京先生」と呼ばれる人物がいる部屋の名前の一部に「箕面」と書かれている1コマがあり、意外なところで小松左京と箕面市のつながりを感じることができます。
他にも、小松左京の作品『空中都市008』に挿絵として描かれた、画家である和田誠のイラストも展示されています。『空中都市008』は20世紀の物語で「未来の暮らしはどうなっているのだろう」と20世紀の子どもたちが夢見た21世紀を描いた話です。そのまえがきでは「そのころの世界はすばらしいものになっているでしょう。(中略)もしきみたちが大人になっても、まだそんな世界ができていなかったら―――きみたちでつくってください」という、小松左京の子どもに対する未来に向けたメッセージが残されています。
本企画を担当した同資料館の林和枝(はやしかずえ)学芸員は、「今年は、小松左京の生誕90年、没後10年の節目に当たります。箕面にゆかりのある人物を紹介し、箕面に対して改めて愛着を持てるよう、また、2025年の万博への期待感を持てるよう、今回の展示を企画しました。私自身、小松左京のユーモアや知識、感性など、多くの作品に触れて、すっかりファンになりました。大の猫好きというところにも親近感を抱きました。展示を見られた全てのかたに、小松左京の普遍的な未来へのメッセージが届くことを願っています。」と話しました。
●企画展「小松左京展」(開催中)
【期間】~12月1日(水曜日)まで ※毎週木曜日休館
【時間】午前10時~午後5時
【場所】郷土資料館(箕面6-3-1、みのおサンプラザ1号館地下1階)
【問い合わせ】電話:072-723-2235 FAX:072-724-9694
【費用】無料
※新型コロナウイルス感染症の感染状況に応じて、上記企画展を中止する場合がありますので、あらかじめご了承下さい。
<小松左京さんは色々な分野で活躍したけど、すべてに共通して“未来への希望”に対する思いがつまっているんだね~
現在をいきいきと暮らし、生涯にわたって心もからだも健康に過ごすためには、正しい食習慣を身に付けることが大切です。市では、毎日の食生活における目標を掲げ、市民のみなさんに実践を呼びかけています。