蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

旅いろいろ

2023-08-23 | 
旅の広告がたくさん届く。
文字通り、ピンからキリまで。
往復船中泊の弾丸格安ツアーから、飛行機ファーストクラスの旅。
お値段は、200倍ぐらいの格差。
弾丸船中泊旅行は、学生バックパッカーなら良いけれど、老年にはちょっとしんどそう。
かたや、ファーストクラス旅は、寿命が切れる間際に行って早くお金を使ってしまわないと、という駆け込み需要狙いか。

広告も格安ツアーは、デザインなどどこ吹く風、目いっぱいゴチャゴチャ、赤色と黄色を派手に駆使して、隙間なく情報が詰め込んである。
お高いツアーは、値段を見る時に、桁を間違えないように、一、十、百、千、、、と、一つ一つ数えなければならない。

お任せパック団体旅行は、何にも考えず、ただただ着いていくだけで楽だが、どこに行ってきたの?と旅行後に聞かれた時、(例えば)「九州」とか、一歩突っ込んで「南九州」とかは言えるが、詳細はしどろもどろになる。

叔母が旅行した昔は、田舎の家の前まで一軒一軒、団体客用バスが回って来て拾ってくれ、そのまま飛行場に行き、そのまま海外に行き、手続きは添乗員まかせで、帰りも送り届けてもらい、どこの国に行ったのか、おぼろげにしかわかっていない人もいる。
TV画面に映し出される風景が目の前に実際にある、というもの。
後日、TV旅番組で紹介されていると、
「あ、行ったよね、ここ。行った、行った」
と、TVで映る場面と現実で見た記憶を擦り合わせる。
だが、実物よりTV場面しか覚えていないことも多い。

ある団体旅行、、、
南西フランスで個人旅行の日本人と道ですれ違った。
その人は、「どちらに行かれました?」と、不自然でもなんでもなく、にこやかに話題を投げかけてきた。
「この近くの街です。素晴らしいですね」なんて、いかにも地名がわかってない答え。
その人は苦笑い。
こちらも苦笑い。

この団体パック旅行は、至れり尽くせり。
帰国後の旅の記録、思い出まで写真を添えてミニ冊子にして送り届けてくれる。
ありがたいが、これでは復習の機会がない。
あらまあ楽、と、目を細めて手作り日誌を見るが、パンフレットとまとめて保管したら、これでいつでも旅の記憶を確認できると一安心する。
記憶の確定材料が出来た安堵と共に、脳は、定着する前に早々に役割をバトンタッチしたら、あとは、すーーっと脳から消える。
脳をスポイルしてくださる、親切な旅行会社さん。
感謝するものの、あのファイル、家のどこに置いたっけ?


旅の思い出は、状況による。
台風6号とともに行った、直近の九州旅行。
小5孫に感想を聞いたら、「サツマイモが美味しかった!」と。
ん?と一瞬なんのこと?と考えたが、これは、地獄めぐりのワニ園の横で売っていたもの。
彼は大のサツマイモ好き。
わたしもあのサツマイモはかなり美味しかったと思う。
暑い中、暑い日程、湯気がもうもうの地獄めぐり。
あの暑い時期に、まあなんと。
暑さでうだるワニ。
そのワニ園を出たところに、おじいさんが細々と出店で焼きイモを売っていた。
おじいさんの熱中症が心配だ。

と、暑い季節は涼しい地域に、
寒い季節は暖かい地域に、
そう行き先を決めると思うが、我々の場合、暑い時に更に暑い地域に、そしてその中でも更に熱い地獄めぐり。
インバウンドの外国人しかいないのではないかと思うぐらいのチョイスだった。
思い出作りは、何も快適だけが良いのではない。
不自由だったり疲れたり、不便だったりする思い出のほうが記憶に残る。
その中でピカイチ、サツマイモがインパクト大なら、結構なことだ。
旅は手作りは手作りの良さがある。