民間企業へ派遣中の若手職員からのメッセージをお届けしています。
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<最終回の今回は、阪急電鉄株式会社に研修派遣されている古野さんです。どうぞ!
現在、阪急電鉄株式会社に派遣中の古野です。
現在私は、阪急電鉄本社の都市交通事業本部都市交通計画部で、主に観光PR、旅客誘致の仕事をしています。
箕面市役所でも観光の仕事をしていましたが、阪急沿線における観光地のPR、旅客誘致ということで、違った面白みがあります。また、10数年間慣れ親しんだ組織を離れ、全く違った組織の中で働くことの新鮮さと戸惑いが交錯し、とにかくいろいろなことを吸収するのに毎日奮闘しています。
では、具体的な仕事の内容をご紹介します。
現在、主に取り組んでいる仕事の1つに、能勢電鉄沿線の3つの観光エリア(東能勢・西能勢・猪名川)を電車、バス、ケーブル、リフトを利用して周遊することができる企画乗車券の販売促進があります。
梅田駅でのPRイベントの開催、沿線情報紙の紙面の企画立案、スタンプラリーの開催に伴うポスター、チラシの作成などさまざまな仕事を経験しましたが、仕事を進めるにあたり、戦略的な思考による企画提案を上司から常に求められます。
梅田駅での「能勢妙見・里山観光PRフェア」
たとえば、沿線情報紙の紙面の企画立案の時には、上司から、まず紙面のコンセプトとPRしたい魅力を明確にした上で企画案を作成するよう指示されました。
PRしたい魅力は何なのかを探しに、とりあえず現地に足を運び調査をしました。そして、コンセプトや伝えたい魅力を整理した上で企画書を作成したものの、伝えたいことが明確になっていない、戦略性がないなどの指摘を受け、何度も書き直しをしました。やっとの思いでOKをいただいた企画が下の紙面です。
※コンセプトは「都会からすぐの絶景アウトドアスポット」、そして、「観る、食べる、遊ぶ」の3つのキーワードで能勢妙見山の魅力を紙面で紹介しています。
阪急沿線情報紙「TOKK」2009年7月1日号。
私も紙面に登場しています。わかりますか?
現地調査を進めていくうちに、この地域の魅力をもっと多くの人に知ってほしいという気持ちが強くなっていきました。
そこで、この企画乗車券のコンセプトである「自然&歴史!里山めぐりの決定版!」に沿って、もっとPRできる魅力的な観光資源がないか、週末などを利用して何度も現地に足を運びました。
その結果、「里山めぐり」というコンセプトにつながる新たな観光資源(下の写真)の発掘やモデルコースの開拓を行いました。この調査結果を来年度の企画に反映できるよう提案しましたところ採用され、現在、関係者と調整しながらスケジュール感をもって、企画乗車券のリニューアル販売に向けて鋭意取り組んでいます。
発掘した観光資源の一例
(写真左:黒川ダリヤ園(川西市)、写真右:長谷の棚田とコスモス(能勢町))
以上のように、阪急電鉄において、(1)戦略的思考、(2)企画提案、(3)関係者との調整、(4)スケジュール作成・管理の4つの項目に基づいて着実に業務を遂行できているか、そして、最終的にはサッカー選手でいうところの得点に絡む活躍をどれだけできたのかがその人の成果になるということを上司から学び、また、日々の仕事の中でも常にこれらのことを意識するようにご指導いただいています。
ところで、今年3月10日をもって阪急電鉄は開業100周年を迎えます。この阪急電鉄(開業当初は箕面有馬電気軌道)の開業は箕面市に観光地としての近代化をもたらし、また、都市として発展する礎となりました。
そして、この度、開業100周年を迎えることは箕面市にとっても歴史的意義のみならず、市民生活においても大変意義深く、新たなまちづくりの転換点になるのではないかと思っています。
(開業当初の箕面駅)
今回の開業100周年という重要な節目での阪急電鉄との人事交流は重責ですが、残り2カ月、がんばっていきたいと思います。
そして、箕面市役所に戻ってからも、阪急電鉄で学んだことを忘れずに、より魅力あるまちづくりに貢献できるよう熱意を持って取り組んでいきたいと思っています。
<民間企業に派遣されているみなさん、ありがとうございました。次回からは、民間企業から箕面市役所に派遣されているかたをご紹介します。お楽しみに!