蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

プラスの鎖、マイナスの鎖

2010-08-09 | 人生
生きていると、いろいろある。

しかし、私は、どうでもよくなっている。
いいことだけ、大いに感じ取って、
嫌なことは、素通りして受け入れないように、自動的にシステム化されているのか?


家族内のゴタゴタ、
夫婦間のゴタゴタ、
義理の親との関係、
経済的問題、
子供の問題、
ご近所さん、職場、友人、知人とのあれこれ・・・
病気や仕事のことも入れると、不安材料は、どんどん広がっていく。

人間として生きている限り
軋轢(あつれき)、きしみ、こじれ、トラブル・・・いっぱい、いっぱいありすぎて・・・
でも、楽しいことも、いっぱい。

楽しいことも、嫌なことも、いっぱいあるから、プラス・マイナス ゼロ。
かけた苦労や努力が大きいほど、大きな満足が得られる。
ハイリスク・ハイリターン。
適当にやっていると、ローリターン。
(真剣に真面目に生きていても、トータル ゼロ ではなく、マイナスになる人もいるだろうけれど)


私は幸運なことに、人には恵まれた。

結婚して初めて婚家に入り、お姑さんのお姑さん(夫の祖母)に挨拶した時
「これからは、ここをあなたの本当の家と思ってくださいね」
と、優しい言葉をかけていただいた。

義祖母は、とても賢い知的な人で、愛情がこもった、素晴らしいお手紙も頂戴した。
義母も頭がよく、働き者で、優しい、出来た人だった。
義父も、きっちりした堅い人で、家を守った。きょうだい達も仲がいい。
プラスの鎖は、続くものだとつくづく思う。
その息子であり孫であるのが、夫だ。
親や、その前の人々が出来すぎなので、夫の良さは、霞んでしまって目立たないが。
息子や娘も、ありがたいほど健全に育ってくれた。


世の中、出来の悪い親もいる。
そんな人と暮らすお嫁さんは、悲劇だ。
でも、まあ、それはそれで、気持ちの持ちようや、行いで、時間が経てば、変わってくる。

マイナスの鎖は、悲しいかな、意識的に切らない限り、延々と続く。
プラスの鎖も、努力なしには続かない。
安楽を追求していては、維持できない。
蓄えていたプラスは、いつの間にかマイナスになる。


常識は、育った家庭で培われる。
その後、就職したり、結婚したりして、新たな常識が加わる。
修正される場合もある。

人と交わり、経験し、自分の常識は、人の常識とどう違うかを確認する。
「実家では、こうでした」「前の職場では、ああでした」
それが通じる場合と、通じないない場合がある。

家庭に引きこもっていては、やり方、考えが衝突した時の対処法を学んだり、
ブラッシュアップする機会が激減すると思う。
安楽といえば、安楽だが、進歩はない。
ほっておくと、凝り固まった、柔軟性のない、手に負えない意固地な年寄りになる。
それが、年寄りというものなのだが。

クリント・イーストウッド監督・主演の映画「グラン・トリノ」のように、
これまで生きてきた美学を頑なに守り、追求するのは理想ではあるが、
なかなか実践は難しい。
自分に厳しくないと、できない。


義母は、嫁いで来て、古い時代の因習のために、ずいぶん辛い思いをしたそうだ。
それは、時代背景や家風の違いによるものが大きいだろう。
義母は、モダンで文化的な商家のお嬢さんとして育ったが、嫁家は、質素倹約を美徳とする、骨太な素封家。
逆だったらよかったのかも知れないけれど。
私だって、ずいぶん違うけれど、
時代も違うし、ライフスタイルも、価値観も、世の中も変貌する。


周りに、どんなお年寄りがいるか。
それは、人生の宝物だ。
同じ世代の人とだけ、つるんでいては、発見、気づきの厚みが薄い。
人生の大先輩。
それも、プラスの鎖を持った大先輩に接することが出来るのは、幸運だ。

もし、周りにいなくても、映画や、テレビ、小説に描かれている場合もある。
理想像を知るのと、知らないのとでは違ってくると思う。
しかし、理想のカタチは、最初から完成されているわけではなく、
試行錯誤から生まれ出るものだと思う。

私は、素晴らしい年配者、先輩、先人に出会えて、
とてもラッキーだった。
先の人から後の人にバトンタッチ、連鎖できる、そのうちの一人となれば、光栄だ。
そのためには、努力、切磋琢磨、謙虚な気持ちが必要だと、切に思う。


ある程度、年齢を重ね、時を経て、考え方が変わることもある。
若い時は、気付かなかったことや感じなかったことが、今となって、別の角度から見えてくることもある。
未熟で至らなかった自分を支えてくれた周りの人々に対して、感謝の気持ちが湧いてくる。
義母も、同じようなことを言っている。

感謝の鎖は、子供たちにもつなげていきたいと思う。



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