12月21日に最終本会議となった三田市議会で、三田市は市民病院の初診料にかかわる手数料の改定を可決した。
2次救急医療としての市民病院が今度「地域支援病院」としての承認を受け、機能分担を進めるために、かかりつけ医からの紹介状のない患者の受診を抑制する」ためとして、初診料のほかに現行では1,050円の上乗せ料金を支払っている金額を2,100円に引き上げるとした。
現状では「かかりつけ医」からの紹介状のない、いわゆる「コンビニ受診」が多く、医師が疲弊して二次救急医療の役割が十分果たせない。かかりつけ医からの紹介状を持ってきた初診料より、直接市民病院へ受診したほうが510円安くなっているため、これを県下の地域支援病院の平均額にするとして、1,050円の上乗せ分を2,100円に引き上げるとした。
ここでいう「コンビニ受診」は、医療の側からの視点であり、必ずしも市民の側から見た「コンビニ受診」と同一ではなかろう。患者によっては「単一の原因ではなく、ひょっとしたら重大な病気かもしれない」と不安な気持ちから、「総合的に診ていただける市民病院が安心」だと、「かかりつけ医」ではなく直接市民病院を受診することもあり得るだろう。受診される方は必ずしも経済的に裕福な方ばかりではないこともある。その方たちにとって、初診料のほかに1,050円の上乗せ料金が2,100円に引き上げられることは、確かに受診抑制となってしまう。大きな負担である。
ある自民党の市議が言っていた。「わずか500円の違いだろう」と。しかし、この500円は収入の少ない方にとっては大きな違い。
私たちは、二次救急医療の大切さ、医師の疲弊は改善しなければならないとの認識を持ち、当然解決しなければならないと考えている。本来、なぜ「医師の偏在」が起きてきているのか、「医師不足」の根本的な原因を解決しないで、小手先の方法では患者の命を守ることはできない。
研修医制度の改革、医師の技術を評価した診療体系にすること、看護師への正当な評価、入院治療に対する患者数と医師・看護師などの報酬単価の改定等々、多くの改善が実質的に放置されたまま患者負担を増やすことでの解決は問題だ。
私たちは、二次救急の意味を踏まえ、現行の1,050円を1,600円に引き上げることで、差額を解消できる最小限の引き上げを提案したが、日本共産党以外の議員によって否決された。
常任委員会の場で、ある他会派の議員が共産党の提案は「市民にとっては良いことだ」ろうと発言していたが、私たちは、総合的に判断しながらも、常に市民の立場から、市民の目線から、どのように問題を解決することが大切であるかの立場で判断している。