2月9日ー10日に参加した議員研修初日のナイター講座では、「マイナンバー制度に関わる自治体の実務と課題」とだいして、夕方5時半から7時までの講座を受講しました。講師は白石 孝先生(プライバシー・アクション代表)です。
2015年10月に制度の本格的な始動となっているマイナンバー制度は私たち国民にその詳細や目的が十分に伝わっていません。またその制度導入に関わる費用や安全性についても不明のままです。十分な検証が必要であり、今回の研修は大いに参考となりました。
先ず、制度の基本的な仕組みは、
「番付、情報連携、本人確認」の3つといわれています。
個人番号と法人番号の2種類が新たに付番され、個人番号は、
① 悉皆性(住民票を有する全員に付番)
② 唯一無二(一人1番号で重複のないように付番)
③ 利用可能な視認性(見える番号)
④ 住民登録情報と関連付ける(氏名、住所、性別、生年月日)
と説明されています。
この中でも法人に番号が付けられ、団体管理に関する多くの危険性を持つことになります。
それでは、「目的」はというと、
① 複数の期間に存在する個人の情報を同一人の情報であるということの「確認」を行うための基盤
② 社会保障・制度の効率性・透明性を高め、国民の採って利便性の高い「公平・公正な社会を実現するための社会基盤(インフラ)」であるとされています。
また、「効果」も示されていますが、容易に想像できるないようです。
一見よいこと尽くめのようですが、果たしてそうでしょうか?
さまざまな問題点が出てきています。また、課題も出てきています。
① 経費の点
「国民の利便」のためとして導入されますが、初期導入に2~4千億円、その後の畝意経費が年間数百億円規模。しかしここには地方自治体の持ち出し経費やすべての事業所(民間会社も含め)のコストは含まれていません。
果たして、これほど膨大な費用を投入して見合う利便性があるのでしょうか?
② 小規模自治体への過大な負担がかかる。
大規模自治体と小規模自治体では、その負担が大きく異なっています。小規模自治体では職員一人で住民記録、戸籍、住民税、国保税等々、複数業務を担当しており、そこに新たな業務が加わります。
③ 個人情報は本当に守られるのか?
裁判所、警察などは自由に利用できます。
「利用できるが、データベースを作ったり、目的外利用はできない」というのが政府の公式見解ですが、第三者的な外部機関として設置している「特定個人情報保護委員会」も関与できないことになっており、抜け穴名になっています。
④ セキュリティーには100%安全はないというのが常識。
こうしたさまざまな問題がある中、具体化をしていく前にいくつかの問題点を正していくことが議員に求められています。(数十に上る問題点があり、ここでは省きます)